民泊清掃の年間コストはいくら?3物件・稼働率70%で試算した実際の支出

都内3物件の民泊清掃年間コストを試算するオーナーの帳簿イメージ 清掃の相場・費用

先月、確定申告の準備で去年1年分の民泊関連の支出を仕分けしていて、清掃系だけで200万円を超えていることに改めて驚きました。3物件で稼働率70%、年間の清掃・リネン・消耗品・ゴミ処理をぜんぶ足したら、税抜きで205万円。月あたりだと約17万円です。

会社勤めのかたわら、新宿区のワンルーム25㎡、台東区・浅草エリアの1LDK45㎡、大田区のワンルーム28㎡の3件を回してます。1件目を持ったときは自分と家族で清掃を回してました。今は全部外注、繁忙期だけ自分がバックアップに入る、という運用です。

この記事は、その仕分けをそのまま棚卸ししたもの。相場や机上の平均ではなく、去年うちで実際に出ていった額を、稼働率70%という条件で試算し直してます。同じ都心・同じ規模でこれから始める人の、予算感の一助になれば。

  1. この記事の要点
  2. 試算の前提|3物件・稼働率70%とは何を指すか
    1. 清掃回数の出し方(平均連泊2泊で計算)
  3. 年間清掃コストの全体像|3物件で205万円の内訳
    1. なぜ基本清掃が7割を占めるのか
  4. 物件別の年間支出|新宿・浅草・大田区で全然違う
    1. 新宿ワンルームは「回転が速いぶん消耗品が減る」
    2. 浅草1LDKは「広さで単価が跳ねる」
    3. 大田区は「羽田早朝チェックアウトの隠れコスト」
  5. 見落としがちな費目|見積書に出ない5つの支出
    1. アメニティは1泊300円が意外と積み上がる
    2. ゴミ処理は「事業ごみ扱い」なので家庭ごみでは出せない
    3. 四半期の深掘り清掃はケチると1年後に響く
  6. 稼働率が上下したら年間コストはどう動くか
    1. 連泊平均が伸びるとコストは意外と下がる
  7. コスト圧縮の効きどころ3つ|削っても品質が落ちない削り方
    1. 繁忙期の枠取りは3ヶ月前が分岐点
    2. リネン契約は稼働日数で分岐する
    3. アメニティは開封率が20%を切ったら削る
  8. 清掃業者との契約で年間20万円ぶれる部分
    1. 見積もり時に必ず確認する項目
  9. 試算どおりに行かないケース|うちで起きた誤算3つ
    1. 2024年秋の清掃単価一斉値上げ
    2. 備品破損は年に数回、まとまって発生する
    3. 稼働率は70%で計算しても、実際は月ごとに30〜90%でブレる
  10. 売上に対する清掃系コスト比率で見る「健全ライン」
  11. よくある質問
    1. Q1. 稼働率70%は妥当な想定ですか?
    2. Q2. 清掃費を売上の何%に抑えるのが目安ですか?
    3. Q3. 清掃業者を1社にまとめるか、複数使い分けるかで年間コストは変わりますか?
    4. Q4. リネンを自前で回すと年間コストはどれくらい下がりますか?
    5. Q5. 事業ごみの処理は必ず業者契約が必要ですか?
    6. Q6. 稼働率80〜90%を狙うと清掃費はどう跳ねますか?
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この記事の要点

  • 東京都心のワンルーム〜1LDK民泊3件を稼働率70%で回した場合、清掃系(清掃・リネン・消耗品・アメニティ・ゴミ・深掘り清掃)の年間支出は編集部試算で約200〜210万円、月換算で約17万円。
  • 内訳は基本清掃が全体の約7割、次に繁忙期割増と四半期の深掘り清掃、消耗品・アメニティ・ゴミ処理が続く。
  • 稼働率70%は民泊新法の上限180日のうち約126泊が埋まる想定。平均連泊2泊で清掃回数は1物件あたり年間約63回。
  • コスト圧縮の効きどころは、繁忙期の枠取り前倒し・リネン契約の見直し・アメニティの開封率チェックの3点。
  • 清掃相場は編集部調べで東京ワンルーム4,000〜6,000円台、1LDKで6,000〜8,500円台が一般的(広さ・頻度・繁忙期で変動)。

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試算の前提|3物件・稼働率70%とは何を指すか

結論から書くと、この記事の「稼働率70%」は、住宅宿泊事業法の年間営業上限180日のうち70%が埋まる、つまり年間126泊が入る前提です。カレンダー365日ベースの70%(255泊)は民泊新法では不可なので、うちの3物件はすべて180日基準で計算しています。

住宅宿泊事業法(いわゆる民泊新法)については、営業日数の上限が180日と定められている点が一次情報でも明記されています。届出・報告の運用は自治体で差があるので、詳細は所轄の民泊窓口で確認するのが早いです。

物件の内訳はこう。新宿区のワンルーム25㎡(Airbnb中心・出張需要が多い)、台東区・浅草エリアの1LDK45㎡(家族・グループ客が多い)、大田区・羽田寄りのワンルーム28㎡(早朝チェックアウトのビジネス客が多い)。この3件で年間の宿泊者受け入れが積み上がると、清掃回数はどうなるか。

清掃回数の出し方(平均連泊2泊で計算)

うちの過去2年の実績だと、平均連泊は約2泊。3泊以上の長期ゲストと1泊のショートが混ざって、ならすと2泊ちょっと、というところ。この記事ではキリを取って2泊で計算します。

126泊÷2泊=63回。1物件あたり年間の清掃回数は約63回。3物件合計で189回。月換算だと3件で約16回。週末に集中するので、実際は繁忙期に週5〜7件、閑散期に週2件、みたいな凸凹が発生します。ここが清掃業者選びで一番効いてくる。そう、枠が取れないと詰みます。

年間清掃コストの全体像|3物件で205万円の内訳

先に総額を出します。3物件・稼働率70%・平均連泊2泊で回した場合の、清掃まわりの年間総支出は約2,053,575円(編集部試算・税抜き)。月平均で約17万円、1物件あたり平均で年間68万円強、というのがうちの実額感です。

費目年間金額(円)全体比
基本清掃(3物件×63回・リネン込みの実質請求)1,449,000約71%
繁忙期割増(全体の約15%が1.5倍相当)108,675約5%
消耗品(洗剤・ゴミ袋・ペーパー等)94,500約5%
アメニティ補充(1泊300円×378泊)113,400約6%
事業ゴミ処理(月3,000円×3件×12ヶ月)108,000約5%
四半期の深掘り清掃(3件×4回×15,000円)180,000約9%
合計2,053,575100%
編集部試算・2026年時点・東京都心・広さと頻度によって変動あり

もっと稼働率が上がれば当然清掃回数も増えて、清掃費は比例的に増えます。ゴミ処理と月次固定費以外は基本的に「稼働に連動する変動費」だと思っておくと、頭の中で早く見積もれます。

なぜ基本清掃が7割を占めるのか

民泊清掃の基本料金は、東京の実勢だと編集部調べでワンルーム4,000〜6,000円台、1LDK〜2LDKで6,000〜8,500円台が一般的なレンジ(広さ・頻度・繁忙期で変動)。うちの新宿ワンルームは5,000円ベース、浅草1LDKは8,000円ベース、大田区ワンルームは5,500円ベース。ここにリネン費を実質乗せると、1回あたり6,500〜9,500円になります。

これに稼働回数(1物件63回/年)が掛かるので、3物件で140万円台に到達する。清掃費を1回500円下げられれば、3件で年間9万円強のインパクトが出る計算。ここが節約の一等地です。ただ、単価を叩きすぎて品質が落ちるとレビューが下がる。うちで一度やって失敗しました。

清掃回数と広さ別のもう少し細かいレンジは、以前まとめた東京の間取り別・清掃料金の実勢価格のほうが具体的な数字を出しているので、そちらも見てもらえると立体的になるはずです。

物件別の年間支出|新宿・浅草・大田区で全然違う

結論を先に。同じ稼働率70%でも、物件によって年間コストは50万円から70万円強までばらつきます。広さと立地の需要層で、清掃1回あたりの単価も、消耗品の減り方も、ゴミ量も、けっこう違う。

物件清掃基礎リネン・消耗アメニティ・ゴミ深掘り年間合計(概算)
新宿ワンルーム25㎡約409,500円約31,500円約73,800円約60,000円約574,800円
浅草1LDK 45㎡約598,500円約31,500円約73,800円約60,000円約763,800円
大田区ワンルーム28㎡約441,000円約31,500円約73,800円約60,000円約606,300円
編集部試算・繁忙期割増は3件でならして各件に按分

新宿ワンルームは「回転が速いぶん消耗品が減る」

新宿の部屋はビジネス出張と1〜2泊のショート観光が多くて、1泊で退去するゲストの比率が高い。だから清掃回数が実は他より多め。連泊平均は1.8泊。年間70回近く清掃が入ります。当然、トイレットペーパーもボディソープも減りが早い。

ただ広さが25㎡と小さいので、清掃時間は1時間半〜2時間で終わる。単価は5,000円ベースで安定してます。深掘り清掃も1LDKより安く済むし、リネンもセミダブル1枚とシングル1枚で完結する。回転数のわりに、費用は3物件で真ん中くらい。

浅草1LDKは「広さで単価が跳ねる」

浅草の1LDKは家族・グループが多いので、平均連泊は2.5泊と長め。清掃回数は年間50回強で新宿より少ないんですが、1回あたりの単価が8,000〜9,500円と一気に上がるので、年間清掃費は3件で最高。ここが全体コストを引き上げてます。

正直、浅草の物件を持ったばかりの頃は「連泊が長いから清掃回数は減る、コスパはいいはず」と思ってました。数字を出したら逆で、1回あたりの単価が想像以上に重かった。広い物件は、清掃時間もリネン枚数も、ゴミの量も全部増えるので、単価が線形以上に上がります。

大田区は「羽田早朝チェックアウトの隠れコスト」

大田区の物件は羽田空港ユーザーが多くて、早朝5時前後にチェックアウトするゲストが月に何件も入ります。次のチェックインが15時だとして、清掃業者が朝9時〜11時に入れるかどうかで、当日の午後の柔軟性が変わってくる。

ここで見積書に出てこない隠れコストが発生してます。早朝入室の割増(+500〜1,000円/回)を受け入れているのがひとつ。もうひとつは、清掃前のリネン回収を業者に任せず、自分が会社帰りに寄って前泊分を回してるコマが年に十数回ある。時給換算するとバカにならないんですが、繁忙期は自分が動かないと回らない。この辺の判断は自分でやるか外注するかの損益分岐の記事で詳しく試算しています。

見落としがちな費目|見積書に出ない5つの支出

結論を先に。年間コストを見誤る一番の原因は、清掃1回あたりの単価だけで頭の中を組み立てることです。実際には、見積書の外で毎月・毎年落ちていく費目がある。うちの帳簿から拾い上げた「うっかり忘れる5つ」を書き出します。

  • アメニティ補充費(シャンプー・ボディソープ・歯ブラシ・スリッパの詰め替えと使い捨て)
  • 事業ゴミ処理の月額契約(家庭ごみでは出せない)
  • 四半期に一度の深掘り清掃(換気扇・エアコン内部・冷蔵庫奥)
  • 備品の破損補充(グラス・タオル・リモコン・ドライヤー)
  • 繁忙期の割増と、逆に閑散期の最低保証料

アメニティは1泊300円が意外と積み上がる

うちの3物件で置いてるアメニティは、シャンプー・コンディショナー・ボディソープ(詰め替え式)、歯ブラシ2本、綿棒、コットン、使い捨てスリッパ、コーヒースティック2本、ペットボトル水2本。これで1泊あたり実質300円前後です。

378泊分(3物件×126泊)で年間11万円。地味に効きます。ここを削れるかは、開封率を見ればわかる。実際に何が使われて何が余ってるかは、Airbnbゲストが実際に使う品と使わない品で、うちの開封率実データを公開しています。参考にどうぞ。

ゴミ処理は「事業ごみ扱い」なので家庭ごみでは出せない

民泊で出るゴミは事業活動に伴う廃棄物として、家庭ごみとは別ルートで処理するのが原則。自治体によっては指定業者との契約が必要で、うちは1物件あたり月3,000円の廃棄物処理業者と契約しています。3物件で月9,000円、年間10.8万円。

ここは自治体ごとに扱いが異なるので、必ずお住まいの区の廃棄物対策課に確認してください。特別区(東京23区)だと、事業ごみは有料の指定袋か、許可業者との契約が基本。曖昧な運用のままだと、あとで指導が入ることがあります。うちも1件目のときに知らずに数ヶ月家庭ごみで出していて、管理会社経由で指摘を受けました。

四半期の深掘り清掃はケチると1年後に響く

通常のチェックアウト清掃では、換気扇内部・エアコンフィルターの奥・冷蔵庫の裏側・ベッド下の隅までは手が回らない。3ヶ月に1回、深掘り清掃を1回15,000円前後で入れています。3物件で年間18万円。

これをケチると、レビューで「なんか臭う」「エアコンから変な音がする」と書かれるリスクが跳ね上がる。実際、新宿の部屋を1年間深掘り清掃なしで回した結果、夏場に「エアコンからカビ臭」というレビューを2件連続でもらって星4.6まで下がりました。星を戻すのに半年かかった。匂いは一度気づかれると挽回が難しい、というのが実感です。

ここまで書いたコストを、そもそも一社ずつ電話して見積もる労力が非効率だと感じる人は、条件を入れるだけで複数の清掃業者から相見積もりが取れる「見つける君」も選択肢のひとつです。無料で試せます。

稼働率が上下したら年間コストはどう動くか

結論から。稼働率が10%上下すると、3物件の年間清掃系コストはざっくり20万円前後動きます。稼働率70%を基準に、上下5ケースで試算してみました。

稼働率年間泊数(3件計)清掃回数(連泊2泊)年間清掃系コスト(概算)
50%(180日中90泊)270泊135回約155万円
60%(108泊)324泊162回約180万円
70%(126泊)★基準378泊189回約205万円
80%(144泊)432泊216回約230万円
90%(162泊)486泊243回約255万円
編集部試算・繁忙期割増や深掘り清掃を含む・連泊平均2泊で固定

稼働率が上がる=売上も上がるので、清掃費が増えること自体は健全です。問題は、稼働率80%を超えたあたりから清掃業者の枠が取れなくなること。GW・お盆・年末年始・桜シーズン・紅葉シーズンは、うちも1ヶ月前から予約を入れないと確保できません。

この繁忙期の枠が取れないリスクは金銭コストに現れないので、試算では見えない。でも実際は「清掃業者が来られないから連泊で埋めるしかない→単価下げてでも埋める」という判断を強いられる。稼働率と清掃キャパは連動して考えるべき、というのが2年運営して気づいたことです。

連泊平均が伸びるとコストは意外と下がる

試算で連泊平均を2泊から3泊に伸ばしてみると、清掃回数が189回→126回に減って、年間清掃系コストは約205万円→約160万円まで下がる。稼働率が同じでも、45万円の差。

1泊単価を下げてでも連泊割引を入れて長期滞在を取りにいく戦略は、清掃コスト面からは合理的。ただ、ADR(客室平均単価)は落ちるので、売上とのバランス次第です。うちの場合、浅草だけは連泊優先で運営しています。

コスト圧縮の効きどころ3つ|削っても品質が落ちない削り方

結論を先に。うちで実際に効いた圧縮ポイントは、繁忙期の枠取り前倒し、リネン契約の見直し、アメニティの開封率チェック、の3つ。単価を叩くのは最後の手段です。

繁忙期の枠取りは3ヶ月前が分岐点

GW・お盆・年末年始の清掃予約を、3ヶ月前までに全部固めておくと、繁忙期割増が発生しない業者が使える。うちは大手清掃会社1社と地域の個人業者2名、計3枠を組み合わせていて、3ヶ月前予約なら大手が通常料金で受けてくれる。

直前予約になると、個人業者に頼まざるを得なくなり、割増1.5倍。年間で108,675円の繁忙期割増のうち、半分の5万円強は前倒し予約で削れる計算です。地味だけど、これが一番ノーコスト。

リネン契約は稼働日数で分岐する

リネンをレンタルにするか自前で回すかは、月間稼働日数で分岐します。うちの計算だと、月10日以下ならレンタルは割高、月15日を超えるとレンタルが有利。月10〜15日はグレーゾーンで、業者の最低ロットと配送頻度次第。

詳しい数字は稼働日数別のリネンシミュレーションにまとめました。稼働率70%なら3物件とも月15日前後の稼働なので、うちは全部レンタルに寄せています。

アメニティは開封率が20%を切ったら削る

アメニティのなかで、開封率が20%を切ってる品は、置いてる意味が薄い。うちの実データだと、綿棒・コットン・使い捨てスリッパは20%を切ります。ここを削ると、1泊300円のアメニティ費が250円まで落ちる。年間で約1.9万円の圧縮。

ただし、置かないことでレビューに影響する品もある(スリッパは特に賛否ある)。何を削って何を残すかは、開封率と原価と、レビューでの言及率の3軸で判断してください。全部削ればいいわけじゃない。

清掃業者との契約で年間20万円ぶれる部分

結論。契約書のこの3項目で、年間コストは20万円くらい平気でぶれます。基本料金の内訳、繁忙期割増の適用範囲、キャンセル規定。

うちは3物件で3社と契約していて、契約書を並べてみたら「基本料金にリネン交換が含まれる/含まれない」「繁忙期割増が金土日祝すべてか、GW・お盆・年末年始のみか」「前日キャンセル時の請求が0円/50%/100%」で、これだけで年間15〜25万円のブレがある計算になりました。

いま思うと、1件目の契約時は完全に相場を知らないまま「業界標準です」の一言で契約書に判を押していた。金曜の夜に契約書を送りつけられて、月曜には清掃を始めたかったので、まともに読まなかったんです。あれは反省してます。今は必ず3社見積もり、契約書の該当条項を並べて比較する、というのを守ってます。

見積もり時に必ず確認する項目

相見積もりを取るときにここを外すと、あとで請求書を見て驚くことになります。基本料金・リネン・ゴミ・繁忙期割増・消耗品・保険・キャンセル規定の7項目は最低ライン。詳しい確認ポイントは見積書で必ず確認すべき7項目にまとめています。

ここを最初に固めておくと、年間コストの予測精度が段違いに上がる。想定と実額の乖離が5%以内に収まるようになります。うちは去年、試算205万円に対して実額211万円。誤差3%以内で着地しました。

試算どおりに行かないケース|うちで起きた誤算3つ

結論。試算は毎年ズレます。ズレる原因は、稼働率の想定外の変動、清掃業者の値上げ、備品破損の集中発生。この3つはコントロールしきれない。

2024年秋の清掃単価一斉値上げ

2024年の秋、うちが契約している3社中2社から、ほぼ同時期に単価改定の通知が来ました。1回500〜800円の値上げ。人件費と燃料費の上昇が理由。年換算だと、3物件で7万円弱の増加インパクトです。

これは正直、抵抗しようがなかった。同時期に他社を当たっても値上げ後の水準に揃ってた。清掃業界全体の底上げが起きているタイミングは、乗るしかないと割り切りました。

備品破損は年に数回、まとまって発生する

ワイングラスが割られる、ドライヤーが持ち去られる、リモコンがなくなる。これが月1件くらいのペースで発生します。1件あたり2,000〜8,000円で、年間だと3物件合計で6〜8万円の補充費が別途かかってます。この費目、試算表には入れてません。事故的な出費として別枠管理してます。

Airbnbのゲスト保証やAircoverでカバーされるケースもあるけれど、金額の小さい破損は申請の手間を考えると諦めるほうが多い。ここも、清掃業者に「破損があったら写真送ってください」というルールを最初に決めておくと、発見漏れが減ります。

稼働率は70%で計算しても、実際は月ごとに30〜90%でブレる

去年の実績で言うと、うちの3物件は月別稼働率が30%(1月・6月)から90%超(4月・8月・11月)までブレました。年間平均で70%に着地したものの、月別に見ると清掃コストは3〜18万円まで振れています。

手元キャッシュの管理としては、繁忙期に売上が入ってから清掃費を払う、というリズムをつくれば大きな問題は起きない。ただ、清掃業者は月末締めの翌月払いが多いので、繁忙月の翌月に清掃費の請求ピークが来ることは頭に入れておいたほうがいい。うちは去年、9月の請求書が28万円で一瞬固まりました。

売上に対する清掃系コスト比率で見る「健全ライン」

結論。うちの3物件の場合、清掃系コストは売上の18〜22%に収まっています。この水準を超えると、他の固定費(家賃・光熱費・OTA手数料)を足したときに手残りが薄くなる。

ざっくり計算で、東京都心の民泊は1泊平均1〜1.5万円という業界の目安があります。3物件で378泊、平均1.2万円で回すと年商は約450万円。清掃系205万円は、この売上に対して約45%。「え、多くない?」と最初に見たとき思ったんですが、これは3件合算で見ているから。1件あたりに直すと、売上150万円に対して清掃68万円で、比率45%。

ちなみに管理会社にまるっと丸投げした場合は、売上の15〜25%または月額3〜10万円が別途上乗せになるので、清掃だけ切り出す運用のほうが比率としては安く済むケースが多い、というのがうちの感触です。

ただ、単価の高い都心物件じゃないと、この比率は成立しません。ADRが8,000円を割ってくるエリアだと、同じ清掃コストで比率が5割を超える。エリア選びの段階で、清掃コストとの兼ね合いを織り込んでおくべき、と今なら思います。

ここまで読んで「じゃあうちの物件だといくらになるのか、まず見積もりから取ってみたい」と思った人は、複数業者の見積もりを一括で取れる仕組みを使うのが早いです。

よくある質問

Q1. 稼働率70%は妥当な想定ですか?

東京都心の民泊は平均稼働率がおおむね70%前後という調査結果があります。ただし、営業日数の上限180日を前提とした稼働率か、カレンダー365日ベースかで意味が変わります。この記事では住宅宿泊事業法の営業上限180日のうち70%(126泊)を採用しています。

物件のエリア・立地・写真・料金設定によって実績は上下します。初年度は50〜60%を保守的に見ておいて、実績を積みながら70%を目指す、くらいの想定が現実的だと思ってます。

Q2. 清掃費を売上の何%に抑えるのが目安ですか?

断定はできないですが、うちの3物件では清掃系(清掃・リネン・消耗品・アメニティ・ゴミ・深掘り)で売上の18〜22%、清掃基本料金だけなら15%前後に落ち着いています。この水準を大きく超えると、家賃・光熱費・OTA手数料を差し引いた後の手残りが薄くなる感覚があります。

物件の単価やエリアで健全ラインは変わるので、あくまで一例として参考にしてください。

Q3. 清掃業者を1社にまとめるか、複数使い分けるかで年間コストは変わりますか?

変わります。うちは3社を使い分けていて、大手1社(安定・繁忙期予約が取りやすい)と個人業者2名(安価・柔軟)を組み合わせることで、繁忙期の枠取りと単価のバランスを取っています。1社にまとめると単価交渉はしやすいんですが、繁忙期に枠が取れないリスクが跳ね上がる。ここはトレードオフだと思ってます。

Q4. リネンを自前で回すと年間コストはどれくらい下がりますか?

稼働日数によります。うちの試算だと、月10日以下ならレンタルより自前のほうが年間5〜10万円安い。月15日を超えるとレンタルが逆転して有利になります。ただし自前は洗濯・保管・破損補充の手間が発生するので、時給換算で見合うかは要検討です。

Q5. 事業ごみの処理は必ず業者契約が必要ですか?

民泊で発生するゴミは事業活動に伴う廃棄物として扱うのが原則で、家庭ごみとは分ける必要があります。ただし自治体によって具体的な運用(有料指定袋の使用可否、許可業者との契約要否)が異なるため、お住まいの区の廃棄物対策課や保健所で確認してください。ここは一次情報にあたるのが確実です。

Q6. 稼働率80〜90%を狙うと清掃費はどう跳ねますか?

試算では、稼働率が10%上がるごとに3物件の年間清掃系コストは25万円前後増加します。ただし清掃回数が増えると、繁忙期の枠取りが物理的に厳しくなる。うちは稼働率80%を超えたあたりで清掃業者のキャパが限界になり、自分で入るコマが月に数回発生しました。数字上のコストと、運営者の労働時間コストは別で見るべきです。

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