先週の水曜、府中で1LDKを回している知人オーナーから「清掃1回7,200円で頼んでたのに、次から8,500円って言われた」とLINEが来ました。私は都心3件(新宿・浅草・大田区)を回してますが、23区外や城南のはずれの相場はここ2年で確かに動いてます。
この記事では「23区外=多摩地域(立川・八王子・町田・府中・調布あたり)」と「城南=品川・目黒・大田区の南側や世田谷の内陸」を分けて、私が実際に見た見積書と、周りの兼業オーナー数名から共有された金額をもとに、実勢レンジを整理します。断定はしません。あくまで2025年後半時点、編集部(私)調べの範囲です。
先に結論を書くと、23区外は「基本料金は都心より安い、ただし業者数が少なく駆けつけと交通費で相殺されがち」。城南は「都心並みかやや下、でも羽田アクセス圏の物件は繁忙期に枠が消える」。この温度差を数字と一次情報で追っていきます。
この記事の要点
- 2025年後半時点、東京の民泊清掃1回あたりの基本料金は編集部調べで、23区外(多摩地域)のワンルームで3,000〜5,500円、1LDKで5,000〜8,000円が一般的な範囲(広さ・頻度・繁忙期で変動)
- 城南エリア(品川・目黒・大田区南部)は都心並みで、ワンルーム3,500〜6,500円、1LDK6,000〜9,500円の見積もりを実際に受け取っている
- 23区外は業者密度が低く、出張費・駐車場代・下道での移動時間が上乗せされるため、表示単価が安くても実質請求が都心と変わらない事例が出る
- 大田区南部の羽田アクセス圏は特区民泊と住宅宿泊事業法が混在しており、繁忙期(GW・お盆・年末)は前日夜まで枠が埋まりやすい
- 相場だけで業者を決めると、深夜チェックアウト非対応や繁忙期の切り捨てで痛い目を見るため、料金体系と対応可能時間を先に確認する
近隣に対応してくれる業者を1社に絞り込むより、同じエリアで動ける業者を2〜3社比較しておく方が繁忙期に慌てません。条件だけ入れて複数社の見積もりを並べたい人は、見つける君で試してみてください。
「23区外」と「城南」で相場が違う理由をまず整理する
タイトルに「23区外・城南」と並べたのは、この2つを一緒に語る記事が意外と少ないからです。ただし性質はけっこう違います。
23区外というと、行政区画では武蔵野市・三鷹市・立川市・八王子市・町田市・府中市・調布市など、いわゆる多摩地域です。観光需要は新宿や浅草に比べれば薄い。ただし、高尾山、サンリオピューロランド、東京競馬場、味の素スタジアム、深大寺、あと立川のIKEAや昭和記念公園といった目的地に対して、外国人・国内客の需要が細く長く続いています。
一方の「城南」は、行政的には23区内(品川区・目黒区・大田区、広く取ると世田谷区南部)を指すことが多い言葉です。厳密には「23区外」ではないのですが、都心の中心部(新宿・渋谷・浅草・銀座)と比較すると相場感が少し違う。私自身、大田区羽田寄りに1件持っていて、新宿の部屋と比べて見積もりの出方が違うのを毎月感じます。
この記事では、タイトルの表記に沿って両方を扱いますが、性質が違うので相場は分けて出します。「23区外=多摩」「城南=大田・品川・目黒の南部」で読んでください。
多摩地域と城南、業者の集まり方が根本的に違う
都心の民泊清掃業者は新宿・池袋・浅草・上野・秋葉原・銀座あたりに稼働の重心を置いています。私が過去2年で見積もりを取った業者20社弱のうち、多摩地域まで通常料金で対応すると明言したのは4社だけでした。残りは「対応可、ただし出張費別途」か「エリア外」。
城南は少し事情が違って、大田区・品川区は「都心の一部」として通常エリアに入れている業者が多い。ただし世田谷区の内陸(用賀・二子玉川あたり)まで行くと、業者によっては出張費が乗ります。この差が相場に効いてきます。
多摩地域(23区外)の清掃1回あたり実勢レンジ
結論から書きます。2025年後半、多摩地域のワンルーム清掃1回は3,000〜5,500円、1LDKは5,000〜8,000円が一般的な範囲です。ここに出張費・リネン・ゴミ処理・繁忙期割増が乗ります。
私が知る範囲でいちばん安く出ていたのは、八王子で個人業者が請けている案件で、ワンルーム1回3,000円ちょうど。ただしリネンは自前洗濯で、鍵の受け渡しはキーボックス、報告書はLINEで写真数枚のみ、という運用でした。この価格を都心の水準と単純比較しても意味がない。
逆に高い方は、立川駅徒歩10分の1LDK(約48㎡)で、リネン込み・当日繁忙期・22時以降のチェックアウト対応込みで1回12,300円という見積もりを見せてもらったことがあります。深夜割増(労働基準法第37条の22時〜翌5時25%以上)を根拠にした乗せ方で、これは水増しではなく制度どおりです。
多摩地域の相場テーブル(編集部調べ・2025年後半・条件付き)
| 部屋タイプ | 基本料金(1回) | リネン込み実質 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム(〜30㎡) | 3,000〜5,500円 | 5,000〜8,500円 | ダブル1台前提 |
| 1LDK(〜50㎡) | 5,000〜8,000円 | 8,000〜12,000円 | ダブル1+ソファベッド想定 |
| 2LDK(〜70㎡) | 7,500〜11,000円 | 11,000〜16,000円 | 布団3〜4組相当 |
| 戸建て(80㎡超) | 10,000〜16,000円 | 15,000〜22,000円 | 庭・玄関周りで別途乗る可能性あり |
このレンジは、私が2024年〜2025年にかけて実際に見積書で確認した金額と、多摩地域で運営する兼業オーナー5名から共有された数字を突き合わせた範囲です。物件の状態・稼働頻度・契約形態で当然動きます。参考の1つとして読んでください。
多摩は「基本料金の安さ」より「出張費と往復の時間コスト」を先に見る
多摩地域を業者側の視点で見ると、車移動が前提になります。都心の業者が武蔵野市の物件に行くには、下道で片道60〜90分、駐車場代500〜1,500円が乗ります。この分を「エリア外料金」として2,000〜4,000円上乗せする業者が多い。
つまり「基本料金3,500円」と表示されていても、都心の業者に頼むと実質7,000円近くなる。地元の八王子・立川に拠点がある業者に頼めれば実質5,000円前後で収まる。この差が痛い。
広さ別の実勢レンジをもっと細かく見たい人は、以前まとめた1LDK・2LDK・戸建て別の東京の実勢価格の整理と併読すると、多摩と都心の落差が具体的にわかると思います。
城南エリア(大田区・品川区・目黒区の南部)の相場感
城南は「23区外」ではないのですが、この記事の趣旨に沿って触れます。私は大田区・羽田寄りに1件持っていて、そこの毎月の見積書がいちばん動きを追いやすい素材です。
大田区羽田寄りのワンルーム(28㎡)で、リネン込み・平日昼のチェックアウト・繁忙期外で、2025年秋時点の請求は1回6,800円。同じ間取りで、新宿の物件(25㎡)は同条件で7,200円なので、大田区の方がわずかに安い。ただしこの差は誤差レベルで、「城南だから安い」とは言い切れません。
城南の相場テーブル(編集部調べ・2025年後半)
| 部屋タイプ | 基本料金(1回) | リネン込み実質 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム(〜30㎡) | 3,500〜6,500円 | 5,500〜9,500円 | 都心並みかやや下 |
| 1LDK(〜50㎡) | 6,000〜9,500円 | 9,000〜13,500円 | ソファベッド有無で変動 |
| 2LDK(〜70㎡) | 8,500〜12,500円 | 12,500〜17,500円 | ファミリー層想定 |
| 戸建て(80㎡超) | 12,000〜18,000円 | 17,000〜24,000円 | 駐車場付き案件は乗りやすい |
羽田アクセス圏は「早朝チェックアウト」の割増が効く
大田区の羽田寄り物件で困るのが、早朝チェックアウトです。羽田発の朝便に合わせて5〜7時にチェックアウトするゲストが月に数組は出ます。この時間帯を通常料金で回そうとすると業者側が疲弊するので、私は5〜7時のチェックアウトには1件+2,000円の追加を許容してます。
深夜・早朝の割増は労働基準法上の深夜割増(22時〜翌5時、25%以上)が根拠にあり、乗せて当然の費目です。時間帯別の割増の考え方は深夜・早朝の割増相場を整理した記事で数字を見せているので、羽田圏で運営する人は先に読んでおくと交渉が早いです。
世田谷内陸は「都心料金+出張費」になりがち
世田谷区は面積が広く、駅から遠い住宅地の物件だと業者の往復時間が長くなります。都心拠点の業者に頼むと出張費1,500〜3,000円が乗るケースが多い。この場合、多摩地域と同じで「地元密着の業者を1社おさえておく」が効きます。
世田谷の内陸で運営している知人が言っていたのは、「三軒茶屋から先は都心料金、用賀から先は多摩料金」という体感でした。もちろん業者次第で境界は動きますが、駅の徒歩圏かどうかで料金体系が変わるという感覚は、私も大田区南部の物件で経験があります。
多摩の物件は業者選びで運営コストが数万円単位で変わります。地元と都心の両方から見積もりを集めるなら、条件を入れて複数社に一括で問い合わせできるサービスを使うのが早いです。
多摩地域と城南、料金体系の比較表で並べる
数字を並列で見せます。以下は、私が実際に受け取った見積書と近隣オーナーの共有見積もりを集約した、あくまで参考のレンジです。
| 項目 | 多摩地域(23区外) | 城南(大田・品川・目黒南) | 都心(新宿・渋谷・浅草) |
|---|---|---|---|
| ワンルーム基本 | 3,000〜5,500円 | 3,500〜6,500円 | 4,000〜7,500円 |
| 1LDK基本 | 5,000〜8,000円 | 6,000〜9,500円 | 6,500〜10,500円 |
| 出張費(都心業者利用時) | 2,000〜4,000円 | 0〜1,500円 | 原則0円 |
| 駐車場代(実費) | 500〜1,500円 | 300〜1,200円 | 案件次第 |
| 繁忙期割増 | 20〜40% | 20〜40% | 20〜50% |
| 深夜割増(22時〜翌5時) | +2,000〜4,000円 | +2,000〜4,000円 | +2,000〜4,500円 |
| 業者密度 | 低い(4〜5社) | 中〜高 | 高い |
この表で言いたいのは「多摩の基本料金が安く見えるけど、出張費と駐車場代を足すと都心とほぼ同じになる」ことです。差が出るのは、多摩に地元拠点を持つ業者に発注できた場合だけ。ここが多摩物件の運営で最初にぶつかる壁です。
都心部の実勢と比べたい人は、新宿・渋谷の相場と繁忙期の枠確保のコツをまとめた記事を並べて読むと、エリアごとの温度差が体感しやすいと思います。
23区外で業者を確保するときの実務手順
多摩の物件で清掃を頼むとき、私と周りの兼業オーナーが実際にやっている探し方の順番を書きます。
ステップ1:地元拠点の業者を最低2社おさえる
八王子・立川・府中・調布あたりで清掃業を営んでいる会社は、Googleマップで「民泊清掃 立川」「ハウスクリーニング 八王子」と検索して、口コミが10件以上ある事業者を洗い出す。ここで大事なのは、民泊清掃の実績があるかどうかを事前に確認することです。ハウスクリーニング専業だとチェックアウト時間の縛りに慣れていないことがある。
業者の選び方の下調べは口コミの確認手順をまとめた記事にステップで書いたので、多摩の物件でも同じ順序で使えます。
ステップ2:都心拠点の業者に「エリア外料金いくら?」を先に聞く
地元業者だけだと繁忙期に詰みます。都心の業者にもエリア外料金の条件だけ聞いておく。私は最初のメールで「多摩地域の物件で、通常料金+いくら乗せれば対応可能か」を直接聞いてます。答えられない業者はそもそも遠隔対応の実績がない。
ステップ3:初回はテスト発注で工程と報告品質を見る
料金レンジ内で候補が絞れたら、初回1件だけテスト発注する。ここで見るのは「予定時間内に終わったか」「写真報告の解像度と数」「リネンの畳み方」「消耗品の補充精度」の4点。安さで飛びついて、後で全部やり直しになった失敗が過去に2回あります。
多摩地域の民泊運営で見落としがちな法規と自治体差
相場の話から少し離れますが、23区外は自治体ごとの運用差が大きく、清掃と直結する部分があるので触れます。
住宅宿泊事業法(民泊新法)は全国共通ですが、上乗せ条例や運用ガイドラインは自治体ごとに違います。東京都産業労働局のポータルによれば、届出窓口は物件所在地の自治体ごとに分かれており、多摩地域の各市(八王子市・町田市は保健所設置市、それ以外は東京都が窓口)で手続きが異なります。
特に八王子市・町田市は独自窓口を持っており、清掃記録や宿泊者名簿の運用について問い合わせ先が違うので、都心と同じ感覚で運営しないほうが安全です。詳細は必ずお住まいの自治体の民泊窓口で最新の運用を確認してください。
清掃記録の保存については、以前まとめた立入検査で見られる書類の保存期間の整理が多摩の物件でもそのまま使えます。自治体窓口が違っても、記録の作り方は共通です。
大田区の羽田圏は特区民泊が混在する
大田区は住宅宿泊事業法(180日ルール)に加えて、国家戦略特区の特区民泊(2泊3日以上、180日ルール適用外)が存在するエリアです。特区民泊は旅館業に近い扱いで、清掃と衛生管理の運用も少し違ってきます。
大田区で物件を持つ、または持とうとしている人は、どちらの制度で運営するかで清掃頻度・記録要件が変わるため、区の窓口に事前相談してから業者と契約する方が安全です。私は住宅宿泊事業法側で運営していますが、特区民泊側の運用は別途調べる必要があると感じています。
繁忙期に多摩・城南で枠を落とさないコツ
GW・お盆・年末年始・桜シーズン(3月末〜4月頭)は、多摩の業者から順に枠が埋まります。理由は単純で、業者数が少ないから。
私は毎年2月と6月に、翌四半期の繁忙期分の枠を「仮予約」の形で押さえるようにしてます。具体的には、3月末〜4月頭・GW・お盆・年末の見込み予約日を、稼働が確定していない段階でも業者に共有しておく。実際の予約が入らなかった枠はキャンセル可能な契約にしてもらう。
この動きができるかどうかで、繁忙期の清掃可否が決まります。飛び込みで「明日お願いします」が通じるのは閑散期だけです。私は去年のGW前、動きが遅れて2泊分の予約を諦めた経験があって、粗利で3万円以上飛ばしました。あれ以来、繁忙期の枠確保は最優先タスクにしてます。
多摩の場合はもう一段しんどい事情があって、業者スタッフの多くが車で複数現場を回すため、1日に入れられる件数が都心より少ない。都心の業者は電車と徒歩で1日6〜8件回せるところを、多摩の業者は3〜5件が上限になる。この構造で、繁忙期の枠は物理的に足りません。
地元業者と都心業者、両方使う「二段構え」が安全
多摩の物件では、通常時は地元業者で回し、繁忙期に地元が埋まったら都心業者に出張料金で頼む「二段構え」が現実解になっています。この場合、都心業者にも通常時に月1〜2件は流しておかないと、繁忙期だけ頼んでも枠が取れません。
契約構成の考え方は月契約と都度発注の組み合わせを試算した記事にまとめているので、多摩物件でハイブリッド運用したい人は参考にしてみてください。
多摩地域は業者数が限られるので、1社に依存すると繁忙期に詰む構図が変わりません。地元と都心を含めて2〜3社の見積もりを並べておくと、判断がしやすいです。
よくある質問
Q1. 多摩地域は本当に都心より安いですか?
基本料金だけを見れば安い傾向はあります。ただし都心の業者に頼むと出張費・駐車場代が乗るため、実質請求は都心と大差ないケースが多いです。地元拠点の業者に依頼できた場合のみ、明確に安くなります。
Q2. 城南(大田区・品川区)は都心より高い、安い?
編集部調べでは、都心並みかわずかに下、というのが実感です。羽田アクセス圏の物件は早朝チェックアウトが多く、その割増を許容するかで実質単価が上下します。
Q3. 多摩地域で1社しか業者が見つからなかった場合、どうすればいいですか?
繁忙期に詰むリスクが高いので、都心拠点の業者にも「エリア外料金いくらで対応可能か」を事前に確認し、月1件でも流して関係を作っておくことをおすすめします。1社依存は業者側の急な廃業や連絡途絶に対しても脆弱です。
Q4. 大田区の物件で特区民泊と住宅宿泊事業法、清掃費に差はありますか?
清掃1回あたりの単価に大きな差はありません。ただし特区民泊は2泊3日以上の縛りがあるため清掃頻度が減り、月間の清掃コストは下がる可能性があります。制度選択は清掃費だけでなく稼働率・法規適合を総合判断する必要があるため、区の窓口に事前相談してください。
Q5. 多摩地域の相場が今後上がる可能性はありますか?
可能性はあります。人手不足と燃料費上昇で、2024年から2025年にかけて清掃業界全体で単価が上がっているという肌感覚があります。ただし具体的な上昇率は個社差が大きく、断定的な予測はできません。契約書の値上げ条項(何ヶ月前告知か)は必ず確認しておくと安全です。

