民泊清掃の契約書に入れておくべき条項|責任範囲・鍵管理・解約条件のひな型

民泊清掃の契約書とチェックリストを机で確認するオーナー 清掃品質・運営ノウハウ

新宿の物件で3年前、清掃業者と口約束のまま運用していた時期があります。金曜の23時にゲストから「シャワーの温度が変」と連絡が来て、翌朝の清掃で確認してもらおうと連絡したら「それは清掃の仕事じゃないですよね」と返された。正直、そこで初めて「契約書がない状態」の怖さを実感しました。

民泊清掃の契約書は、揉めないためだけの書類じゃない。責任範囲・鍵の扱い・解約の予告期間、この3つが曖昧なままだと、繁忙期の直前に業者が飛んだり、鍵を紛失されたときの負担が全部オーナー側に来たりします。私自身、都内で3物件(新宿ワンルーム・浅草1LDK・大田区ワンルーム)を回してきて、契約書を作り直したのは2回。今のひな型に落ち着くまでの試行錯誤を、条項ごとに書いていきます。

本記事は法律の専門家が書いたものではなく、あくまで発注側オーナーの実務メモです。個別の条項は必ず弁護士・行政書士に確認してください。

この記事の要点

  • 民泊清掃の業務委託契約書に最低限入れたいのは、業務範囲・料金・責任範囲・鍵管理・秘密保持・解約予告・損害賠償・再委託の8条項
  • 解約予告期間は業務委託契約では1〜3か月前が一般的で、繁忙期直前の空白を避けるため2か月前予告を編集部では推奨
  • 家主不在型民泊で登録住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する場合、住宅宿泊事業法第35条により全部再委託は禁止(一部再委託は可)
  • 鍵管理条項では紛失時の費用負担(シリンダー交換実費)と、キーボックス暗証番号の変更頻度を明記
  • 損害賠償の上限は「委託料の◯か月分」または「1事故あたり◯円」で定めるのがB2B契約の一般的な設計

ここから先は各条項の意図と、私が実際にひな型に入れている文面を並べます。契約書を1から作る人も、既存契約を見直す人も、順番に潰していけば穴が減ります。

一社ずつ電話して契約書を突き合わせるのが大変なら、条件を入れるだけで清掃業者を比較できる見つける君を試すのが早いです。契約書ひな型を提示してくれる業者かどうかも、面談前におおむね見えます。

なぜ民泊清掃に契約書が必要なのか

結論から書くと、契約書がないと「業務範囲外の作業を頼めない」「鍵を紛失されても交渉が長引く」「繁忙期の枠を守ってもらえない」の3つが同時に起きやすい。口約束は仲がいいうちは機能しますが、担当者が変わった瞬間に消えます。

私が最初に契約書を作ったきっかけは、大田区の物件で清掃担当が退職して連絡が付かなくなったこと。会社対会社の書面がなかったので、翌週の予約に対して代わりの人を出す義務があるのかどうかで揉めました。会社側は「担当個人の話であってうちは関知しない」の一点張り。ここで数日消耗して、月末の売上をひとつ落としています。

もう一つの理由は法令面です。住宅宿泊事業法における家主不在型では、登録住宅宿泊管理業者への管理業務の委託が必要で、清掃はその管理業務の一部として位置づけられます。清掃だけを別業者に切り出す場合でも、住宅宿泊管理業者と清掃業者との間で契約関係を書面化しておかないと、責任の分界がぼやけます。詳細は住宅宿泊事業法で求められる清掃の最低ラインでも触れていますが、法令遵守の観点でも書面は前提です。

口約束と書面の違いが出る場面

書面がないと困る典型は3つあります。ひとつ、清掃中に備品を壊されたときの弁償の話。ふたつ、繁忙期に急に「値上げします」と言われたときに反論の根拠がない。みっつ、こちらから解約したいときに「1か月分の違約金を払え」と後出しされる。全部私が実際に食らったやつです。

書面があると、揉めた瞬間に条文を読み返せる。それだけで会話の温度が下がります。感情論にならないための装置、と割り切って作るのが結局早い。

業務範囲・仕様書の切り出し方

第一条に「業務範囲」を書きます。ここが曖昧だと、あとの条項が全部空回りする。ポイントは、契約書本体には大枠だけ書いて、細かい作業内容は別紙の仕様書に切り出すこと。清掃項目は物件ごとに違うし、季節で追加もあるので、本体をいじらずに別紙だけ差し替えられる形にしておくと運用が楽です。

本体に書く業務範囲は、たとえば「チェックアウト後の全体清掃、水回りの除菌、ゴミの分別と一次集積、リネン交換、消耗品の補充、退室前の写真報告」程度の粒度。ここに書いていない作業は原則オプション扱い(別料金)と明記しておくと、あとで「これも普通やるでしょ」と言われずに済みます。

別紙の仕様書に落とすもの

仕様書には、清掃箇所ごとのチェックリスト、使用する洗剤の指定(例えばアルコール系NGなど)、退室前の写真枚数と撮影角度、報告の連絡手段(LINEかチャットワークか)、これを全部落とし込みます。私は物件ごとにA4で2〜3枚。新宿の部屋は小さいので1枚、浅草の1LDKは水回りが多いので3枚、と分けています。

ここまで書いた仕様書は、そのまま見積もり依頼のときのテンプレとしても使えます。見積書で必ず確認すべき7項目と突き合わせて、見積書と契約書と仕様書で用語が一致しているかを確認しておくと、あとで「見積もりには入っていた」「契約書には書いていない」の水掛け論を避けられます。

オプション作業の扱い

オプションは条項本体に金額を書かないほうがいい。物価も上がるし、季節で相場が動くから。「別紙の料金表に基づき、事前見積もりを取ったうえで実施する」と書いておいて、料金表を別紙に切り出す。これで年1回、料金表だけ差し替えられます。

料金・支払条件の条項

料金条項は、単価・締日・支払期日・振込手数料負担・遅延利息・値上げ通告の5点を押さえます。単価は「1回あたり◯円(税別)」の形式が一番トラブルが少ない。定額制にすると、稼働ゼロの月でも払うことになるので、稼働率が読めない立ち上げ期は避けたほうが無難です。

私の場合、締日は月末、支払は翌月末着金、振込手数料は当方負担。ここまでは業者の希望に合わせています。ただし「値上げは3か月前までに書面で通告する」の一文だけは絶対に入れる。前触れなく上がると、その月の予約分は原価割れするからです。

繁忙期割増の書き方

繁忙期割増を条項に入れるか、別紙に入れるかは分かれるところ。私は別紙派です。「年末年始・GW・お盆の期間は1.3倍を上限とする」と条項に書き、具体的な日付と倍率は別紙で毎年更新。倍率の上限を条項本体で縛っておかないと、業者側が繁忙期の直前に「今年は2倍で」と言い出すことがあります。

詳しい繁忙期の相場感は嘔吐・汚損の追加料金と実費請求の実務とは別枠で、私の運用では「1.2〜1.5倍が上限」の合意にしています。

責任範囲・損害賠償の設計

ここが一番揉める。清掃中に備品を壊した、床材を傷つけた、ゲストの忘れ物を捨てた。この3つで私は過去に痛い目に遭っています。責任範囲の条項では「業者側の過失で発生した損害は業者が賠償する」と大枠を書き、そのうえで賠償上限を設定するのがB2B契約の一般的な設計です。

行政書士や弁護士の解説を読むと、業務委託契約における損害賠償の上限は「委託料相当額(1か月または直近◯か月分)」で定めるのが典型とされています。ただし故意・重過失の場合は上限を適用しないと書くのが通例。ここを外すと、雑な扱いで壊されても委託料の範囲でしか請求できなくなります。

賠償の対象になるもの・ならないもの

私のひな型では、対象は「清掃業務中に業者の過失で生じた直接損害」に絞っています。逸失利益(予約キャンセルで失った売上)は原則対象外、ただしゲストの忘れ物を誤って廃棄した場合と鍵紛失によるシリンダー交換費用は特別に列挙。この2つは頻度が低いけれど1件で数万円飛ぶので、明記しておかないと交渉に時間がかかります。

逆に、経年劣化による設備故障(給湯器・エアコンなど)はオーナー負担と明記。これを書いていないと、清掃直後に壊れた設備を「清掃のせい」にされる余地が残ります。実際、大田区の物件でエアコンが動かなくなった翌週、業者から「うちのせいじゃないです」と念押しの連絡が来て、書いていなくてよかったと思いました。

ゲストへの損害賠償請求との切り分け

ゲストが備品を壊した場合の話は別条項にしています。清掃業者にはあくまで「発見・記録・写真報告」の義務を課し、実費請求はオーナーとゲストの間で処理する。ここを混ぜると業者が請求業務まで背負うことになり、料金が上がります。嘔吐・汚損の追加料金と実費請求の実務で書いたAirCoverの申請フローも、この報告義務があってはじめて回ります。

鍵管理・セキュリティ条項

鍵の扱いは条項として独立させます。物理鍵を預けるのか、キーボックス方式か、スマートロックの暗証番号を共有するのか。方式によって責任の重さが全然違うので、契約書本体で明記しておく。

私の3物件はキーボックス方式に統一しています。暗証番号は月1回変更、変更時期は毎月1日、業者への通知はチャットワークで前日までに。これを条項に落とすと「番号変更を忘れた」というヒューマンエラーがだいぶ減ります。方式ごとの比較は鍵の預け方とキーボックス運用の整理にまとめました。

紛失時の費用負担を数字で決める

紛失時の費用負担は具体的に書きます。「業者側の過失で鍵またはキーボックスを紛失した場合、シリンダー交換費用の実費(上限3万円)と、当該物件の当日および翌日の予約キャンセルによる直接損害を業者が負担する」といった形。上限を書かないと請求書が青天井になる懸念を業者が持ち、そもそも契約を渋られます。

実費の目安は、都内のディンプルキー交換で1万5000〜3万円、電子錠の再設定で1〜2万円。私は上限を3万円に設定していますが、これは物件のシリンダーによって変わるので、契約前に鍵屋に見積もりを取ってから条項の数字を決めるのが安全です。

入室ログの保存義務

もう一つ入れているのが、入室日時と退室日時の記録義務。LINEでもチャットワークでもいい、業者側から入退室のタイムスタンプを残してもらう。これがあると、ゲストからの盗難クレームが来たときに、清掃時間帯を切り分けられます。書式は自由、頻度は毎回、と条項に書いておけば運用は業者任せで大丈夫です。

ここまでで契約書の折り返しくらい。次は再委託と秘密保持、そして解約条項。特に解約は繁忙期の直前に効いてくるので、条項の数字選びを慎重にしたほうがいい部分です。

もし今の契約書がひな型のコピペで、責任範囲や鍵の条項が曖昧なままなら、まず一度、複数の業者に見積もりと契約書ひな型を出してもらって比較するのが早いです。見つける君なら条件を入れるだけで複数業者から書面を取り寄せられます。

再委託の可否と住宅宿泊事業法

再委託の条項は、民泊清掃では特に重要です。住宅宿泊事業法第35条では、住宅宿泊管理業者が住宅宿泊事業者から委託された管理業務の「全部」を他の者に再委託することは禁止されています。一部再委託は認められていますが、契約書のどこに責任が残るかを明記しておかないと、家主不在型の運営では法令遵守の面で不安が残ります。

清掃業者との契約書レベルでは、「業者は本業務の一部を第三者に再委託できるが、事前に書面(メール可)でオーナーの承諾を得ること。再委託先の行為についても業者が責任を負う」と書きます。承諾を書面で残す、というのが大事。口頭で「じゃあお願い」と言ったのを後から否定される可能性があるからです。

再委託先のスタッフ情報

再委託を認めるなら、実際に入室するスタッフの氏名と連絡先を事前に共有してもらう条項も入れます。ゲストとのトラブルが起きたときに「誰が入ったか分からない」状態を避けるため。私は繁忙期だけ外部スタッフを増やす業者と契約しているので、この条項がないと繁忙期に見知らぬ人が入る形になります。

秘密保持と個人情報

清掃業者は物件の住所、鍵情報、場合によってはゲスト名にも触れます。秘密保持条項では、業務上知り得た情報を第三者に開示しない、契約終了後も◯年間は義務が残る、を明記。私は3年で設定しています。

個人情報については、ゲストの氏名や連絡先を業者に渡さない運用にすると条項が薄くて済みます。私はゲスト情報を渡さず、清掃指示のみ物件単位で行う形。この場合の秘密保持は「物件情報・鍵情報・オーナーの連絡先」に絞れるので、契約書もスリムになります。

写真の取り扱い

意外と抜けがちなのが、清掃後の報告写真の取り扱い。業者側が営業資料や実績紹介で使うことを禁止する条項を入れておくと、Instagramに部屋の写真を勝手にアップされる、といった事故を防げます。「業者は業務報告以外の目的で本物件の写真を使用しない」の一文で十分です。

契約期間・解約予告の条項

解約条項は、繁忙期の直前に効いてくるパートです。業務委託契約では中途解約の予告期間は1〜3か月前が一般的とされ、契約書レビューの専門家サイトでも同様の解説が出ています。私は2か月前予告で設定。1か月だと次の業者を探して引き継ぐには短すぎるし、3か月だと業者側にキャンセルの理由を長く抱えさせて空気が悪くなる。

契約期間は1年、以降は自動更新(どちらかが2か月前までに書面で申し出ない限り)、が私の標準。自動更新にしておくと、毎年の書類作業がいらない。ただし料金改定の余地は「値上げは3か月前通告」の条項で担保しています。

即時解除できる事由を列挙

予告なしで即時解除できる事由は、条項で具体的に列挙します。破産・支払不能、法令違反、業務上の重大な過失、暴力団関係者と判明、無断で連絡が2週間以上取れなくなった、など。この列挙がないと、業者側に問題が起きても2か月分は契約が続いてしまう。

「連絡が2週間以上取れない」は個人事業主の業者と契約するときに特に効きます。私は過去に浅草の物件で担当が入院してしまい、連絡が10日途絶えたことがある。この条項を入れておくと、次の業者への切り替えを緊急でかけられます。業者を切り替えるときの手順で詳しく書きましたが、条項の後押しがあると精神的に楽です。

違約金は原則設定しない

中途解約の違約金を業者側から提示されることがありますが、私は原則入れていません。委託者からの中途解約は自由、業者側にも同様の権利を認める、というフラットな設計にしています。違約金を入れると、その分の金額を回収するまで契約に縛られる感覚が強くなり、品質低下のサインが出ても切り替えづらくなる。

条項ごとの位置づけ早見表

ここまでの条項を、優先度・想定トラブル・数値目安の3列で並べます。契約書レビューのときに手元に置いて、抜けている条項をチェックする用です。

条項優先度想定トラブル数値目安(編集部)
業務範囲・仕様書最優先業務外作業の押しつけ本体に大枠・別紙に詳細
料金・支払条件最優先突然の値上げ値上げ3か月前通告
責任範囲・損害賠償最優先備品破損・忘れ物廃棄上限は委託料の1〜3か月分
鍵管理・紛失時負担最優先鍵紛失・不正入室シリンダー交換上限3万円
再委託の可否見知らぬ人の入室事前書面承諾
秘密保持物件情報の漏洩契約後3年
契約期間・解約予告最優先繁忙期直前の解約2か月前予告
即時解除事由連絡途絶・法令違反連絡途絶2週間

この表を見て、契約書のどこかにこの条項が入っているか確認するだけで、大半のトラブルは事前に潰せます。数字は私の3物件での運用値なので、物件の稼働率や単価によって調整してください。

オーナー側で必ず用意する2つの別紙

契約書本体だけでは動きません。別紙が2つ必要で、これが揃わないと運用でつまずきます。ひとつは業務仕様書、もうひとつは料金表・オプション一覧です。

業務仕様書は物件ごとに作る。新宿ワンルームなら「入室手順・清掃手順・退室手順・写真報告」を1枚。浅草1LDKなら水回りが2箇所あるので詳細ページを追加。物件間で仕様書を使い回すと、業者が混乱するので必ず分けます。

料金表・オプション一覧の作り方

料金表は、基本清掃料・繁忙期割増・オプション(深掘り清掃・エアコンフィルター清掃・冷蔵庫内清掃など)を1枚にまとめる。年に1回、更新日を入れて差し替える運用にしています。契約書本体の第◯条から参照する形にしておけば、料金表の更新だけで済み、契約書自体を締結し直す必要がありません。

料金表の粒度感は、業者ごとの見積書と比較しやすいレベルに揃えるのが実務的です。見積書で必ず確認すべき7項目と同じ項目分類にしておくと、複数社の見積もりが並べやすく、乗り換え時にも便利です。

契約書レビューで見落としがちな3点

最後に、私が過去に見落として痛い目を見た3点を挙げておきます。反面教師にしてください。

ひとつめは、消費税の内税・外税の表記。「1回7000円」とだけ書いてあると、後から「税別ですよ」と言われて実質7700円になった例があります。必ず「税別」か「税込」を明記。

ふたつめは、キャンセル料の条項。オーナー側の都合で清掃をキャンセルした場合、前日までなら無料、当日なら半額、といった規定を入れておかないと、業者側の裁量になります。私は「前日18時までキャンセル無料、それ以降は料金の50%」で運用中。

みっつめは、消耗品の立て替え精算。トイレットペーパー・アメニティなどを業者が現地で買い足したときの精算方法。「レシートを添付、上限月◯円」と書かないと、月末にまとめて数万円の請求書が来たりします。私は上限月3000円、超える場合は事前連絡、という設計です。

どこまで自分で作って、どこから専門家に頼むか

ここは判断が分かれるところで、私も正解を持っていません。ひな型を自作しているオーナーもいれば、行政書士に丸投げしている人もいる。物件数と売上の規模で判断が変わります。

私の場合、1物件のときは市販の業務委託契約書ひな型をベースに自分で調整。3物件目を持ったときに、月次の清掃費が総額20万円を超え始めたので、行政書士に一度レビューを頼みました。費用は3万円ほど。責任範囲と損害賠償の条項に修正が入り、これは頼んでよかったと思ってます。

ただ、専門家に頼む前に自分でひな型を作っておいたほうがレビュー費用は安く済みます。ゼロから作ってもらうと数万〜10万円になるので、まず自分で骨組みを作り、リスクの大きい条項(責任範囲・鍵管理・解約)だけ専門家に見てもらう、が現実的なやり方だと感じています。ここは物件数や運営スタイルで判断が分かれるところなので、自分の状況で考えてみてください。

契約書を整えたあと、実際に発注する業者を選び直すなら、条件を入れるだけで複数の民泊清掃業者から書面を取り寄せられる見つける君を使うのが手っ取り早いです。ひな型の受入可否も、初回のやり取りでだいたい見えます。

よくある質問

Q1. 民泊清掃で契約書がないまま運用している業者が多いのはなぜ?

個人事業主や小規模の清掃業者は、書面を作る手間と法務コストを抑えたいので、口頭やLINEのやり取りだけで運用しているところが多い印象です。ただ、これは業者側にとってもリスクで、揉めたときに料金回収の根拠が薄くなる。オーナー側から契約書ひな型を提示すると、意外とすんなり受け入れられます。

Q2. 家主不在型の民泊で、清掃業者と直接契約していい?

家主不在型では、住宅宿泊事業法により登録住宅宿泊管理業者への管理業務委託が必要で、清掃はその一部として位置づけられます。オーナー自身が住宅宿泊管理業者の登録を受けていない場合、清掃業者と直接契約するのではなく、管理業者経由で契約するのが原則です。詳細は観光庁の民泊制度ポータルや自治体の民泊窓口で確認するのが確実です。

Q3. 損害賠償の上限を委託料の何か月分にすべき?

B2B契約では「委託料相当額(1か月分〜直近数か月分)」を上限とするのが一般的な設計とされています。金額の妥当性は物件の売上規模と過去のトラブル頻度で調整します。私は月次委託料の3か月分を上限にしていますが、故意・重過失の場合は上限を適用しない、という但し書きを必ず入れています。

Q4. 解約予告は何か月前が適切?

業務委託契約の中途解約予告期間は1〜3か月前が一般的とされ、契約書レビュー系の解説記事でも同様の目安が示されています。民泊清掃の場合、次の業者を探して仕様書を引き継ぐ時間を考えると、2か月前予告が現実的です。1か月だと繁忙期の枠取りに間に合わないことがあります。

Q5. 契約書のひな型は市販のもので十分?

市販の業務委託契約書ひな型は骨組みとして使えますが、民泊清掃特有の条項(鍵管理・繁忙期割増・忘れ物対応・住宅宿泊事業法との整合)は追記が必要です。1物件でスタートするなら市販ひな型+自分の追記で回せますが、複数物件で月次委託料が10万円を超えるあたりから、行政書士や弁護士に一度レビューしてもらう価値は出てきます。

Q6. 契約書は電子契約でいい?

電子契約サービス(クラウドサインなど)で問題なく運用できます。むしろ紙より改ざんリスクが低く、契約書の保管も楽です。個人事業主の業者だと電子契約に不慣れなことがあるので、その場合はPDFでの押印済みスキャンをメール添付でやり取りする形でも実務上は成立します。

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