先週の土曜、新宿の部屋のチェックアウトが11時、次のチェックインが16時。差し引き5時間の中で清掃業者に入ってもらう予約を取ろうとしたら、いつもの1回7,500円の枠が埋まっていて、別業者に9,800円で打診が来ました。1回2,300円の差は、月に10泊回れば2万3千円。年間だと家族の外食1回分よりずっと大きい。
民泊の清掃料金は、東京というひとくくりでは語れません。新宿・浅草・大田区で自分が3物件を回してみて、同じ「ワンルーム清掃1回」でも見積書の下2桁まで違うのを何度も見てきました。
この記事では、東京で民泊清掃を1回いくらで頼むのが「妥当」なのか、広さ別・条件別に、自分が見てきた見積書と各社の公開情報を突き合わせて整理します。数字は編集部調べで、時期・エリア・条件によって上下します。断定はしません。
この記事の要点
- 東京都心のワンルーム(20㎡前後)民泊の清掃1回あたり料金は、編集部調べで概ね3,000〜5,500円が多い。1LDK(40〜50㎡)は5,000〜8,000円、2LDK以上は7,000〜12,000円前後が目安(2025年11月時点、リネン・ゴミ回収の有無で変動)。
- 料金体系は「面積制」「時間制」「人数制」の3種類。時間制はくらしのマーケットで1時間あたり5,000円前後(2024年11月時点の公表値)。
- 基本料金だけを比べると失敗する。リネン交換・ゴミ回収・消耗品補充・交通費・繁忙期割増・直前予約割増を含めた「1回総額」で比較するのが妥当。
- GW・お盆・年末年始・桜シーズンは1〜3割の繁忙期割増が入る業者が多い。定期契約か単発かでも単価が変わる。
- 「1回あたり最安」より「連絡が返ってくる速さ」と「繁忙期の枠取り」の方が、年間収益への影響は大きい(体感)。
1社ずつ電話して見積もりを取り直すのが面倒なら、条件を入れるだけで対応可能な清掃業者から返事が来る仕組みを試すのが早いです。相見積もりを取る手間を減らせます。
結論:東京の民泊清掃、1回あたりの妥当ラインはこの範囲
結論から書きます。東京23区で民泊清掃を1回頼む場合、リネン交換とゴミ回収を含めた総額で、ワンルームなら4,500〜6,500円、1LDKなら6,500〜9,000円、2LDK以上なら9,000〜13,000円あたりが、私が3年ほど見積もりを取り続けてきた「妥当」の範囲です。これより安いと基本料金だけの表示か、範囲が狭いか、繁忙期対応が弱い可能性を疑ってます。
他社の公表情報とも大きくズレません。日本総政ファンドの民泊投資情報ナビでは、20㎡未満のワンルームで3,000〜4,000円、20〜40㎡(1K〜1LDK)で4,000〜5,000円、40〜60㎡(2K〜2LDK)で5,000〜6,000円、60〜80㎡(3K〜3LDK)で6,000〜7,000円という目安が示されています(一般的な料金設定の例として提示された数値、2025年時点、リネン・ゴミ回収の扱いは業者次第)。
ただこの「基本料金」ベースの数字に、リネン交換・ゴミ回収・アメニティ補充・交通費が乗ってくると、実際の1回総額は上の私の体感レンジまで上がる、という理解でいます。
時間制で頼む場合、くらしのマーケットは公式マガジンで1時間あたり5,000円程度が民泊清掃代行の費用相場(2024年11月の情報)だと書いています。ワンルームで1〜1.5時間、1LDKで2〜2.5時間、2LDKで3時間前後というのが自分の実測なので、時間制で組んでも面積制と大きく変わらない着地になることが多かったです。
広さ別の実勢価格を1回総額で並べてみた
ここからは広さ別に、私が実際に見てきた見積書と公開情報を突き合わせて、1回あたり総額の目安を並べます。総額はリネン交換・ゴミ回収・消耗品補充を含んだ後の金額です。繁忙期割増は含みません。すべて編集部調べ、2025年11月時点、東京23区の想定です。
| 広さ | 基本料金の目安 | 1回総額の目安(込み) | 清掃時間 |
|---|---|---|---|
| ワンルーム(〜25㎡) | 3,000〜4,500円 | 4,500〜6,500円 | 1〜1.5時間 |
| 1K〜1LDK(25〜45㎡) | 4,000〜6,000円 | 6,000〜8,500円 | 1.5〜2.5時間 |
| 2LDK(45〜70㎡) | 5,500〜8,000円 | 8,500〜12,000円 | 2.5〜3.5時間 |
| 3LDK・戸建て(70㎡〜) | 7,000〜10,000円 | 11,000〜16,000円 | 3.5〜5時間 |
新宿区のワンルーム(約25㎡)でうちが払っている金額
新宿の部屋は駅から徒歩7分、25㎡のワンルーム。ダブルベッド1台とソファベッド1台。ここは今、定期契約で1回5,800円(リネン交換・ゴミ回収・アメニティ補充込み、税別)で回してもらってます。繁忙期は+800円。年契約前は1回7,200円で単発発注してたので、月10泊回すと1万4千円ほど差が出ました。
過去に「1回3,800円」を謳う業者に頼んだこともあります。ふたを開けたらリネンは持ち込み前提、ゴミは自分で持ち出し、アメニティ補充は別料金で+1,500円。合計すると6,000円を超えてました。表面の安さで比較しても意味がない、と痛感した最初の失敗です。
浅草の1LDK(約45㎡)の見積もりが3社でどう違ったか
浅草エリアの1LDKは、去年3社から見積もりを取り直しました。A社は基本4,800円+リネン1,800円+ゴミ700円=7,300円。B社は「オールインクルーシブ」で8,200円。C社は時間制で2時間9,600円(1時間4,800円)。同じ条件でこれだけ動きます。
結果的にB社の8,200円を選びました。理由は総額の中央だから、ではなく、繁忙期の枠を先押さえしてくれる契約条項が入っていたからです。1回500円高くても、GWに1泊逃す方がずっと痛い。
料金体系は3種類ある。自分の物件に合うのはどれか
結論、ワンルーム〜1LDKなら面積制、2LDK以上や特殊な間取りなら時間制、簡易宿所で人数変動が大きい物件なら人数制、という使い分けが素直です。3年見てきて、この分け方でだいたい外れませんでした。
面積制:ワンルーム〜1LDKの主流
㎡や間取りで料金が決まる方式。予算が読みやすい。ワンルームなら3,000〜4,500円、1LDKなら4,000〜6,000円の「基本料金」で提示されることが多いです(前述の公開情報と一致)。ただし基本料金には何が含まれるかを1行ずつ確認しないと、後から乗算式で足されます。
時間制:くらしのマーケットや家事代行系に多い
1時間あたりで清算する方式。くらしのマーケットのマガジンでは、民泊清掃代行の費用相場は1時間あたり5,000円程度(2024年11月時点)と書かれています。清掃の範囲が広い物件(3LDKや戸建て)は時間制の方が予測しやすいことがある一方、汚れがひどい日に時間がかかると請求が伸びます。上限時間を設定する契約にしておくのが無難。
人数制:ゲスト数で変動する方式
宿泊人数に応じて料金が段階的に上がる方式。竹下産業のコラム内で紹介されている例では、宿泊ゲスト2名で基本プラン1回3,000円という設定もあります(物件の面積がゲスト人数に対して広い場合など、料金が変わるケースあり)。ドミトリー的な運用や、簡易宿所で人数の振れが大きい物件と相性が良いです。うちの3物件はどれも人数が読めるので採用してません。
「基本料金」に含まれないものリスト。ここで差がつく
これが一番大事。1回の総額を上げてくる項目は決まっていて、どこまで基本料金に含まれるかで見積書の意味が大きく変わります。プレイズや情報廃棄のタケシタのコラムでも、リネン・ゴミ処分・消耗品補充・交通費・特別清掃はオプションになりやすいと指摘されています。
- リネン交換(シーツ・カバー類):レンタルリネン込みで+1,500〜2,500円/回、自前リネン持ち込みだと洗濯代のみで+500〜1,200円
- ゴミ回収・処分:+500〜1,500円/回。事業系ごみ扱いのため自治体回収に出せない点は要注意
- アメニティ・消耗品補充:現物支給+作業料500〜1,000円、または業者仕入れ込みで+800〜1,800円
- 交通費・駐車場代:都心部は含まれることが多いが、周辺区や車必須物件は+500〜1,500円
- 直前予約割増(前日・当日):+20〜50%
- 繁忙期割増(GW・お盆・年末年始・桜):+10〜30%
- 特別清掃(吐瀉物・強い臭い・大量のゴミ放置):+2,000〜10,000円のスポット請求
ゴミの扱いは特に軽視されがち。民泊で出るゴミは事業活動に伴って生じたゴミ、つまり事業系ごみとして扱う必要があるのが原則です。廃棄物処理法上、家庭ごみとして自治体の集積所に出せないケースがあり、詳細は物件所在地の自治体・清掃事務所に確認する必要があります。この処理を業者に任せられるかどうかが、オーナー側の実務負担を大きく左右します。
ここまで書いてきた「基本料金+オプション」の比較を、自分1人で3〜5社に電話して揃えるのは、正直しんどいです。条件を入れて対応可能業者から見積もりが返ってくる仕組みを使うと、比較のスタート地点まで一気に短縮できます。
エリアで動く:新宿・浅草・大田区で見た価格差
同じ東京23区でも、対応業者の密度と競争度合いで単価は動きます。私が3物件を回してきた新宿・浅草・大田区の体感を書きます。数字はうちの実績と、周辺オーナー数名から聞いた話を突き合わせた編集部調べです。
新宿区・渋谷区・千代田区あたりの都心中央部は、業者数が多く、単価は中央〜やや高めに揃います。ワンルーム総額で5,500〜6,500円のレンジに落ちやすい。台東区(浅草・上野)は観光需要が強く、繁忙期の枠取り競争がきつい代わりに、通年で見ると単価は都心中央と大きく変わらない。1LDK総額で7,500〜9,000円で落ち着くことが多かったです。
大田区・江戸川区・足立区など周辺区は、移動時間の関係で対応業者が絞られ、基本料金は安めでも交通費が乗ってくるパターン。羽田寄りのうちのワンルームは、都心系の業者だと交通費+800円で総額6,300円、地元密着系だと交通費なしで5,600円。定期契約と地元密着で組み合わせるのが安く付いてます。
エリア別の内訳の詳細は、以前まとめた1LDK・2LDK・戸建て別の実勢価格でも書きました。間取りが決まっている方はそちらの方が具体的です。
繁忙期・直前予約で単価はどこまで動くか
GW、お盆、年末年始、それに春の桜シーズン。この4つの時期は、清掃業者の稼働率が普段の1.5〜2倍近くまで跳ねます。くらしのマーケットや情報廃棄のタケシタのコラムでも、繁忙期に価格が上がる事業者や、直前予約に割増を設定する事業者があると明記されています。
うちの新宿の部屋、去年のGW最終日は通常5,800円が7,500円まで上がりました。約29.3%増。浅草の1LDKも去年の年末29日〜1月3日は+20%固定で、8,200円が9,840円。年間の売上インパクトを考えると、この時期の割増分は宿泊料金に転嫁できるので、実質的な負担は薄まる、というのが私の理解です。
厄介なのは直前予約割増。前日18時以降の依頼で+30%、当日で+50%、という条件はよく見かけます。ゲストがチェックアウト時間を延ばしたい、と言ってきたときにこの割増に引っかかりやすい。うちは「前日20時までに翌日の予約を確定する」を運営ルールにしていて、それだけで直前割増をほぼ0回に抑えられてます。
繁忙期の枠取りが不安な人は、以前書いた清掃業者を探す5つの方法で、単発と定期を混ぜる話が参考になるかもしれません。
単発と定期契約、どっちが1回あたり安くなるか
月10泊以上回るなら、定期契約の方が1回あたり10〜20%は安くなる、というのが私の3物件の共通した結果です。新宿の部屋で、単発1回7,200円から定期契約1回5,800円へ切り替えて、19.4%下がりました。
ただ、稼働率が月5泊以下だと、定期契約の最低件数条項に引っかかって割高になることも。うちの大田区の部屋は、去年10月〜11月に稼働が落ちて月4泊まで下がり、定期の最低8回分を払う羽目になりました。この月は単発の方が安く付いてました。
稼働率で判断軸を持つのが妥当だと思ってます。月8泊が損益分岐の目安。ここより上なら定期、下なら単発とマッチング系を組み合わせる。相場の全体像は民泊清掃の相場・料金を徹底解説で広さ・頻度別に整理してあります。
「1回料金の妥当」を判断する5つのチェック軸
ここまで数字を並べてきましたが、最終的な「妥当」は物件と運営スタイルによって変わります。私が新しい業者を検討するときに使ってる判断軸を5つに絞って共有します。
- 基本料金に何が含まれるかを1行ずつ書き出してもらえるか(口頭説明だけの業者は避ける)
- リネン交換・ゴミ回収・アメニティ補充を含めた「1回総額」で複数社を比較しているか
- 繁忙期割増と直前予約割増の料率が契約書に明記されているか
- キャンセルポリシーが対称的か(当日キャンセルで全額請求する業者もあれば、直前依頼を断らない業者もある)
- 連絡のレスポンスが24時間以内に安定して返るか(ここが崩れると単価より大きな損失になる)
正直、私は5つ目が一番大事だと感じてます。1回500円安くても、金曜の夜に返信がなくて土曜チェックインを1泊逃したら、その1泊の売上(新宿で15,000円前後)で500円の差なんて簡単に飛びます。単価だけの比較は罠。
自分でやるという選択肢も含めて損得を計算したい人は、民泊清掃を自分でやると月いくら浮くかを先に見ておくと、外注1回料金の「妥当」の感覚が変わると思います。
「1回料金」だけで判断しない方が良い、と思っている理由
最後に、この記事のタイトルを裏切るような話をしておきます。1回料金の「妥当」を追いかけすぎると、たぶんうまくいきません。理由は3つ。
ひとつ目。清掃品質のバラつきが、レビュー評価を通じて宿泊単価に反映されるまで、3〜6ヶ月のタイムラグがあります。1回800円安い業者に変えて、レビュー評価が4.9から4.7に落ちて、半年後に宿泊単価が5%落ちる、という失敗を私は浅草の部屋でやりました。差額を回収する前に売上で負けた。
ふたつ目。繁忙期に枠が取れない業者は、通年契約で年10万円以上の機会損失を生みます。単価500円の差×月10回×12ヶ月=6万円、より、GW3泊逃した売上4万5千円×繁忙期年3回=13万5千円の方がずっと大きい。
みっつ目。運営の「安心感」に値段はつけにくいけど、確実に効きます。金曜の夜に業者から連絡が返ってくると分かっているのと、留守電に入れて祈るのとでは、本業への集中度が全然違う。兼業オーナーにとってはここが一番の生産性コスト、と個人的に思ってます。
だから「1回いくらが妥当か」の答えは、単価表だけでは決まりません。あなたが月何泊回して、レビュー評価にどれくらい神経を使い、繁忙期に何%依存しているか。ここの判断は、記事側で言い切れる領域を超えている、と思ってます。
ここまで読んでも、自分の物件で妥当な1回料金がいくらになるか、机上だけでは決まりません。実際に複数の業者から見積もりを取って比較するのが最短ルートです。
よくある質問
Q1. 東京のワンルーム民泊、1回3,000円の業者は選んでも大丈夫ですか?
基本料金3,000円自体は相場の下限に近く、あり得る数字です。ただし、その3,000円にリネン交換・ゴミ回収・アメニティ補充・交通費が含まれるかは業者ごとに違います。私の経験では、3,000円台の見積もりはオプションを積み上げると5,500〜6,500円に着地することが多かったです。1行ずつ内訳を確認してから判断するのが妥当だと思います。
Q2. 1LDKで1回1万円を提示されました。高いですか?
編集部調べのレンジ(総額6,500〜9,000円)よりやや上ですが、繁忙期・特殊間取り・当日対応など条件次第で妥当な範囲に入ります。同条件で他2社の相見積もりを取ってから判断する方が確実。単価だけでなく、繁忙期の枠を優先的に確保できる条項があれば1回1,000円のプレミアムは回収できる、と私は考えています。
Q3. 民泊のゴミを普通の家庭ごみとして出せますか?
民泊で発生したゴミは事業活動に伴う廃棄物、つまり事業系ごみとして扱うのが原則です。廃棄物処理法上、家庭ごみとして自治体の集積所に出せないケースが多く、自治体ごとに取り扱いが異なります。物件所在地の区役所・清掃事務所に必ず確認してください。清掃業者にゴミ回収まで含めて委託できるかを見積もり段階で確認するのが実務的です。
Q4. リネンは業者レンタルと自前調達、どちらが1回コストを抑えられますか?
短期的な1回あたりでは業者レンタル込みの方が計算が楽ですが、月10泊以上回る物件だと自前調達+洗濯代方式の方が安くなる傾向があります。うちの3物件で試算した結果はレンタルと自前どっちが安いかにまとめました。物件の稼働率で分岐点が変わります。
Q5. 繁忙期の割増はどれくらい見込んでおけばいいですか?
GW・お盆・年末年始・桜シーズンで+10〜30%程度の割増を設定する業者が多いです(編集部調べ、2025年11月時点)。うちの実例では新宿のワンルームが+29.3%、浅草の1LDKが+20%固定でした。宿泊料金側で吸収できる範囲なので、繁忙期に確実に枠が取れる業者を選ぶ方が優先度は高い、と考えています。
Q6. 直前予約の割増を避けるコツはありますか?
「翌日の清掃予約を前日20時までに確定する」を運営ルールにするのがシンプルで効きます。うちは3物件ともこの運用にしてから、直前予約割増をほぼ発生させずに済んでいます。ゲストのチェックアウト時間変更依頼は、この時刻より前に確定してもらう文言をハウスルールに入れておくとトラブルが減ります。

