去年の秋、新宿の物件で保健所から電話が来ました。近隣からの通報がきっかけで、翌週に立入検査に伺いたいという内容です。会社の昼休みに電話を取って、正直、頭が真っ白になりました。
そのとき最初に聞かれたのが「宿泊者名簿と、清掃の記録は残ってますか」でした。名簿は電子で残っていたのですぐ答えられたのですが、清掃の写真報告や業者との連絡ログをどこまで残しておくべきか、そのとき初めて真剣に考えました。
この記事は、都内で3物件(新宿ワンルーム・浅草1LDK・大田区ワンルーム)を兼業で回している私が、法令の一次情報と実際の立入検査対応の経験を突き合わせて、「民泊の清掃まわりの記録は何年、どんな形で残すべきか」を整理したものです。断定できる部分と自治体で変わる部分をきちんと分けて書きます。
この記事の要点
- 住宅宿泊事業者が備え付ける宿泊者名簿は、住宅宿泊事業法8条により作成日から3年間の保存が法令上定められている(旅館業法も同じ3年)
- 住宅宿泊管理業者に清掃を含む管理業務を委託している場合、管理業者側は営業所ごとの業務帳簿を事業年度末日で閉鎖し、閉鎖後5年間保存する義務がある(国土交通省の案内より)
- 清掃報告書・写真・LINEログそのものは法律で年数が明記された保存義務書類ではないが、事故時のAirCover申請、近隣クレーム、立入検査での説明資料として最低2〜3年は残すのが実務的に安全
- 住宅宿泊事業法17条により、都道府県知事等は事業者に対し報告徴収と立入検査ができ、届出住宅・帳簿書類その他の物件を検査する権限を持つ
- 立入検査で実際に見られやすいのは、宿泊者名簿、定期報告の控え、管理業者との委託契約書、清掃・鍵の運用がわかる書類、廃棄物の処理関係。清掃記録単体だけでは足りない
ここから先は、電話一本で慌てないために、私自身が3物件分どう保存し直したかを含めて具体的に書いていきます。名簿と清掃記録は別モノで、扱いも保存年数も違うという前提だけ、最初に押さえてください。
一社ずつ業者に電話して清掃記録のフォーマットを確認するのが大変なら、条件を入れるだけで民泊対応の清掃業者を比較できる見つける君を試すのが早いです。報告フォーマットの整った業者を選べば、そもそも記録保存の悩みが半分消えます。
民泊の清掃記録は法律で何年保存と決まっているのか
結論から先に書きます。「民泊の清掃記録そのものを何年保存せよ」と直接書いた法令は、住宅宿泊事業法にも旅館業法にも見当たりません。清掃記録は法定書類ではなく、運営実務の証跡です。ここを勘違いすると、逆に「じゃあ捨てていいのか」と極端に振れてしまいます。
ただし、清掃と密接につながる書類は年数が決まっています。代表的なのが宿泊者名簿と、管理業者の業務帳簿です。清掃業者が入室した日時と宿泊者の入替タイミングは1本の線でつながるので、名簿の3年保存に合わせて清掃側の記録も残すのが自然です。私は名簿と同じ3年、写真だけは5年でクラウドに置く運用にしています。
宿泊者名簿は住宅宿泊事業法で3年保存が明記されている
茨城県が公開している住宅宿泊事業者向けの案内では、住宅宿泊事業法8条に基づき、届出住宅等に宿泊者名簿を備え付け、宿泊者の本人確認を行った上で必要事項を記載し、作成した日から3年間保存すると整理されています。旅館業法も、宿泊者名簿を3年間保管するよう定められている旨が大阪市の環境衛生ページで案内されています。
起算点は自治体の案内で「作成日」と書かれることが多い一方、宿泊日を起算日として案内する解説もあります。ここは自治体の運用差が出るところなので、私は迷わず「宿泊日から3年」を採って、その分長めに残しています。名簿を電子で保存する場合の要件も自治体ごとに細かい注意があるので、届出先の窓口で必ず確認してください。
管理業者側の帳簿は事業年度末閉鎖後5年保存
清掃を住宅宿泊管理業者に委託している場合、話が少し変わります。国土交通省が公開している住宅宿泊事業法に基づく民泊の管理業制度についての資料では、住宅宿泊管理業者は、登録した営業所ごとに業務に関する帳簿を備付け、管理受託契約について必要な事項を記載し、各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後5年間は保存しなければならない、と整理されています。
これは管理業者側の義務であって、オーナー個人にこの5年ルールがそのままかかるわけではありません。ただ、清掃業者が管理業者を兼ねているケースや、清掃を含む管理契約を丸ごと委託しているケースでは、業者側で5年分のデータが残っていることになります。私はここを逆手に取って、業者に「うちの物件分の帳簿控えをいつでも出せますか」と契約時に確認しています。
定期報告は2ヶ月ごと、控えは物件ごとに保存
住宅宿泊事業者は、届出住宅に人を宿泊させた日数、宿泊者数、延べ人数、国籍別の宿泊者数の内訳を、毎年偶数月(2、4、6、8、10、12月)の15日までに、その直前2ヶ月分を報告する必要がある、と民泊運営会社の解説で整理されています。国土交通省の民泊制度運営システム上で電子的に提出する形です。
この定期報告そのものに「オーナー側の控え保存年数」を明記した規定は、私が見た限り一次情報では見つけていません。ただ、名簿の3年と実質同期させるのが自然なので、私は民泊制度運営システムからダウンロードしたPDF控えを、宿泊年別のフォルダに入れて3年分残しています。
住宅宿泊事業法17条の立入検査で見られる書類の範囲
立入検査は「もし来たら」ではなく、条文上は普通に来る前提です。日本法令外国語訳DBに掲載されている住宅宿泊事業法17条では、都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる、と定められています。
ざっくり言えば、部屋そのもの、業務の運用、帳簿類、そして人への質問まで対象です。廃棄物処理会社の解説では、この法17条に基づく立入検査は事前通知なしで実施される場合がある、とも案内されています。私の新宿の物件は事前通知ありでしたが、通報事案では抜き打ちに近い形になる可能性を織り込んでおく方が安全です。
実際に見られたもの、聞かれたこと
新宿の立入検査で職員の方が最初に手に取ったのは、届出通知書のコピーと、直近6ヶ月分の宿泊者名簿でした。次に清掃業者との委託契約書、鍵の受け渡し方法(うちはキーボックス併用)を口頭で確認。清掃自体の写真報告までは求められませんでした。ただ「近隣からの騒音通報があったので、直近の宿泊者と部屋の状況を照合したい」という文脈だったので、清掃業者からのLINE写真を自主的にお見せしました。
職員の方は「写真は義務ではないが、あると事実確認が早い」という言い方をされていました。ここが今回の記事の肝だと思っています。清掃記録は義務ではないが、義務書類を裏付ける物証として機能する。だから残す価値がある。写真をどこまで撮ってもらうかは、以前まとめた写真報告で押さえる撮影ポイントを参照してください。
立入検査の対象は事業者だけでなく管理業者にも及ぶ
国土交通省は令和7年度に住宅宿泊管理業者への全国立入検査を実施し、法令遵守の徹底に向けて実施した立入検査の結果を公表しています。全国44業者に対して立入検査を行い、35業者に対して是正指導を行い、是正指導件数は「帳簿の備付け等義務違反」が最も多く、次いで「住宅宿泊事業者への定期報告義務違反」、「証明書の携帯等義務違反」だったと発表されています。
これは業者側のデータですが、裏を返せばオーナーの視点でも意味があります。委託先の管理業者が帳簿不備で指導を受けている場合、うちの物件の清掃・運用データが穴だらけである可能性があるということです。管理業者を選ぶ段階で、帳簿の運用フローを確認しておくのが自衛策になります。管理業者と清掃業者を分けている場合の切り分けは、契約前に聞くべき質問リストにまとめました。
清掃まわりで実際に残すべき書類7種と保存年数の目安
ここからは私の3物件で実際にやっている運用ベースの整理です。法定の3年・5年をベースに、実務上の必要性を足して決めています。断定するとまずいので、あくまで一例として書きます。自治体・管理業者・契約形態で変わるため、最終的には届出先窓口と契約書で確認してください。
| 書類 | 保存年数の目安 | 根拠・実務理由 |
|---|---|---|
| 宿泊者名簿 | 3年(法定) | 住宅宿泊事業法8条・旅館業法(自治体案内) |
| 定期報告の控え | 3年(実務目安) | 2ヶ月ごとに提出、名簿と同期 |
| 清掃業者との委託契約書 | 契約終了後5年(実務目安) | 管理業者帳簿5年に合わせる |
| 清掃写真報告・LINEログ | 2〜3年(実務目安) | AirCover申請・クレーム反証用 |
| 鍵の受け渡し記録 | 1〜2年(実務目安) | 不審入室クレーム対応 |
| ゴミ・廃棄物の処理契約書 | 契約中+数年(実務目安) | 保健所立入で確認される場合あり |
| 消防・設備の点検記録 | 点検周期に応じて | 消防法・自治体条例による |
写真とLINEログはクラウドで自動保管する
清掃業者からの写真報告は、以前は各物件ごとにLINEアルバムで放置していました。これが完全にダメでした。浅草の1LDKでゲストから「入室時にベッド下にゴミがあった」と指摘されたとき、直前の清掃写真をLINEから探すのに30分かかりました。ゲストは基本、待ってくれません。
いまはLINEの写真を月末にGoogle Driveへまとめて移し、物件名/年月/チェックイン日でフォルダを切っています。物件3件で1ヶ月あたり写真が約80枚。年間だと1000枚弱で、Driveの無料枠に余裕で収まります。この運用にしてから、AirCoverの申請に必要な清掃直後の状態写真をすぐ出せるようになりました。
鍵の記録は短くていい、でもゼロにはしない
鍵の受け渡し記録は年数を長く取る必要はないと思っています。過去の入退室ログが1年以上前まで必要になる場面は、私の経験ではほぼありません。ただ、直近1ヶ月分がゼロだと不審入室クレームに何も答えられなくなるので、スマートロックの入退室ログを自動で90日〜1年分残す設定にしています。鍵の運用そのものは鍵の受け渡しと入室ルールの記事で整理しました。
清掃記録が「使える形」で残っていないと起きる3つの実害
年数だけの話をしても実感が湧かないので、記録が残っていない、または残っていても取り出せないときに実際に起きた実害を、うちの3物件の例で挙げます。書類保存は「監査対策」ではなく「毎日の運営コスト」を下げるためのものです。
そう。運営の負担そのものが増える。
実害1:AirCover申請で必要な清掃直後写真が出ない
Airbnbの補償を申請するとき、事案発生の前後の状態写真が要ります。清掃直後にきれいだった証明がないと、そもそも損害が宿泊者由来か立証できません。うちは大田区の物件で電子レンジ内の焦げをゲスト起因で申請したとき、直前清掃の写真が撮れていなくて減額査定になりました。写真を撮ってもらう箇所を業者側と事前合意しておかないと、この壁で毎回引っかかります。
実害2:近隣クレームで自治体から照会が入ったとき、応答に時間がかかる
新宿の物件で受けた通報事案がまさにこれです。深夜の騒音通報で、翌日役所から「その日の宿泊者と入室者を教えてほしい」という照会が入りました。名簿は残っていたのでゲストは即答できたのですが、清掃業者が何時に前日入室していたかは、LINEの履歴を遡らないと分かりませんでした。役所側は基本的に「即日〜数日で返答してほしい」と言ってきます。
実害3:清掃業者を切り替えるときに引き継ぎが崩壊する
これは行政対応ではなく運営の実害。清掃業者を変えると、新しい業者にゼロから物件情報を渡すことになります。過去の記録が体系的に残っていないと、備品の位置、リネンの在庫置き場、ゴミ出しの曜日まで一から説明が必要で、毎回1〜2件の見落としが最初の1ヶ月で発生します。引き継ぎマニュアルの作り方は業者が変わっても品質が落ちない引き継ぎの記事で書きました。
この3つ、どれも一度でも食らうと年間の運営コストが数万円単位で変わります。書類の保存は静的な作業に見えて、実は事業の実利に直結しています。
書類が散らばっていて手が回らないなら、報告フォーマットの整った民泊対応業者に切り替えるだけで問題の8割は解決します。見つける君なら、写真報告や記録の運用まで確認したうえで比較できます。
保健所の立入検査で見られる、清掃周辺の書類
都道府県知事による住宅宿泊事業法17条の検査とは別に、保健所ベースの検査も現場ではあります。私の浅草の物件は、隣接する飲食店との廃棄物トラブルで一度、廃棄物ルートについて確認の連絡を受けました。清掃記録そのものより、ゴミの出し方を裏付ける書類が問われます。
廃棄物処理関係は「事業系」として扱われる可能性
民泊から出るゴミは家庭ごみではなく事業系ごみとして扱う自治体が多く、廃棄物処理会社のQ&Aでは、日常的に廃棄物処理を適正に行い、契約書・許可証の写しを施設内に保管しておくことで、突然の検査にも慌てずに対応できると案内されています。うちは3物件とも事業系一般廃棄物の収集契約書のコピーを、玄関収納の書類ボックスに置いています。
清掃業者がゴミを持ち出す運用の場合、業者側で廃棄物の処理ルートが法令に沿っているかを、契約前に確認しておく必要があります。ここは業者選びの分岐点なので、選定のポイントは口コミ・評判の下調べ手順を参照してください。
リネン・シーツの衛生管理も見られることがある
近隣通報が衛生面(虫、におい)だった場合、リネンやマットレスの管理、清掃頻度が話題になります。年数保存とは別の論点ですが、シーツやタオルの発注・洗濯ログが残っていると、頻度を証明しやすくなります。うちはリネン業者からの月次納品書を年ごとにファイルしていて、これも最低3年は残す運用にしています。
保存方法:紙・電子・クラウドの使い分け
「何年」の話が固まったら、次は「どの形式で残すか」です。ここは法律で厳密に指定されていない部分が多く、自治体窓口や管理業者の判断に委ねられている面があります。私が3物件で試行錯誤して落ち着いた形を書きます。
紙で残すもの:契約書・許可証・届出通知書
紙で残すのは、原本性が問われるものだけに絞っています。届出通知書、清掃業者・管理業者・リネン業者との契約書、消防適合通知、廃棄物収集契約書。この5種類だけ、A4クリアファイル1冊にまとめて物件ごとに保管。立入検査で「原本ありますか」と聞かれたときに、迷わず出せる状態を作っています。
電子で残すもの:宿泊者名簿・定期報告・写真報告
宿泊者名簿は、国土交通省の民泊制度運営システムで電子宿泊者名簿ソフトが配布されていて、住宅宿泊事業法で定められた宿泊者名簿と、二ヶ月毎に報告が必要となる宿泊実績定期報告データを作成できると案内されています。私はこれを使いつつ、CSVエクスポートを月次でGoogle Driveにバックアップしています。パソコンの故障で3年分吹っ飛ぶのは怖すぎるので、二重化しておくのが安心です。
クラウド保存の注意:個人情報の取扱い
宿泊者名簿は個人情報の塊なので、クラウドに置く場合の権限管理は慎重に。私は共有設定を「自分と妻のGoogleアカウントのみ」にして、清掃業者とは名簿ファイルそのものを共有しません。清掃業者に必要な入退室情報だけを別ファイルで共有する運用にしています。二段構えは面倒ですが、名簿が漏れたときの被害を考えれば安いコストです。
立入検査に呼ばれる前にやっておく5つの準備
抜き打ちの可能性を織り込むなら、事前準備は年に1回はやるべきです。私は毎年1月、確定申告のついでに以下の5点を点検しています。会社勤めなので週末しか動けないですが、1日で全部終わります。
- 届出通知書と各種契約書の原本が、物件ごとに1冊のファイルに揃っているか
- 宿泊者名簿の直近3年分が、電子とクラウドの両方で取り出せるか
- 定期報告の控えPDFが、偶数月ごとに欠けなく残っているか
- 清掃写真報告のクラウドフォルダに、直近1年分の抜けがないか
- 清掃・管理・リネン業者の連絡先と担当者名が、最新化されているか
この5点だけ押さえておけば、電話が来ても「何を見せればいいですか」と質問できます。逆に、何がどこにあるか分からない状態だと、その場でパニックになって余計なことまで話してしまう。私の最初の反省です。
読者に委ねたい判断:どこまで自分で持つか、どこから業者に持たせるか
ここまで書いておいてなんですが、この記事で答えを出せない論点が1つあります。それは「清掃記録の保存責任を、オーナーが持つべきか、清掃業者に持たせるべきか」。委託契約書に「業者側で3年保存」と書けば形式的には業者責任にできますが、業者が廃業したらデータは消える可能性が高いです。
私は結局、契約書上は業者責任と明記しつつ、自分でも同じデータを二重に持つ運用にしました。手間は増えますが、業者の入れ替わりが起きる前提で考えると、最終責任者は事業者本人だと割り切っています。ここは物件数と、業者との関係の深さで判断が変わる部分です。あなたが自分で決めてください。
もし今の業者が写真報告や記録運用に消極的なら、それは切り替え時のサインかもしれません。まずは複数社の記録運用を比べてみるだけで、判断の解像度が上がります。
よくある質問
Q1. 清掃記録が残っていないと罰則はありますか?
清掃記録そのものを何年保存せよという直接規定は、住宅宿泊事業法・旅館業法の中では私が調べた範囲で見当たりません。したがって、清掃写真が残っていないこと自体が直ちに罰則につながるわけではないと考えられます。ただし、宿泊者名簿の備付け不備や、住宅宿泊管理業者側の帳簿不備は法令違反となり得るため、清掃記録の保存を怠ることは、実質的にはこれら義務書類の裏付けを失う結果になります。運用の実害面と行政対応の両面で、記録は残す方が安全です。
Q2. 宿泊者名簿の保存3年は、宿泊日と作成日どちらから数えますか?
自治体案内では作成日から3年間と表記されるケースが多い一方で、旅館業法・住宅宿泊事業法いずれも起算点が宿泊日であるという解説もあります。ここは自治体の解釈に幅があるため、届出先窓口に必ず確認してください。私は迷ったら長い方(宿泊日基準)を採用して、少し余裕を持って残すようにしています。
Q3. 清掃業者のLINEやりとりを消してしまいました。復元は必要ですか?
過去のLINEログ自体が法定書類ではないので、消したこと自体が違反にはならないと考えられます。ただし、今後同じ状態を繰り返さないために、LINEの写真報告を月次でクラウドに移すルーティンを作ることを強くおすすめします。私自身、AirCoverの申請で写真が出せなくて減額されたことがあり、その経験からクラウド保存に切り替えました。
Q4. 立入検査は事前通知がありますか?
ケースによります。私が経験した新宿の事例は、近隣通報を受けての事前通知ありでした。一方、廃棄物処理会社の解説では、住宅宿泊事業法17条に基づく立入検査は事前通知なしで実施される場合があると案内されています。抜き打ちの可能性を排除しない方が安全です。届出通知書と契約書の原本、直近の宿泊者名簿を、いつでも取り出せる場所に置いておくことをおすすめします。
Q5. 管理業者に丸ごと委託していれば、オーナー側で記録を持つ必要はないですか?
形式的には管理業者側で帳簿保存の義務がありますが、業者側での事業年度末閉鎖後5年保存という規定は業者に対するものであり、事業者本人の責任がなくなるわけではありません。管理業者の廃業・契約解除でデータが取り出せなくなるリスクもあります。私は最終責任を自分で持つ前提で、名簿・報告控え・写真の3種類は自分側にもコピーを残しています。
Q6. 電子データだけで紙は不要ですか?
宿泊者名簿の電子保存は国土交通省の電子宿泊者名簿ソフトで対応可能ですが、細かい要件は自治体で異なる場合があります。契約書や届出通知書などの原本性が問われるものは、紙でも1部残しておくと立入検査時に説明が早いです。私は「電子+クラウドバックアップを基本、原本性が問われる書類は紙も1部」というハイブリッド運用にしています。

