金曜の22時、翌日チェックインの新宿のワンルームで清掃業者から「体調不良で行けません」と連絡が入ったのは、去年の冬でした。頼んでいたのは、1回3,800円で受けてくれる個人の清掃業者。安いから助かる、と喜んでいたのが甘かった。代わりを探すのに深夜まで電話をかけ続けて、結局間に合わず、翌日のゲストにチェックイン時間を2時間ずらしてもらった。
この一件から、私は「個人業者か、清掃会社か」という発注先の選び方を真面目に考え直しました。単価だけ見れば個人が圧倒的に安い。ただ、3物件を兼業で回している自分にとって、当日ドタキャンのリスクは金額では割り切れない。この記事は、都内3件(新宿ワンルーム25㎡・浅草1LDK45㎡・大田区ワンルーム28㎡)を回すオーナーの視点で、個人業者と清掃会社をどう使い分けるかを整理したものです。
結論から言うと、3物件規模なら「主力は清掃会社、緊急枠と1物件だけ個人業者」の二段構えが自分は落ち着きました。ただ、これはあくまで自分の運用条件での話。判断軸そのものをこの記事で渡すので、あなたの物件数と稼働率に合わせて考えてほしいと思ってます。
この記事の要点
- 個人業者は1回あたり編集部調べで3,500〜5,500円、清掃会社は4,500〜7,500円が東京都心のワンルームでの一般的な範囲(広さ・頻度・繁忙期で変動)
- 家主不在型民泊は住宅宿泊事業法第11条で登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が義務。清掃のみを個人業者に再委託しても、管理責任は管理業者側に残る
- 個人業者の主なリスクは繁忙期の枠不足・急な体調不良・損害賠償保険未加入。清掃会社の主な弱点は割高感と担当者ローテーションによる品質ばらつき
- 3物件以上を回すなら、稼働の8割を清掃会社に集約し、残り2割と緊急枠を個人業者で補う二段構えが実務的
- 契約書と損害賠償保険の有無、繁忙期の枠確保の書面化、この3点は個人・法人どちらでも必ず確認する
ここから先は、判断に迷った時の具体的な軸を掘っていきます。まず、価格差だけで決めない方がいい理由から。
個人業者と清掃会社、料金以外に何が違うのか
結論を先に言うと、両者の一番大きな違いは「1件が飛んだときに誰が代わりを立てるか」です。個人業者は自分が動けなければ現場が止まる。清掃会社はスタッフの入れ替えで穴を埋める仕組みを内側に持っている。単価差の背景の大部分は、この冗長性のコストだと私は思ってます。
料金だけを並べると、東京都心のワンルーム清掃で個人業者は編集部調べで3,500〜5,500円、清掃会社は4,500〜7,500円が一般的な範囲です(2025年時点、リネン別・広さと繁忙期で上下)。エリア別の実勢は東京の外注相場をまとめた記事で広さ・オプション込みで整理しています。1件あたりで見ると1,000〜2,000円の差ですが、月20泊回す物件だと年間で24万〜48万円の差になる。これを大きいと見るか、保険料と見るかが判断の分かれ目です。
浅草の1LDKは、私が個人業者から清掃会社に切り替えた最初の物件でした。切り替えた月の請求書を見て「1件2,000円も上がった」と一瞬後悔しましたが、その半年後にGWの繁忙期で個人業者を使い続けていた大田区が枠を取れず自分で入ることになったとき、浅草だけは何も心配せずに済んだ。あの一晩で、コスト差の意味を体で理解した気がします。
比較の骨格:責任・冗長性・柔軟性
両者を並べるとき、料金以外に見るべき軸は責任範囲・冗長性・柔軟性の3つです。責任範囲は損害賠償保険の有無と契約書の明確さ、冗長性は代替スタッフを立てられるかどうか、柔軟性はイレギュラー対応(深夜・特別清掃・急な追加)の受けやすさ。
| 軸 | 個人業者(フリーランス) | 清掃会社(法人) |
|---|---|---|
| 1回料金レンジ(都心ワンルーム) | 3,500〜5,500円 | 4,500〜7,500円 |
| 繁忙期の枠 | 自分の稼働上限で頭打ち | スタッフ複数で調整可能 |
| 急な欠員時の代替 | 本人次第で不安定 | 内部シフトで補填が原則 |
| 損害賠償保険 | 未加入のケースあり | 加入が一般的(要確認) |
| 請求・契約書面 | 口頭〜簡易メモが多い | 契約書・見積書が整う |
| 融通の効きやすさ | 個別交渉で柔らかい | 規程内で硬めのことも |
| 料金交渉 | 本人裁量で動きやすい | 枠内の割引が中心 |
表にすると差は明確ですが、実際に運用してみるまで見えないのが「担当者が変わったときの品質ばらつき」。これは清掃会社側で起きやすい。個人業者は本人がそのまま来るので、品質が良ければずっと良いし、悪ければ切るまで悪い。会社は平均点を出しやすいけど、たまに新人が入る。どっちの揺らぎと付き合うか、という話でもあります。
法律面:家主不在型は住宅宿泊管理業者への委託義務がある
先に押さえておきたいのは、家主不在型民泊は住宅宿泊事業法第11条で、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する義務があるという点です。清掃はこの管理業務の中に含まれます。個人業者に清掃だけを頼む場合でも、大枠の管理責任は登録済みの住宅宿泊管理業者が負う建て付けになる。ここを勘違いすると、あとから足元をすくわれます。
観光庁の住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)でも、住宅宿泊管理業者から再委託を受けて清掃等の事実行為を行う者は住宅宿泊管理業者に該当しない、と明記されています。つまり、個人の清掃業者は「管理業者から再委託を受ける立場」であって、家主不在型の物件を直接清掃だけで契約するときは、間に管理業者が入っているかを必ず確認する必要がある。ここは自治体で解釈の細部が違うこともあるので、届出済みの自分の物件について迷ったら、自治体の民泊窓口か観光庁の一次情報にあたるのが安全です。
私の3物件はすべて家主不在型なので、管理業務は登録済みの管理業者に委託しています。清掃は、その管理業者経由で法人の清掃会社が入る物件と、私が直接契約した個人業者が入る物件が混ざっている状態。この構成にする場合、契約書に「誰から誰への再委託か」を書き分けてもらうと、保健所や自治体対応で慌てずに済みます。
家主居住型なら選択肢は広がる
家主居住型(同じ住宅にホストが住んでいる形態)の場合は、管理業者への委託義務は原則かからないので、清掃だけを個人業者に直接発注する自由度が上がります。ただ、それでも衛生管理の責任はホスト側に残るので、契約書と作業チェックリストの整備は同じように必要。「家主居住型だから緩くていい」ではなく「発注者としての責任は変わらない」と考えた方が事故が減る、というのが3年ほど回した肌感です。清掃頻度そのものについては住宅宿泊事業法で求められる最低ラインもあわせて確認してください。
個人業者を選ぶメリットとリスク
結論から言うと、個人業者は「単価の安さ」と「意思決定の速さ」で強く、「代替力の弱さ」と「保険・書面の薄さ」で弱い、という整理になります。3物件のうち大田区のワンルームだけは、いまも個人業者に頼んでいます。理由は稼働率が他2件より低くて(月10〜13泊)、繁忙期のリスクを他2物件ほど背負わなくていいからです。
個人業者の一番のメリットは、話が早いことです。LINEで「明後日の11時、リネン込みで4,000円で入れる?」と聞けば、30分以内に返事が来る。これは会社ではなかなか出せないスピードで、突発の予約が入った週末には本当に助かります。もう一つは、同じ人が来続けるので部屋のクセを覚えてくれること。「浅草の物件、シンクの下に髪の毛が溜まりやすい」みたいな細かい話が一発で通じる関係は、法人ではなかなか作れません。
一方で、リスクは冒頭に書いた「体調不良で行けません」の一言に集約されます。個人業者は1人で回すので、本人が倒れたら現場が止まる。GW・お盆・年末年始の繁忙期は、依頼の1〜2週間前に「その日はもう埋まってます」と言われることも珍しくない。私は2024年のGWに、大田区の予約4件のうち2件で個人業者に断られて、慌てて別の業者を探した記憶があります。
損害賠償保険の有無は必ず確認
個人業者を選ぶときに、料金より先に聞いてほしいのが損害賠償保険の加入有無です。ゲストの荷物を誤って捨てた、家具を破損した、水漏れを起こした、こういう事故は年に何度か必ず起きる。清掃業向けの請負賠償責任保険に入っていない個人業者は、事故が起きたとき「弁償できません」と言うしかなく、結局オーナー側が被る。加入証明のコピーを見せてもらえるか、契約前に確認するのが自衛策です。
保険未加入の個人業者を切る、という判断は冷たいようですが、事故が起きたときに一番痛い目を見るのはオーナー側なので、ここは妥協しない方がいいと思ってます。安さと引き換えに、賠償責任を自分が背負っている構造になっていないか、契約書の前に一度立ち止まって考える価値があります。
ここまでで個人業者側の輪郭が見えてきました。次は、清掃会社を選ぶ場合の実務です。ただその前に、業者探しそのものに時間を取られている方は、条件を入れて比較できる仕組みを一度使うと動きが早くなります。
清掃会社を選ぶメリットとリスク
結論を先に言うと、清掃会社の最大の価値は「1人が倒れても現場が止まらない」ことです。新宿のワンルームは月に平均22泊回ってるので、1件でも清掃が飛ぶとレビュー星4以下が確定する。この物件は清掃会社に固定していて、去年1年で当日欠員は1回もありませんでした。個人業者時代は月1〜2回あったので、この差は自分にとって決定的でした。
清掃会社を選ぶメリットは主に4つ。1つ目は代替スタッフによる冗長性、2つ目は損害賠償保険が加入前提であること、3つ目は契約書と見積書がきちんと出ること、4つ目は繁忙期の枠を年間契約で確保できることです。特に4つ目は、月15泊以上回す物件では効果が大きい。「GW前に枠を押さえられない」というオーナーの悩みの多くは、ここで解決します。
弱点もはっきりしています。一番は料金の高さ。個人業者と比べて1件2,000円前後高いことが多く、月20泊×3物件だと年間で50万円近い差になる。清掃コストの全体像は、以前3物件・稼働率70%で年間コストを試算した記事にまとめてあるので、そちらも参考になると思います。もう一つは、担当者が固定されないこと。会社によっては毎回違う人が入るので、部屋のクセが引き継がれず品質にばらつきが出る。「今日はやけに掃除が雑だな」と感じたら、担当者が変わったサインだと思って写真報告を確認する癖がついた、というのが自分の運用です。
会社選びで見るべき5項目
清掃会社を初めて契約するときに、私が見積書と契約書で必ず確認しているのは以下の5つです。過去に見積もりで確認すべき7項目も整理していますが、個人か会社かの判断に絞ると特にこの5つ。
- 損害賠償保険の加入証明(1事故あたりの上限額と年間限度額)
- 繁忙期割増の適用範囲(GW・お盆・年末年始の具体日付と割増率)
- 当日欠員時の代替体制(代替スタッフの手配ルールと連絡タイミング)
- 写真報告の運用(清掃完了時の写真を毎回送ってくれるか)
- キャンセル規定(オーナー都合・業者都合それぞれの費用負担)
この5つは、口頭で「対応してます」と言われても信じない。契約書と保険証券のコピーを紙で出してもらうところまでを最低ラインにしてます。書面が出ない会社は、後で揉めたときの落としどころがないので、そこでご縁がなかったと判断していい。
3物件規模での判断軸:どこで線を引くか
結論としては、3物件を回すなら「主力を清掃会社、緊急枠と稼働の低い1物件を個人業者」の二段構えが、自分にとってはコスト・品質・リスクのバランスが良かった、という話です。1物件だけなら個人業者だけで十分回るし、5物件以上なら全部清掃会社に集約した方がマネジメントコストが下がる。3物件は、ちょうど分岐点にいる規模だと思ってます。
判断軸は3つ。1つ目は「物件ごとの月間稼働泊数」。20泊超えなら清掃会社、10泊以下なら個人業者でも回せる、というのが自分の分岐点。2つ目は「エリアの繁忙期の激しさ」。新宿・渋谷・浅草は繁忙期に枠が埋まりやすいので個人業者だと枠取りが厳しい。3つ目は「オーナーの本業状況」。私のように平日日中に動けない兼業なら、冗長性を金で買う判断が正解に近い。
参考までに、私の現在の運用は次の構成です。物件・稼働率・発注先の三点セットで並べておきます。
| 物件 | 月間稼働(目安) | 発注先 | 1件料金(リネン別) |
|---|---|---|---|
| 新宿ワンルーム25㎡ | 20〜24泊 | 清掃会社(法人) | 5,500〜6,500円 |
| 浅草1LDK45㎡ | 15〜20泊 | 清掃会社(法人) | 7,500〜9,000円 |
| 大田区ワンルーム28㎡ | 10〜13泊 | 個人業者 | 3,800〜4,500円 |
| 緊急枠(3物件共通) | 月1〜2回 | 予備の個人業者 | 都度交渉 |
大田区を個人業者に残しているのは、稼働が低くて繁忙期の枠競争に巻き込まれにくいこと、羽田寄りでゲストの層が短期滞在中心なのでイレギュラーが少ないこと、この2つが理由です。もし大田区の稼働が18泊まで上がってきたら、清掃会社に切り替えると思います。
失敗しやすいポイント:切り替え・並行運用の落とし穴
個人業者から清掃会社に切り替えるとき、私が一番やらかしたのは「引き継ぎ資料を作らないまま新業者を入れた」ことです。浅草の1LDKで、水回りの汚れの落ちが2週間ほどガクッと落ちて、レビューで星4を2回連続でもらった。個人業者時代に「シンク下の掃除は最後にやる」みたいな暗黙のルールを何も文書化していなかったのが原因でした。
切り替え時のチェックリストを、あとから作りました。物件ごとの清掃手順書、鍵の受け渡し方法、リネン置き場、ゴミ回収日、備品補充のタイミング、この5つは紙にまとめて渡す。清掃会社の初回スタッフに読んでもらうと、2〜3回目の稼働から個人業者時代と同じ品質に戻ります。「引き継ぎコストは切り替え月に発生する隠れ費用」と割り切って計画に入れておくのが正解です。
もう一つの落とし穴は、個人業者と清掃会社を同じ物件で並行運用すること。同じ部屋を月によって別の業者が入る形にすると、備品の置き場所や清掃基準のズレが必ず起きる。「今週は個人、来週は会社」みたいな運用は品質が安定しないので、物件単位で発注先を固定するのが基本です。並行するなら物件を完全に分ける。
価格交渉のタイミングと言い方
個人業者・清掃会社どちらでも、価格交渉は契約更新のタイミング(半年〜1年)でやるのが自然です。「他社の見積もりを取りました」ではなく、「今の稼働がこれくらいで、年間でこれだけ発注しています。この件数なら◯円まで下がりませんか」という言い方が通りやすい。相手にとってのメリット(安定発注)を先に示すと、5〜10%は動く余地がある印象です。
ここは業者の方の記事でも触れてほしいテーマなのですが、発注側から見ると、価格だけを叩く発注者との仕事は業者側のモチベーションを下げるので、品質にすぐ跳ね返ります。私は基本的に、価格交渉するなら発注量とセットで話す、というルールを自分に課してます。
契約前に必ず確認する項目チェックリスト
個人業者・清掃会社どちらでも、契約前に確認する項目はほぼ同じです。ただ、個人業者の場合は「口頭合意で済ませない」ことが特に重要になる。書面が薄いと、事故が起きたときに責任範囲が曖昧になり、結局オーナー側が被ります。以下、契約前に必ず紙で押さえる項目です。
- 基本料金と広さ区分(ワンルーム・1LDK・戸建て等の定義)
- リネン交換の有無と料金(込みか別か、シーツ枚数の上限)
- ゴミ回収の対応可否(事業ごみとしての処分ルート)
- 繁忙期割増の適用日と割増率(GW・お盆・年末年始)
- 深夜・早朝対応の可否と割増
- 損害賠償保険の加入証明と上限額
- 当日欠員時の代替体制と連絡タイミング
- オーナー都合・業者都合それぞれのキャンセル規定
- 写真報告の運用(毎回か抜き打ちか)
- 契約期間と解約通知のタイミング
なお、繁忙期割増・深夜対応・特別清掃といったオプション料金の中身は、追加費用が発生しやすい項目と交渉のコツで整理してあります。この10項目は、個人業者相手だと「そんなに細かく詰めるの?」と嫌がられることがあります。でも、嫌がられる相手とは長期の関係を作らない方が、結果的にお互いのためになる。ここで折り合わない相手は、あとで揉める確率が高い、というのが3年やってきて感じてることです。
清掃会社の場合は、逆に会社側のテンプレ契約書が出てくるので、その中身をオーナー側でちゃんと読む必要があります。特に賠償保険の上限額と、繁忙期の枠確保に関する条項は、テンプレのままだと足りない部分があるので、追加の覚書を交わすのが安全です。
ここまで長く読んでもらってありがとうございます。個人業者と清掃会社の使い分けは、正解が1つに決まる話ではなく、物件と自分の稼働状況で答えが変わる問題です。もし今すぐ複数の業者を条件で比較したい場合は、下から動いてみてください。
よくある質問
Q1. 個人業者と清掃会社、単価差はどれくらいですか?
編集部調べで、東京都心のワンルーム清掃の場合、個人業者は1回3,500〜5,500円、清掃会社は4,500〜7,500円が一般的な範囲です(2025年時点、リネン別、広さと繁忙期で上下)。1件あたりで見ると1,000〜2,000円の差ですが、月20泊×年12ヶ月で計算すると24〜48万円の差になります。ただし、繁忙期の枠取りや代替体制の有無を含めて考えると、単価差だけで判断するのは危険です。
Q2. 家主不在型でも清掃だけ個人業者に頼めますか?
清掃だけを個人業者に頼むことは可能ですが、家主不在型の場合は住宅宿泊事業法第11条により、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者に管理業務を委託する義務があります。個人業者は管理業者からの再委託を受ける形になり、管理責任は管理業者側に残ります。契約書に再委託の関係を書き分けてもらい、詳細は自治体の民泊窓口や観光庁の住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)で確認するのが安全です。
Q3. 個人業者は損害賠償保険に入っていないケースが多いのですか?
個人業者の場合、清掃業向けの請負賠償責任保険に未加入のケースは一定数あります。契約前に加入証明のコピーを見せてもらうのが自衛策です。未加入の業者と契約すると、破損・紛失・水漏れ等の事故が起きた際に、賠償責任がオーナー側に返ってくる構造になりやすい。料金の安さと引き換えにリスクを背負っていないか、契約前に一度立ち止まって確認してください。
Q4. 3物件くらいなら、全部個人業者でも回せますか?
回せなくはないですが、稼働率が高い物件や繁忙期の枠取りが激しいエリア(新宿・渋谷・浅草など)を含む場合、個人業者だけで回すのはリスクが高いです。私自身は月20泊超えの物件は清掃会社、10泊前後の低稼働物件は個人業者、という使い分けに落ち着いています。物件の稼働状況とオーナー側の本業状況(緊急対応にどれだけ動けるか)を軸に判断してください。
Q5. 個人業者から清掃会社に切り替えるとき、何に注意すべきですか?
引き継ぎ資料を紙で作ることが最重要です。物件ごとの清掃手順書・鍵の受け渡し方法・リネン置き場・ゴミ回収日・備品補充のタイミング、この5つを文書化して初回スタッフに渡すと、切り替え直後の品質低下を最小限にできます。切り替え月は「引き継ぎコストが発生する月」と割り切って、稼働に少し余裕を持たせるのがおすすめです。
Q6. 価格交渉はしていいものですか?
契約更新のタイミング(半年〜1年)で、発注量とセットで交渉するのは一般的です。「他社の見積もりを取りました」で叩くより、「年間でこれだけ発注しているので、この件数なら◯円まで下がりませんか」と、相手のメリット(安定発注)を先に提示する方が通りやすい印象です。ただし、価格だけを繰り返し叩くと業者側のモチベーションが下がり、品質にすぐ跳ね返るので、単価と品質のバランスを見て動いてください。

