金曜の夜、清掃業者から「今回はゴミが多かったので追加で3,000円お願いします」というメッセージが来て、正直ムッとした。基本料金しか頭になかったからだ。
民泊清掃の見積書は、基本料金の下に細かい追加項目がずらっと並んでいる。ゴミ処分、リネン、繁忙期割増、深夜対応、鍵の受け渡し、消耗品の補充。ここを読み飛ばすと、月末の請求書を見て「あれ、思ってたより高い」となる。
私は新宿・浅草・大田区で3件の民泊を回してる兼業オーナーで、最初の1年はこのオプション部分の理解が浅くて何度も揉めた。この記事では、追加費用が発生しやすい項目を実際の見積書ベースで整理して、交渉で削れる部分と削れない部分を分けて書きます。
この記事の要点
- 民泊清掃のオプション料金は編集部調べで1項目あたり500〜5,000円程度、内訳はリネン・ゴミ処分・消耗品補充・繁忙期割増・深夜対応・特別清掃の6系統に分かれる
- 追加料金トラブルの多くは「基本料金に何が含まれるか」の定義が曖昧なまま契約したことが原因で、見積時点で範囲を紙に落とせば7割は防げる
- 住宅宿泊事業から出るごみは家庭ごみでなく事業系ごみ扱いになるため、ゴミ処分費は原則削れないコストとして最初から計上する必要がある
- 繁忙期割増と深夜対応費は業者側の人件費に直結するため値引き交渉は通りにくく、代わりに「月◯回の定額」で丸めるほうが現実的
- 消毒・除菌1,000〜2,000円、特別清掃2,000〜5,000円といったオプションは編集部調べの一般的な範囲で、契約前に発生条件を明文化することが重要
複数社の見積書を並べてオプションの内訳を比較したいなら、条件を入れるだけで民泊清掃業者の見積もりを取れる仕組みを使うのが早いです。1社ずつ電話するより、追加費用の考え方の違いが並べて見えます。
民泊清掃の見積書に載るオプション料金の全体像
最初に整理したいのは、オプション料金と呼ばれるものが実は6系統に分かれているという事実。ここを分けないまま「追加費用が高い」と言っても議論にならない。
私の新宿ワンルームの見積書だと、基本清掃6,000円の下に、リネンセット1名分1,500円、ゴミ処分500円、消耗品補充実費、繁忙期割増20%、深夜対応3,000円、特別清掃応相談、という並びで6行入ってる。金額は業者と物件で変わるけど、この6行の枠組みはどこも似てる。
2025年に複数の民泊清掃業者の料金表を編集部で見比べたところ、基本料金の内訳は業者ごとに揺れが大きくて、リネン込みで一律の会社もあれば別料金の会社もある。同じ「1回8,000円」でも、含まれる範囲が違うと実質コストは倍近く違う。
6系統のオプションを一枚の表で並べる
| 系統 | 代表的な項目 | 編集部調べの一般的な範囲 | 発生条件 |
|---|---|---|---|
| リネン系 | シーツ・タオル交換、追加ベッド分 | 1名分 800〜1,800円 | 基本料金に含まれるかは業者次第 |
| ゴミ系 | 事業系ごみ処分、粗大ごみ | 1回 300〜1,500円/粗大は実費 | 宿泊者が残したごみは事業系扱い |
| 消耗品系 | シャンプー・トイレットペーパー・アメニティ補充 | 実費+購入代行10〜20% | 物件常備品の在庫切れ時 |
| 時期系 | 繁忙期割増、直前依頼、休日 | 基本料金の10〜30% | GW・年末年始・夏休みなど |
| 時間系 | 早朝・深夜対応、時間指定厳守 | 1回 2,000〜5,000円 | 9〜17時外での作業 |
| 特別清掃系 | 嘔吐・血液・強い汚れ、カビ、消毒 | 1回 1,000〜5,000円 | 通常清掃で除去不能な汚れ |
この表はあくまで編集部調べの一般的な範囲。エリア・広さ・業者の料金体系で上下するので、必ず契約先の見積書と突き合わせて確認してください。
リネン・タオル交換の追加費用はどこで発生するか
リネンは基本料金に含まれてる業者と、別建てで請求する業者に真っ二つに分かれる。ここが最初の落とし穴。
浅草の1LDKを頼んでる業者は「1名分のシーツ・枕カバー・タオルセット込みで基本料金」という契約で、追加ゲスト1名につき1,500円が乗る。GWに4名でチェックインが入ったとき、追加3名分で4,500円が乗って、基本料金と合わせると請求が1.5倍に膨らんだ。
これは業者が悪いんじゃなくて、私が定員設定を4名にしていたのに見積時に「通常2名想定」で話を進めていたのが原因。定員フルで宿泊された日の請求額を、契約時にシミュレーションしておくべきだった、と今でも思う。
シミ・破損時の交換費用は要注意
シーツやタオルにワインの染みや化粧品の色移りがついた場合、業者側で漂白してくれるところと、実費で買い替えを請求してくるところがある。1枚数百円のフェイスタオルならまだ許容できるけど、ボックスシーツ1枚3,000円を毎月請求される時期があって、これは深掘りしたら解決した。原因はマットレスプロテクターを敷いてなかったことだった。
リネン業者の選び方は以前まとめた配送頻度とシミ交換ルールの見方にも書いたけど、「破損時の弁償規定が契約書のどこに書いてあるか」を先に読むのが一番早い。
ゴミ処分の追加料金は削れないコストとして計上する
これはオーナーが一番誤解しやすい項目。住宅宿泊事業から出るごみは家庭ごみではなく、事業系ごみになる。
江戸川区や足立区など東京都内の自治体は公式サイトで「住宅宿泊事業を行うことで発生するごみは事業ごみになり、廃棄物処理業者に委託して処理を行う必要がある」と明示している。桜井市など地方自治体でも同じ扱い。つまりオーナーが自宅ごみとして家庭用ごみ袋に混ぜて出すのはルール違反です。
清掃業者に持ち帰りを頼むと、1回300〜1,500円程度の処分費が乗る。これを「オプションだから削りたい」と考えるオーナーが多いけど、そもそも法令上は排出事業者責任がある。削るところではなく、最初から固定費として計上するのが正しい発想。
大量ごみ・粗大ごみは別料金になる
通常のゴミ袋1〜2袋を超える量は別料金、というのが業者側の一般的なルール。私の大田区の物件で、ゲストが引越しレベルの荷物を残していったことが一度あって、粗大ごみ扱いで7,000円の追加が乗った。あれは想定外だった。
再発防止として、ハウスルールに「大型荷物の遺棄は実費請求」と明記してから、そういう案件はゼロになった。ハウスルールの一文で予防できる追加料金は意外と多い。
エリア別の相場感は、以前書いた新宿・渋谷の民泊清掃価格レンジの記事で、都心の繁忙期の割増パターンとまとめて整理しています。
消耗品・アメニティ補充の請求パターン
シャンプー、コンディショナー、ボディソープ、トイレットペーパー、歯ブラシ、コーヒー豆。物件常備品の在庫が切れたときの補充を、清掃業者に依頼するかどうかで請求は変わる。
パターンは3つ。①オーナーが自分でAmazon定期便で送る、②清掃業者が実費+購入代行手数料10〜20%で補充、③清掃業者がプランに含めて丸ごと請求。
私は3物件ともパターン①で回してる。理由は単純で、購入代行手数料の10〜20%が地味に効くから。月間20回稼働で消耗品原価が3,000円なら、代行手数料だけで年間7,200〜14,400円になる。ただし在庫管理を自分で背負うので、平日の日中に動けない兼業オーナーには②のほうが合う場合もある。ここは自分の稼働可否とのトレードオフ。
消耗品原価と補充頻度の判断軸
そう。判断はシンプル。
月間の稼働日数が20泊を超える物件は、業者に消耗品まで任せたほうが自分の時間コストが下がる。10泊以下なら自分で回したほうが安い。私の場合、新宿の物件だけ稼働が高くて業者に丸投げに切り替えようか迷ってる段階。
ここまで読んで、自社の見積書と照らし合わせて「これオプション過剰かも」と感じたら、他社の見積もりを2〜3件並べて比較するのが一番早いです。基本料金だけでなく追加項目の設計思想の違いが見えるので、交渉材料になります。
繁忙期割増と直前依頼の追加料金は交渉で下がりにくい
GW・お盆・年末年始・桜シーズン・秋の連休。この時期は民泊清掃業者の稼働枠が埋まって、料金が10〜30%上乗せされる。私が今契約してる3社は全部この帯にハマってる。
正直、最初は「繁忙期割増って交渉で下がるんじゃないか」と思って粘ったことがある。結論、下がらなかった。理由は業者側の人件費が実際に上がってるから。休日出勤手当、繁忙期の派遣スタッフ増員、深夜割増。これを値引きすると業者側が赤字になるので、交渉のテーブルに乗らない。
下がりにくい代わりに、別の設計はできる。月間清掃回数を◯回で確約する定額契約に切り替えると、繁忙期の割増を平準化した価格でロックできる場合がある。定額と都度払いの損得は物件の稼働率で分岐するので、月間稼働別の損益シミュレーションを先に見てから判断するのが早い。
直前依頼(24〜48時間以内)の割増
チェックイン当日にゲストから追加人数の連絡が来て、慌ててリネン追加を頼むケース。これも「特急料金」として1,000〜3,000円乗せる業者が多い。金曜21時に急に頼むと、土曜朝の清掃枠を無理に開けてもらう形になるので、正直これは払って当然の追加費用だと感じてます。
早朝・深夜対応と時間指定厳守の追加費用
民泊清掃業者の標準稼働時間は概ね10時〜16時。この帯を外すと1回2,000〜5,000円の時間外料金が乗る。
問題は、Airbnbのデフォルト設定だと11時チェックアウト・15時チェックインで、清掃枠は実質4時間しかない。ワンルーム4時間・1LDK5〜6時間が実務ラインなので、1LDKの連泊回転が続く週末は物理的に足りない。ここで深夜対応や早朝対応を発注する状況が生まれる。
私の対応策は、チェックイン時刻を16時に後ろ倒しして、標準時間帯で清掃が終わる余裕を作った。売上単価が少し下がる代わりに、深夜対応の追加費用が消えて、清掃品質も安定した。この設計はチェックアウト後の清掃時間バッファの記事で詳しく書きました。
時間指定厳守の追加費用
「15時までに絶対終わらせて」という時間指定厳守は、業者側にとって他の案件の調整コストが乗る。この指定料が1回1,500〜3,000円乗るケースもある。私は現状「16時までに終わらせてくれれば、多少前後してもOK」と伝えて、この指定料を削ってる。柔軟性を渡すと単価は下がる、というのが実感。
嘔吐・血液・強い汚れの特別清掃料金
これは頻度は低いけど、発生すると請求額が跳ねる。嘔吐物・血液・排泄物・タバコの焦げ跡・カビの大量発生。通常清掃の範囲を超える汚れは、1回2,000〜5,000円程度の特別清掃料金が乗るのが編集部調べの一般的な範囲。
消毒・除菌もこの系統に入る。コロナ禍以降、共用部・ドアノブ・スイッチの拭き上げを強化する業者が増えて、消毒がオプション扱いで1,000〜2,000円上乗せの会社もある。標準メニューに含まれるか、オプションなのかは業者で分かれる。
大田区の物件で去年、ゲストが体調を崩して吐いてしまい、マットレスまで貫通した事案があった。特別清掃料金5,000円+マットレスプロテクター交換費用で合計9,000円強。あれ以来、防水プロテクターは必須運用にした。
Airbnbのゲストへの請求とオーナー負担の分岐
Airbnbには「解決センター」経由でゲストに追加清掃費用を請求できる仕組みがある。ただし請求が通るかどうかは、ゲストの合意またはAirbnb側の判断次第で、必ずしも全額回収できるわけではない。オーナー側が業者に払う金額と、ゲストから回収できる金額はイコールにならない前提で予備費を積んでおくのが安全。
追加料金の交渉で削れる部分と削れない部分を分ける
ここまでの6系統をざっくり分けると、こうなる。
| 系統 | 交渉余地 | アプローチ |
|---|---|---|
| リネン系 | 中 | 定員フル想定で料金を再見積もり、追加ゲスト単価を交渉 |
| ゴミ系 | 小 | 法令上必須なので削らず固定費計上 |
| 消耗品系 | 大 | 自分で補充に切り替える/複数物件でまとめ発注 |
| 時期系 | 小 | 定額契約に切り替えて平準化 |
| 時間系 | 中 | チェックイン時刻を後ろ倒しして標準時間内に収める |
| 特別清掃系 | 小 | ハウスルールと防水プロテクターで発生自体を予防 |
消耗品系と時間系は運用の工夫で削れる。ゴミ系と時期系と特別清掃系は削るところではなくて、発生を予防するか、固定費として計上する。ここを分けるだけで、月末の請求書を見たときの精神的なストレスがだいぶ減る。
見積時に紙で明文化すべき7項目
私が新しい業者と契約するとき、必ずメールで確認する項目は7つ。基本料金に含まれる範囲、リネン枚数の上限、ゴミ処分の量的上限、繁忙期割増の期間と率、深夜対応の時間帯定義、消耗品補充の可否と手数料、特別清掃の発生条件と単価。
これを箇条書きでメールに書いて業者側の返答を紙に残しておくと、後で揉めたときに「あの時こう聞きましたよね」と確認できる。追加料金トラブルを防ぐ具体的なやり方は見積もりで必ず確認すべき7項目にまとめてます。
オプション込みの総額で見るか、単価で見るか
最後に、これは私の中でも答えが出てない論点を1つ置いておきます。
清掃業者を比較するとき、基本料金の単価で並べるか、オプション込みの月額総額で並べるか。単価が安くてもオプションが多い業者と、単価が高くて追加が少ない業者、どっちが得か。物件の稼働率と、追加が発生する頻度で結論が変わる。
私の3物件は、新宿は稼働が高くて追加が読めないので単価高めの業者、大田区は稼働が低く安定してるので単価安めの業者を選んでる。1つの物差しで全物件を評価しない、というのが今の暫定解。ここは各オーナーの物件の性格と、自分がどこまで細かい請求管理を許容できるかで判断が分かれる部分だと思ってます。
見積書のオプション項目を1社ずつ確認するのが時間的に難しいなら、条件を入れるだけで複数業者の見積もりが取れる仕組みを使うと早いです。追加料金の設計思想が業者ごとに違うので、比較して初めて見える論点があります。
よくある質問
Q1. 民泊清掃の基本料金に、リネン交換は含まれていますか?
業者によって分かれます。編集部が2025年に複数社の料金表を見比べた範囲では、1名分のシーツとタオルセットが基本料金に含まれる会社と、リネンは全て別料金の会社がほぼ半々です。見積書を並べるときは、必ず「基本料金にリネン何名分まで含むか」を先に確認してください。
Q2. 民泊で出たゴミは家庭ごみとして出せますか?
出せません。江戸川区・足立区など東京都の自治体をはじめ、住宅宿泊事業から発生するごみは事業系ごみ扱いで、廃棄物処理業者への委託が必要と定められています。詳細は物件所在地の自治体(区役所の廃棄物指導窓口)に必ず確認してください。清掃業者が持ち帰り処分してくれる場合は、その費用を固定費として計上するのが実務的です。
Q3. 繁忙期割増は交渉で下げられますか?
下がりにくいです。業者側の人件費が実際に上がっているので、値引きすると業者が赤字になります。下げるのではなく、月間清掃回数を確約する定額契約に切り替えて、年間の平均単価で見るほうが現実的です。稼働率が高い物件ほど定額のメリットが出ます。
Q4. 消毒・除菌はオプションですか、それとも標準ですか?
業者で分かれます。標準メニューに含まれる業者と、1,000〜2,000円程度のオプション扱いの業者があります。見積時に「共用部と水回りの消毒は基本料金に含まれるか」を明示的に聞いてください。含まれない場合は、宿泊料金に上乗せするか、月額固定費として組み込むかを判断します。
Q5. 追加料金トラブルを予防する一番効果的な方法は?
見積時にメールで、基本料金に含まれる範囲・リネン枚数上限・ゴミ量上限・繁忙期割増の期間と率・深夜対応の時間定義・消耗品補充手数料・特別清掃の発生条件、この7項目を文章で残すことです。口頭合意は必ずどこかで齟齬が出ます。私は3年運営して、この7項目のメール確認だけでトラブルが激減しました。
Q6. Airbnbのゲストに追加清掃費を請求できますか?
Airbnbの解決センター経由で請求申請は可能ですが、必ず全額回収できるとは限りません。ゲストの合意、または合意が得られない場合はAirbnb側の判断となります。オーナー側が業者に払う金額と回収額はイコールにならない前提で、月次で予備費を積んでおくのが安全な運用です。

