去年の秋、大田区の物件に区の職員から電話が入りました。「明日か明後日、届出住宅の運営状況の確認でお伺いしたい」。会社の昼休みにトイレで着信を見て、心臓が一段跳ねたのを覚えてます。清掃記録、宿泊者名簿、鍵の受け渡し記録、消防設備の点検書類。頭の中でファイルの場所を全部辿って、当日会社を早退して物件に走りました。
結論から書きます。民泊の「清掃記録そのもの」を◯年保存せよという直接の条文は、住宅宿泊事業法にはありません。ただし宿泊者名簿は3年、住宅宿泊管理業者に委託しているなら管理業者側の帳簿は事業年度末閉鎖後5年、というかたちで、清掃と紐づく記録は法令の別ルートで保存義務がかかってます。しかも保健所や自治体が立入検査に来るときは、この「別ルートの書類」をまとめて確認しにきます。
この記事では、住宅宿泊事業法・旅館業法・自治体の一次情報を確認しつつ、都内で新宿・浅草・大田区の3物件を回している兼業オーナーの立場から、実際にどの書類をどこに、何年、どう残しているかを整理します。清掃業者に何を書いてもらうかまで含めて実務ベースで書きます。
この記事の要点
- 住宅宿泊事業法に「清掃記録を◯年保存せよ」という直接の条文はない。ただし衛生確保(法5条)や届出住宅の管理義務を証明するため、実務上は記録を残す必要がある。
- 宿泊者名簿は住宅宿泊事業法8条により作成日から3年間保存が義務。旅館業法でも同様に3年(起算日は自治体によって宿泊日または作成日)。
- 住宅宿泊管理業者に委託している場合、管理業者は施行規則19条で帳簿を事業年度末閉鎖後5年間保存する義務がある。
- 都道府県知事(保健所設置市の場合は市長)は法17条に基づき、届出住宅その他の施設に立ち入り、業務の状況・設備・帳簿書類を検査できる。
- 実務では清掃日時・作業者・チェックリスト・写真・シーツ交換の記録を、宿泊者名簿と同じ3年を目安に電子で残しておくのが無難。
電話で日程調整して、物件に走って、その日のうちにファイルを揃える。この動きを一人でやるのは正直しんどいです。清掃記録の日常管理と、いざというときの書類抽出を業者と一緒に回すなら、条件を入れるだけで対応業者を比較できる見つける君も選択肢になります。
清掃記録は法律で残せと決まっているのか
結論を先に言うと、住宅宿泊事業法の条文で「清掃記録」という言葉ピンポイントの保存義務は見つかりません。厚生労働省が公開している法の本文(e-Gov相当)を読んでも、清掃簿を◯年、という規定は出てきません。だから「うちは書いてないから違法」と焦る必要はない、というのが最初の一歩です。
ただし法5条は住宅宿泊事業者に対して、届出住宅の設備の清潔の保持その他の宿泊者の衛生の確保のために必要な措置を取ることを求めてます。国土交通省・厚生労働省が示す住宅宿泊事業法の解釈ガイドラインでも、定期的な清掃・寝具のシーツ交換など具体的な措置に触れられていて、これを「やった」と証明する手段が事実上、清掃記録になります。証明手段の書式は法定されていないので、自由に作れます。ただ、書式が自由だからこそ、いざ立入検査で「見せてください」と言われたときに慌てます。
「直接の保存義務がない」と「残さなくていい」は違う
これは私が最初に勘違いしていた点です。清掃を業者に丸投げして、LINEの写真が流れて消えるまま、月ごとの明細だけ会計ソフトに突っ込んでいた時期がありました。ある日、Airbnbのゲストから「シーツが前の人の匂いのままだった」と直接連絡が来て、業者に確認したら「その日は当社の別スタッフが入った」で終わり。誰が、いつ、どこを、どう掃除したかを再現できませんでした。法的な違反ではなくても、運営として詰みます。
もう一つ厄介なのが、法17条の立入検査です。都道府県知事、または保健所設置市の場合は市長が、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、届出住宅その他の施設に立ち入り、業務の状況・設備・帳簿書類その他の物件を検査させることができます。この「帳簿書類その他の物件」に何が含まれるかは、現場の判断が入る余地があります。清掃状況を疑う端緒があれば、清掃記録に類するものを求められる、と考えておくのが自然です。
清掃記録が法定の書類とセットで機能する理由
清掃記録は単独で存在するというより、宿泊者名簿と同じ時間軸で保存されて初めて意味を持ちます。何月何日にAさんが泊まって、翌日の何時から何時まで清掃が入り、シーツを何枚交換したか。この3点セットが揃っていれば、衛生確保義務は「やってます」と客観的に説明できます。片方だけだと、あるゲストの直後に清掃が入った証拠が薄くなる。次のセクションで、宿泊者名簿の保存義務を先に確認します。清掃記録の保存年数を決める基準になるからです。
もっと具体的に、清掃業者の初回契約でどこまで記録項目を決めておくかは、以前まとめた初回ヒアリングで確認する10項目で整理してます。ヒアリングの段階で「写真報告あり・チェックリスト共有・LINE履歴を月末にまとめて送る」まで決めておくと、その後の運用がラクになります。
保健所や自治体が立入検査で確認する書類の範囲
保健所(保健所設置市等では市の担当課)が民泊の届出住宅に立入検査に来るとき、確認される書類はおおむね次の範囲です。私が去年経験した大田区の運営状況確認と、複数の自治体(大阪市、東京都北区など)が公開している一次情報を突き合わせるとほぼ共通してます。
| 書類 | 根拠 | 保存期間の目安 |
|---|---|---|
| 宿泊者名簿 | 住宅宿泊事業法8条 | 3年(起算は自治体により宿泊日または作成日) |
| 本人確認書類の写し | ガイドライン・自治体運用 | 宿泊者名簿と同じ扱いが無難 |
| 定期報告の控え(宿泊日数等) | 法14条 | 2ヶ月ごと。少なくとも数年分保管が実務的 |
| 管理受託契約書 | 法33条 | 契約終了後もしばらく保管 |
| 住宅宿泊管理業者の帳簿(委託先が管理) | 施行規則19条 | 事業年度末閉鎖後5年 |
| 消防設備関連書類 | 消防法・自治体条例 | 点検周期に応じて保存 |
| 清掃記録(任意書式) | 法5条の衛生確保の証拠 | 編集部の目安として3年 |
この表を初めて作ったとき、自分の物件で足りていない書類が2つありました。定期報告の控えと、清掃記録の写真バックアップです。定期報告は民泊制度運営システム上に履歴が残るので大丈夫、と思っていたら、システム側の画面キャプチャを手元に持ってなかった。清掃写真はLINEに流れっぱなしで、90日で自動削除設定になっていた月がありました。落とし穴です。
宿泊者名簿の3年保存は起点になる
宿泊者名簿は、住宅宿泊事業法8条により作成日から3年間保存することが義務付けられています。旅館業法(許可取得型・簡易宿所含む)でも保存期間は3年で、こちらは自治体によって「宿泊日から3年」と読ませる運用もあります。どちらにせよ、3年間は現物または電子データを提示できる状態で保管する必要があります。
私は宿泊者名簿の保存年数に合わせて、他の書類も原則3年をベースラインにしてます。理由は単純で、種類ごとにバラバラの保存年数を頭の中で管理できないからです。名簿と一緒に、その日の鍵受け渡し記録、清掃報告、シーツ交換記録が同じフォルダに入っていれば、立入検査で年月日を指定されたときに一発で出せます。名簿保存の一次情報や自治体の運用について詳しく確認したい場合は、民泊の清掃記録は何年保存すべきかを一次情報で整理した記事も参考になります。
住宅宿泊管理業者に委託しているなら5年ラインも意識
家主不在型で運営していて、住宅宿泊管理業者に委託しているなら、管理業者側の帳簿は施行規則19条により、事業年度の末日で閉鎖したうえで閉鎖後5年間の保存義務があります。管理業者の帳簿には、届出住宅ごとの契約年月日や委託内容が記録されるので、清掃を再委託している場合は清掃業者の実施記録もここに紐づく可能性が高いです。
私の場合、新宿と浅草は自分で発注してる家主居住型に近い形(実際は不在型で管理業者委託)、大田区は完全委託です。大田区の物件で立入検査を受けた際、区の職員は「管理業者から報告書は毎月受け取ってますか」を最初に確認してました。オーナー側で全部持っていなくても、管理業者側で5年分残っていれば説明はつく、という前提の質問です。ここは委託契約書に「清掃実施記録の共有」を明記しておくと安心できます。契約書で必ず確認する条項には、鍵管理・キャンセルと並んで記録共有を入れておきたいところです。
清掃記録には何を書けば「証拠」になるか
清掃記録の書式は法定されていません。だから、逆に何を書けばいいのか迷います。私は自分の3物件で1年ほど試行錯誤して、次の7項目を最低ラインとして固定しました。これで立入検査でも、レビュートラブルでも、後追いで説明できる状態を作れます。
- 実施日と時間帯(例:2025年10月14日 11:00〜13:15)
- 物件名または届出番号
- 作業者の氏名または業者名
- チェックアウトした宿泊者番号(名簿と紐づけ)
- シーツ・タオル交換の枚数(品目別)
- 使用した消毒剤・洗剤(商品名レベルで)
- 清掃前後の写真(水回り・寝具・ゴミ集積状況)
この7項目のうち、業者に依頼できるのは実施日・作業者・シーツ枚数・写真の4つ。残りの3つは、オーナー側で名簿とマージするか、業者との連絡テンプレに埋め込んでもらう必要があります。私はGoogleドライブに月別フォルダを作って、業者から送られてきたLINE報告を月末にまとめてPDFに落としてます。手作業ですが、月1回15分で終わります。
写真は「何枚」よりも「どこを撮ったか」が効く
清掃業者に「写真報告してください」と頼むと、業者によって12枚〜30枚の幅があります。数だけ多くても、玄関の全景ばかり増えると意味がありません。私が業者と共有しているのは、水回り3枚(洗面・浴室・トイレ)、キッチン2枚、寝具2枚(ベッドメイク後の全景と枕元アップ)、床1枚、ゴミ集積後1枚、鍵ボックス施錠後1枚、合計10枚を最低ラインという指示です。
これはチェックアウト清掃のチェックリスト46項目と対応させてます。項目ごとに「済」だけの記録より、写真と紐づいた記録の方が第三者にも見せられる。保健所の職員に「この日の清掃はどうやって確認してますか」と聞かれたときに、その日の写真を10枚パッと開いて見せる。この状態を作れると、話が5分で終わります。
紙より電子、ただしバックアップは二重に
紙のチェックリストを物件に置いておく方法もあります。ただし紙は物件で紛失するリスクがあるし、複数物件を回してると集計が地獄です。私は電子一択に切り替えました。Googleドライブ(本体)とNAS(バックアップ)の二重保管です。片方が消えてももう片方で復元できます。無料枠でも3物件・3年分は余裕で収まります。
電子で残すときの注意点は、写真のメタデータ(撮影日時)を残すこと。LINEで転送するとメタデータが飛ぶことがあります。業者から生ファイルで週1回まとめて送ってもらう運用にすると、Exifが残ります。この一手間が、あとで「本当にその日撮った写真か」の証明になります。
ここまで細かく書式を決めてくれる業者ばかりではないのが現実です。うちの場合も3社目でやっと安定しました。条件を明示して複数社から比較する仕組みを使うと、記録面まで対応できる業者に早く行き着けます。
立入検査が来たときの実際の流れ
去年11月、大田区の物件に区の職員2名が来たときの流れをそのまま書きます。事前連絡は電話1本、日程は2日先。抜き打ちで来ることもある、と後で聞きました。当日は10時に物件で待ち合わせ、玄関で身分証(法17条2項で提示が義務)を提示され、名刺交換。所要時間は約40分でした。
最初の10分は室内を一通り回って、消火器・自動火災報知設備・避難経路の掲示・カメラ設置がないかを目視確認。次の20分で書類確認。宿泊者名簿の直近3ヶ月分、鍵の受け渡し記録、清掃実施記録(私はGoogleドライブを開いて画面で見せた)、管理業者との契約書、定期報告の直近分。最後の10分は質疑応答で、近隣からの苦情の有無、ゴミ出しの分別方法、緊急連絡先の案内方法などを口頭で聞かれました。
清掃記録は「電子でも紙でも可、ただし即出せること」
職員の方に「電子でも大丈夫ですか」と最初に確認したら、「その場で表示できて印刷もできる状態なら問題ない」と答えがありました。私はスマホでGoogleドライブを開いて、指定された日付の写真フォルダを開いて見せました。3件ほど日付を言われましたが、いずれも数十秒で該当日の写真を出せて、それで書類確認は終わりました。
逆に言うと、「該当日のフォルダを開くのに5分かかる」「その日の写真が見つからない」という状態は、そこから追加確認が入る可能性があります。フォルダ構造をシンプルにしておくのは、地味ですが本当に効きます。私は「物件名/年/月/日付」で切ってます。3階層で済ませます。
近隣苦情がきっかけで来るケースが多い
職員の方の言葉で印象に残ってるのが、「今回は近隣からご連絡があって伺ってます」でした。ゴミ出しの音がうるさい、深夜のスーツケースの音が続く、といった苦情から、届出住宅として運営状況全般が確認対象になる。清掃記録は「清掃の内容そのもの」を疑われて来るというより、運営全体の記録の一部として見られる場面が多いようです。
ゴミ関連の苦情がきっかけで書類確認に発展するのはよくある話らしく、民泊のゴミ出しルールの伝え方で書いた通り、事業系ごみの扱いや集積所の指定は最初に業者と決めておく必要があります。近隣対応の記録も、実は清掃記録と同じフォルダに入れておくと横断で見せられて便利です。
清掃記録と紐づく他の書類も一緒に整えておく
清掃記録を単体で完璧にしても、周辺の書類が抜けていると立入検査全体としては通りが悪くなります。私が3物件で共通して揃えているのは、次のセットです。フォルダの並びまでこの順にしてあります。
- 届出書控え(自治体からの受理通知含む)
- 宿泊者名簿(直近3年)
- 本人確認書類の写し
- 鍵の受け渡し記録・スマートロックの解錠履歴
- 清掃実施記録・写真
- シーツ・タオル交換記録
- ゴミ出し記録(区分・日付・排出量)
- 近隣からの問い合わせ・苦情対応記録
- 定期報告の控え(2ヶ月ごと)
- 管理受託契約書・清掃業務委託契約書
- 消防設備点検関連書類
11項目ありますが、月1回の運用に落とし込めば負担は大きくありません。むしろ、これを揃えておくと近隣トラブル、レビュー低評価、Airbnbのペナルティ通知などに全部同じフォルダで対応できて、結果的にラクです。
寝具・シーツ関連は独立して整理
寝具の衛生確保は法5条の中でも、住宅宿泊事業法ガイドラインで明示的に触れられている項目です。シーツ・枕カバー・掛布団カバーは宿泊者ごとに洗濯したものを提供することが原則、と読める記述があります。ここは清掃記録の中でも、独立の欄を作っておいた方が説明しやすい部分です。連泊時の交換頻度についても、自治体によって解釈の幅があるので、自分の運用ルールを明文化しておく方が安全です。
私は「宿泊者ごとに全交換、連泊は3泊目で交換または希望時交換」というルールで固定してます。この運用ルールを清掃業者と共有して、業者側の日報にも同じ表現で書いてもらってます。
感染症疑いのゲスト後の記録は別ラインで残す
感染症の疑いがあるゲストが泊まった後の清掃記録は、通常の日次記録とは別ラインで残しておく方が安全です。私は物件フォルダの中に「特別対応」という別階層を作って、嘔吐・血液の処理、消毒剤の種類、換気時間、次のゲスト受け入れまでの間隔まで細かく書いてます。年1回あるかないかの頻度ですが、あったときに記録がないのは怖い。
具体的な処理手順は感染症が疑われたゲスト後の対応にまとめてます。清掃業者にも、特別対応のときの追加料金と手順書は事前に共有しておきたいところです。
保存期間の目安は「3年」を基準線に置く
清掃記録の保存期間について、法令に直接の規定がない以上、オーナー側で基準線を決める必要があります。私が採用してるのは「宿泊者名簿と同じ3年」というルールです。理由は3つあります。
- 宿泊者名簿の3年(住宅宿泊事業法8条)と同じ棚に置くと、日付で紐づけて出せる。
- 個人情報保護法上、目的達成後に不要になった個人データは削除・匿名化する必要があるが、3年程度は運営上必要と説明できる範囲に収まる。
- Airbnbなどの予約履歴も概ね数年程度は追える。トラブル対応の時間軸と合う。
管理業者側の帳簿が事業年度末閉鎖後5年である以上、オーナー側の記録を3年で切っても、5年間は管理業者に問い合わせれば復元できます。二重保管の構造として、これで実務は回ります。
3年より長く残すべきケースもある
ただし、次のようなケースは3年を超えて残しておいた方がいいです。訴訟リスクがある事案(近隣トラブルで内容証明が来た、AirCoverで係争が発生した等)、感染症疑いの対応記録、消防関連の是正指導があった場合。これらは案件ごとに10年程度は電子で残してます。ストレージのコストはほぼゼロなので、消すより残す方が安いという単純な理由です。
保存期間より「取り出せるか」の方が大事
正直、「何年残すか」より「必要なときに取り出せるか」の方が実務では効きます。10年分残していても、フォルダがぐちゃぐちゃで該当日の写真が出てこないなら、記録がないのと同じです。逆に3年分でも、日付を言われた瞬間にスマホで開いて見せられるなら、それで検査は通ります。行政の側も、完璧なファイリングを求めているというより、聞かれたことに答えられる状態を求めているという印象を受けました。
オーナーが自分で判断する余白
最後に、法令の枠を超えてオーナー自身が決めるべき論点を1つ残しておきます。「清掃業者にどこまで書類作成を任せて、どこから自分で管理するか」の線引きです。全部業者任せにすると、業者が変わったときに履歴が途切れます。全部自分でやると、本業のある兼業では続きません。
私の現時点の答えは、「作成は業者、集約と保管はオーナー」です。業者が日次の記録と写真を作る。オーナーは月末に自分のクラウドにコピーする。この分担なら業者が変わっても履歴は残ります。ただ、これが正解かはまだ自信がない。もっと業者側に厚く任せてる方が正しいのかもしれないし、逆にオーナー自身が完全に把握しているべきかもしれない。ここは、あなた自身の運営規模・業者との関係・時間の使い方で答えが変わる部分だと思ってます。
書類の集約と保管を安定させるには、そもそも記録を残せる業者と組めているかが前提になります。写真報告・チェックリスト共有・月次レポートといった条件で業者を比較したいなら、条件入力だけで対応業者を見つけられる仕組みを一度試してみるのが早いです。
よくある質問
Q1. 清掃記録を残していないと違法になりますか?
住宅宿泊事業法に「清掃記録を作成せよ」という直接の条文はありません。したがって記録がないこと自体で即違法という扱いにはなりません。ただし法5条で衛生確保のための必要な措置が求められており、実際に清掃を実施している事実を証明できる状態を作っておく方が安全です。立入検査で「どのように衛生確保していますか」と問われた際に、写真・作業日報などで説明できないと、追加確認や指導につながる可能性はあります。
Q2. 立入検査は事前に連絡があるものですか?
私の経験では事前連絡ありでした。ただし自治体や事案の内容によっては、事前連絡なしで来ることも制度上は可能です。近隣苦情が具体的な場合や、重大な苦情の場合は通告なしになる可能性が高いと聞いてます。いずれにせよ、書類は「聞かれてから探す」ではなく「聞かれたら開くだけ」の状態に整えておくのが現実的です。日常のフォルダ運用で、日付から一発で開けるようにしておくのが一番効きます。
Q3. 電子データでの保存は認められますか?
宿泊者名簿については、住宅宿泊事業法施行規則で電子的な記録による保存が認められる旨の規定があり、実務上も電子保存が広く運用されています。清掃記録は法定書類ではないので、そもそも書式・媒体は自由です。私はGoogleドライブ+NASの二重保管で運用してますが、立入検査の際もスマホ画面で確認してもらえました。ただしその場で表示・印刷できる状態にしておくことは前提です。詳しい要件は各自治体の保健所窓口に確認するのが確実です。
Q4. 清掃業者に記録を作ってもらう場合、契約書に何を書いておくべきですか?
作業日報の様式、写真の枚数と撮影箇所、月末報告の締切日、契約終了時の記録引き渡し義務の4点を明記しておくと後々もめません。特に契約終了時の引き渡しは、業者を変えるときに前の業者の記録が丸ごと失われないよう、書面で押さえておきたい部分です。宿泊者名簿を業者と共有する場合は個人情報保護の観点も別途整理が必要です。共有範囲は最小限に絞る、目的外利用の禁止条項を入れる、といった配慮を契約書に盛り込む必要があります。
Q5. 3年経った清掃記録は削除しないといけませんか?
清掃記録そのものに削除義務はありません。ただし宿泊者の氏名など個人情報が含まれる場合は、個人情報保護法の観点から、保有する必要がなくなった時点で削除または匿名化することが求められます。実務では、3年を超えた段階で個人情報部分を削除(黒塗り・匿名化)した上で、清掃実施の事実部分だけを残すのが無難です。トラブル対応記録など特定の事案に紐づくものは、必要な範囲で個別に長期保管する運用にしています。
Q6. 家主居住型と家主不在型で残すべき書類は違いますか?
家主不在型で住宅宿泊管理業者に委託している場合、管理業者側でも施行規則19条に基づき帳簿を事業年度末閉鎖後5年間保存する義務があります。オーナー側は管理業者から月次で報告を受け取り、その控えを保管する運用になります。家主居住型の場合は自分で全部管理するので、オーナー側での記録の厚みがそのまま検査対応の厚みになります。どちらでも清掃記録は残しておく方向で運用するのが安全です。

