去年の8月、浅草の1LDKで清掃を頼んでいた業者から金曜の21時にLINEが来ました。「明日の朝の枠、埋まっててできません」。翌日は12時にチェックイン、僕は本業の会社勤めで土曜も出社。深夜に慌てて別の業者を探したものの、繁忙期で3社連続で断られました。結局、始発で自分が浅草まで行って掃除した、というのが正直な話です。
そのとき痛感したのは、業者を選ぶ時点で見ておくべきポイントを、僕が3つも4つも飛ばしていたことでした。料金が安かった、返信が早かった、それだけで契約してしまった。繁忙期の枠、キャンセル時の代替、損害賠償の範囲、写真報告の有無、そういった当たり前の項目を見なかったツケが1年後に来た形です。
この記事は、都内で3件(新宿区ワンルーム25㎡・台東区1LDK45㎡・大田区ワンルーム28㎡)を兼業で運営している私が、業者選びで実際に失敗し、その後見直した7つのチェックポイントをまとめたものです。安く済ませる話ではなく、1年後に泣かない業者の見分け方の話です。
- この記事の要点
- なぜ「契約前の見分け」が業者選びの9割を決めるのか
- チェック1: 料金内訳が「基本料金+追加費目」で分かれているか
- チェック2: 繁忙期の枠確保と当日キャンセル代替のルール
- チェック3: 鍵の受け渡し方式と紛失時の責任範囲
- チェック4: 写真報告の有無・枚数・提出タイミング
- チェック5: 損害賠償責任保険の加入と免責金額
- チェック6: 契約書の主要4条項(キャンセル・鍵・賠償・秘密保持)
- チェック7: 住宅宿泊管理業への該当性と清掃業者の位置づけの整理
- 7項目チェックで避けられた過去の失敗を思い出しておく
- 7項目を3社で比較した実物メモ(新宿ワンルームの見積比較)
- 初回テスト発注は「平日・週末・繁忙期入り口」の3回で判断する
- よくある質問
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この記事の要点
- 民泊清掃業者を契約前に見分ける実務チェックポイントは、料金内訳・繁忙期対応・鍵管理・写真報告・損害賠償・契約書条項・住宅宿泊管理業への該当性の7つ。
- 家主不在型民泊では、住宅宿泊事業法第11条により管理業務を登録済み住宅宿泊管理業者へ委託する義務があり、清掃のみを別業者に頼む場合も管理業者との整理が必要(一次情報:国土交通省 民泊制度ポータル)。
- 損害賠償責任保険の加入有無と免責金額は、契約書または見積書で契約前に必ず書面確認する(口頭確認だけは通らないケースあり)。
- 編集部調べで東京都心のワンルーム清掃は1回3,500〜7,000円が実勢、1LDKは6,500〜11,000円が実勢(広さ・頻度・繁忙期割増で変動)。
- 初回はテスト発注1回だけで判断せず、平日と週末・繁忙期入り口の3回で見て決めるのが失敗が少ない。
一社ずつ電話して見積もりを取るのが正直しんどい、というのが本業のあるオーナーの本音だと思います。条件を入れるだけで対応可能な清掃業者を比較できる仕組みを一度使ってみると、下調べの時間はかなり削れます。
なぜ「契約前の見分け」が業者選びの9割を決めるのか
結論から言うと、契約後に判明する問題は、ほぼ全て契約前に見えていた情報の見落としです。僕が過去に切った業者3社を振り返っても、繁忙期に枠が取れなくなる、追加料金の運用が曖昧、写真報告が来ない、この3つは全て初回問い合わせのやり取りで兆候が出ていました。
民泊清掃はハウスクリーニングとは別物です。ゲストのチェックアウト後3〜6時間で次のゲストを迎える、写真報告を毎回残す、繁忙期は連日連戦になる、この3条件が住宅の一般清掃と違います。ここに慣れた業者かどうかは、料金表と契約書の細部を見ればほぼ判別できます。
そう。契約前が全て。
加えて、家主不在型民泊の場合は法規面の整理も欠かせません。国土交通省の民泊制度ポータルサイトによると、家主不在型で管理業務を委託する場合は、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が原則求められています。清掃業者に何を頼み、管理業者に何を残すかを最初に切り分けておかないと、あとで責任範囲が曖昧になります。
チェック1: 料金内訳が「基本料金+追加費目」で分かれているか
契約前に最初に見るのは料金体系です。基本料金だけがドンと書かれた「一式いくら」の見積書は、後から追加が乗る典型パターンでした。僕の経験だと、一式表記の業者は、繁忙期割増・リネン・ゴミ・消耗品のどれかを口頭で「これは別ですね」と言ってきます。
逆に、内訳が細かく分かれている見積書は、後で揉めません。新宿の部屋で今頼んでいる業者は、基本清掃・リネン交換・ゴミ回収・消耗品補充・繁忙期割増(12月〜1月・GW・お盆に+10%)まで別立てで書いてあります。項目が多くて一瞬「面倒だな」と感じますが、これが正解です。
見積書で最低確認する項目
| 項目 | 見るべきポイント | 編集部調べの実勢(東京・ワンルーム) |
|---|---|---|
| 基本清掃 | 広さ・所要時間の前提が書かれているか | 3,500〜6,000円 |
| リネン交換 | 1セット単価か、まとめて基本料金内か | 1セット500〜1,200円 |
| ゴミ回収 | 持ち帰りか、区の指定日出しか、追加料金の有無 | 0〜1,500円 |
| 繁忙期割増 | 時期の定義と割増率が明記されているか | +10〜30% |
| 消耗品補充 | 実費か、業者仕入れか、上限額 | 実費+管理費0〜10% |
一式表記が全てダメというわけではないです。単発1回限りの依頼なら、一式表記の方が話が早いこともあります。ただ、継続契約前提だと、月1〜2回の繁忙期に「今回は特別対応で追加5,000円」と言われるかどうかは大きな差になる。年間で計算すると数万円の予定外支出になり得ます。
もう1つ、契約前に必ず紙で残すのが「消耗品の仕入れ実費に管理費を上乗せするかどうか」です。トイレットペーパー・シャンプー・歯ブラシなど、月に3,000〜8,000円かかる領域を実費請求されるのか、業者仕入れで管理費10%上乗せなのかで年間の総額が変わってきます。編集部調べだと、業者仕入れ+10%くらいが標準的なラインです。
見積書のどこを見るかは、以前見積もりで必ず確認する7項目にまとめました。細かい話は無いですが、繁忙期割増の時期定義だけは必ず契約前に紙で確認しています。曖昧なまま契約すると、繁忙期に「今月は特別料金です」と言われて断りにくくなります。
チェック2: 繁忙期の枠確保と当日キャンセル代替のルール
2つ目に見るのが繁忙期の枠確保です。冒頭で書いた浅草の失敗は、平常期の対応だけを見て契約したのが原因でした。3〜4月、7〜8月、11〜12月の東京は民泊の予約が集中し、清掃業者側の稼働率も上がります。この時期に枠を回してもらえるかどうかで、業者の実力の大半が決まると思ってます。
問い合わせの時点で聞くのは3つ。「繁忙期の予約締切は何日前か」「予約が集中した場合、既存契約者を優先するのか、先着なのか」「当日キャンセル時に代替スタッフを回せる体制があるか」。この3つに具体的に答えられない業者は、平常期は問題なくても、必要なときに使えません。
正直、これは業者側の事情も分かるので難しい話です。個人事業主1〜2人で回している業者はそもそも繁忙期に他の物件を全部は取れません。そういう業者を「悪い業者」とは思わないですが、僕みたいに3件を年間で回したいオーナーは、複数スタッフを抱えた業者か、業者を2社並行させるか、どちらかを選ぶ必要があります。
当日キャンセルの条項は特に重要です。以前当日キャンセル対応で確認すべき契約条項を整理したときにも書きましたが、キャンセル料の相場は当日80〜100%が一般的です。ここは業者を守る条項でもあるので、書いてある業者を疑わず、書いてない業者を疑うべきです。
チェック3: 鍵の受け渡し方式と紛失時の責任範囲
3つ目は鍵管理です。民泊清掃はオーナー不在で入室するので、鍵をどう渡すか、紛失時に誰がどこまで負担するかが契約前に必ず整理されている必要があります。ここが曖昧な業者と契約すると、鍵を紛失したときにシリンダー交換費用(東京都心の一般的な交換費用は編集部調べで15,000〜40,000円)を誰が持つかで揉めます。
選択肢は3つ。キーボックス、スマートロック、対面受け渡し。僕の3物件は全てスマートロックにしていて、業者ごとに有効期限付きの暗証番号を発行しています。これは業者を切り替えたときに旧番号を無効にできるのが大きい。キーボックスは初期費用が安いですが、暗証番号を業者内で使い回されるリスクがあります。
まあ、そういうこと。
契約書に必ず入れるのは「鍵紛失時の責任範囲・費用負担・報告期限」。ここが空欄の契約書は、契約時に足してもらいます。断る業者はほぼいません。詳しい話は鍵管理と紛失時の責任範囲の記事にまとめてあります。
チェック4: 写真報告の有無・枚数・提出タイミング
4つ目は写真報告です。オーナー不在で清掃が終わったかどうかを確認する唯一の手段が写真報告なので、これが無い業者、あっても3〜4枚しか送ってこない業者は初期段階で候補から外しています。
基準は12〜22枚。玄関・キッチンシンク・コンロ・冷蔵庫内・浴室排水口・鏡・トイレ便器・洗面台・ベッドメイキング後・リビングの引き(全景)・ゴミ出し後の空き容器・消耗品補充後の棚、この11箇所を必ず含めることを問い合わせの時点で伝えています。ここに「うちは基本形式が違うので」と抵抗する業者は、僕の場合は縁が無かったと考えます。
提出タイミングも聞きます。「清掃完了時にLINE即送信」が理想で、「翌日メールでまとめて」だとチェックイン時のトラブルに間に合いません。台東区の1LDKで一度、翌日報告の業者と契約したときに、ベッド下の忘れ物発見が翌ゲスト到着後になり、対応が後手に回ったことがあります。
ここまで4つ見てきましたが、正直これを全部満たす業者を1社ずつ電話で探すのはしんどい話です。物件の条件を入れて対応可能な業者を絞り込む仕組みを一度試すと、候補出しの手間が減ります。
チェック5: 損害賠償責任保険の加入と免責金額
5つ目は損害賠償責任保険(請負賠償責任保険)への加入有無です。清掃中に家具や家電を破損した、水漏れを起こしたといった事故は、僕の周りの3物件オーナーだと2年に1回くらいの頻度で聞きます。頻繁ではないけど、起きたときの金額が大きいのがこの領域。
問い合わせ時に必ず確認するのは「保険加入の有無」「補償上限額」「免責金額(自己負担額)」「保険会社名」の4点。特に免責金額は要注意で、免責が10万円だと、5万円の家具破損は補償されず業者側で払うか折半になります。免責なしプランに入っている業者は、その点を営業トークで押してくることが多いので、逆に信頼できます。
証明書のコピーを契約前に見せてもらうのが確実です。「加入してます」と口頭で言っていても、実際は失効している業者もゼロではないので、有効期限まで確認します。ここまでやるのは大袈裟に感じるかもしれませんが、大田区の物件で以前、テレビを倒された際に「保険入ってますよ」と言っていた業者が実は満期切れだった、というのを一度経験してからは全物件で紙で見せてもらうようにしました。
保険の話は、業者側の負担も大きい領域です。清掃業者向けの請負賠償責任保険は、免責なしプランだと年間保険料が数万円上がるので、小規模業者は免責ありで契約しているケースが多い。だからこそ、免責なしプランを選んでいる業者は、それだけで一定の経営体力とプロ意識の目安になる、と個人的には見ています。
とはいえ、保険加入だけで安心しきるのは違います。実際の事故時には、免責金額の負担・保険会社への申請書類の準備・現場写真の提出が必要で、これに業者と発注側の両方で1〜2週間かかります。だから、事故ゼロにする発注書設計(チェックアウト清掃チェックリストで作業手順を明確にする、など)も並行して必要になります。
チェック6: 契約書の主要4条項(キャンセル・鍵・賠償・秘密保持)
6つ目は契約書そのものの中身です。業者から出される業務委託契約書のドラフトを、契約前に必ず1週間置いて読み込みます。会社帰りの電車の中で3回読むのがちょうどいい。
特に見るのは4つ。①キャンセル条項(発注側・受託側それぞれの規定)、②鍵管理・紛失時の責任、③損害賠償の上限額と免責範囲、④秘密保持(ゲスト名簿・物件情報の取扱い)。この4つが具体的な数字と場合分けで書かれていれば、あとの条項は標準文言でも問題ないと考えます。
逆に、A4で2ページしかない契約書は要注意です。短い契約書は、何かあったとき民法の原則に戻るので、優越関係のはっきりしない兼業オーナーは不利になりがち。5〜7ページで、上記4条項が明記されているものが安心です。
これは契約書の話としては当たり前ですが、業者側が用意していない場合は、こちらから雛形を提示してもいい領域です。契約書で必ず確認する条項にサンプル条項を書いておいたので、こちらから提案するときの叩きに使えます。
秘密保持は民泊特有の重要条項です。ゲスト名簿は住宅宿泊事業法で備付けが義務付けられており、そこには宿泊者の氏名・住所・職業などが記載されています。清掃業者が入室時にこれを見る可能性はゼロではないので、秘密保持条項で扱いを明確にしておく必要があります。ここが甘い契約書は、個人情報漏洩時にオーナー側が責任を問われるリスクが残ります。
チェック7: 住宅宿泊管理業への該当性と清掃業者の位置づけの整理
7つ目は法規面の整理です。ここは意外と見落とされているのですが、家主不在型民泊で管理業務を委託する場合、住宅宿泊事業法第11条により、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者への委託が原則求められています(一次情報:国土交通省 民泊制度ポータル)。
ここで整理が必要なのは、契約する相手が「住宅宿泊管理業者(登録あり)」なのか、「清掃業のみを提供する事業者(管理業者ではない)」なのか、です。家主不在型の場合、清掃業者に丸ごと管理を委ねることはできず、別途登録済み管理業者との整理が必要になります。清掃だけを頼むのか、管理まで委託するのかを最初に切り分けておく必要があります。
問い合わせ時に「住宅宿泊管理業者の登録はありますか」と聞くと、業者側の姿勢が分かります。答えられない業者、質問の意味自体が分からない業者は、民泊清掃の経験がそもそも浅い可能性が高いので、そこも判断材料にしています。ただ、登録有無だけで良し悪しを決めるのは違って、清掃だけを担う業者もまっとうに存在します。要は「役割の切り分けが説明できるかどうか」です。
自治体ごとに運用が異なる部分もあるので、判断に迷ったら住まいの地域の民泊窓口(東京都の場合は各区の保健所・住宅宿泊事業担当部署)に一度問い合わせるのが確実です。
参考までに、住宅宿泊管理業者の登録状況は国土交通省の住宅宿泊管理業者登録簿で公開されています。地方整備局ごとに一覧が出ているので、契約前に業者名を検索して登録有無を確認できます。管理業を含めて委託する場合は、この登録簿に載っているかどうかが最低ラインの確認になります。
7項目チェックで避けられた過去の失敗を思い出しておく
2023年の春、大田区の物件で契約していた業者に、GW直前に「今年から繁忙期は+40%の割増になります」と言われました。契約書に繁忙期割増の率が書かれておらず、こちらから交渉する余地がなかった。結局その回だけ受け入れて、GW明けに切り替えの準備を始めました。チェック1(料金内訳)とチェック6(契約書条項)の両方で見落としていた話です。
浅草の1LDKでは、業者側の写真報告が1枚も来ない状態が3週間続いたことがありました。「写真報告あります」と口頭では言っていたのに、実際は「言われれば送る」運用だった。契約前にサンプル写真を見せてもらっていれば、そこで違和感に気付けたはずです。チェック4(写真報告)の詰めが甘かった。
新宿の物件では、業者の担当スタッフが1年で3回変わり、その度に品質が下がる期間が発生しました。契約書に「担当者変更時の引継ぎ責任」が書かれていなかったので、変更のたびに僕がマニュアルを送り直す羽目に。これはチェック6の派生系ですが、担当者交代時の運用条項も入れておくと安心です。
こういう小さな失敗は、業者を切り替えるほどのことではないと思って我慢しがちですが、積み重ねると本業の時間を確実に削ります。1つひとつは1時間で解決できることでも、月に4〜5件あると、週末が丸ごと消える感覚に近い。契約前のチェックで防げるものは防いだ方が、後々の自分の時間を守ることになる、と思ってます。
7項目を3社で比較した実物メモ(新宿ワンルームの見積比較)
参考までに、去年新宿のワンルームで清掃業者を切り替えたときに、3社で比較した実物メモの抜粋を残しておきます。金額は編集部調べベースの範囲で、実際の契約金額とは若干ズラしています。
| 項目 | A社 | B社 | C社 |
|---|---|---|---|
| 基本料金 | 4,500円 | 3,800円 | 5,200円 |
| 料金内訳 | 細分化 | 一式 | 細分化 |
| 繁忙期割増 | +15%明記 | 「その都度」 | +10%明記 |
| 写真報告 | 15枚LINE即 | 5枚翌日 | 18枚LINE即 |
| 損害賠償保険 | 加入・免責なし | 加入・免責10万 | 加入・免責なし |
| 契約書 | 6ページ | 2ページ | 7ページ |
| 結果 | 採用 | 見送り | 次点 |
B社は基本料金が一番安く、正直迷いました。でも「その都度」と書かれた繁忙期割増と、免責10万の保険条件が引っかかって見送り。C社は金額が高めですが、7項目全てクリアで、A社との差は連絡レスポンスの速さ(A社が数分、C社が数時間)で最終判断しました。金額だけで見ればB社ですが、金額だけで見なかった過去の失敗があるから、こう決めました。
初回テスト発注は「平日・週末・繁忙期入り口」の3回で判断する
7項目全てクリアした業者を見つけたら、いきなり長期契約にはしません。テスト発注を平日・週末・繁忙期入り口の3回に分けて回し、それぞれの状況で品質と対応が安定しているかを見ます。
平日は基準確認、週末は連日連戦時の対応力、繁忙期入り口は枠取りの実力を見る目的です。この3回で問題なければ、たいてい半年〜1年は安定します。1回のテストだけで決めると、その日たまたま良かった業者に当たっている可能性があるので、3回は最低限見ておくのが個人的な線です。
ちなみに、テスト発注の段階で「他社の見積書を見せてほしい」「うちが最安値じゃないと契約しない前提だと厳しい」といった発言をしてくる業者は、後の値上げ交渉やトラブル対応でも同じ姿勢が出やすいので、初回の会話も判断材料の1つにしています。
ここまで書いてきましたが、正直、どこまで見るかは物件数と本業の忙しさで変わります。1件だけ持っている副業オーナーが7項目全部見るのは大変ですし、5件以上運営する専業オーナーはもっと細かく見ているはずです。自分の運営規模と、失敗したときの金銭・時間コストで折り合いをつけるのが現実的、と思ってます。
7項目を1社ずつ電話で確認していくのは、本業のあるオーナーには時間的にかなりの負担です。物件条件を入れて、対応可能な清掃業者を最初から絞り込んでから比較する方が、下調べの時間はずっと短くなります。
よくある質問
Q1. 7項目のうち特に優先順位が高いのはどれですか?
個人的には損害賠償保険(チェック5)と繁忙期対応(チェック2)です。事故が起きたときと繁忙期に枠が取れないときは、金額も時間もダメージが大きく、事後にリカバリしにくいのが理由。料金の1割の差より、この2つが揃っている方が結果的に安く済むケースが多いと感じています。
Q2. 契約書を出してくれない業者は避けるべきですか?
継続契約するなら書面はあった方が確実です。ただ、スポットで1回だけ頼む場合は、見積書と発注書のやり取りだけでも民法上は契約が成立します。継続で頼むなら、口頭合意だけは避けて、こちらから雛形を出してでも書面にした方が後々楽です。
Q3. 家主不在型でも清掃業者に直接頼めますか?
清掃自体を清掃業者に頼むのは可能ですが、家主不在型民泊で管理業務を委託する場合、住宅宿泊事業法第11条により登録済み住宅宿泊管理業者への委託が原則求められています。清掃と管理は別の話なので、役割の切り分けが必要です。自治体で運用が異なる部分もあるため、判断に迷ったらお住まいの区の民泊窓口に確認するのが確実です。
Q4. 業者を2社並行させるのはアリですか?
アリだと思ってます。特に繁忙期の枠取りリスクを減らす目的なら効果的です。ただし、清掃品質にバラつきが出やすくなるので、両方に同じ発注書・写真報告フォーマットを渡して、品質基準を揃える手間は発生します。物件が3件以上あるオーナーには特に向いていると感じます。
Q5. 見分けた後、契約を長く続けるコツは?
支払いを遅らせないこと、発注量を安定させること、無理な値切りをしないこと。この3つで大半の業者との関係は続きます。最低賃金や資材費の上昇局面では、業者側からの値上げ交渉にも一度は真面目に付き合う姿勢が長期契約には必要、と経験上感じています。

