先月、新宿のワンルームで使っていた清掃業者が急に単価を1,500円上げると連絡してきて、慌てて他社を当たった。そのとき自分は6社に問い合わせて、返信の遅さと条件の食い違いに疲れ果て、結局まともに比較できたのは3社だけだった。
「相見積もりって何社が正解なんだろう」と迷っている人、たぶん多いと思ってます。1社だと相場が分からず不安、5社以上だと日程調整と資料整理で潰れる。この記事は、都内3物件(新宿ワンルーム25㎡・浅草1LDK45㎡・大田区ワンルーム28㎡)を兼業で回している自分が、実際に相見積もりを回して行き着いた「3社が現実解」という結論と、その理由を実務で書いてます。
読み終わったあと、明日から自分で業者リストを組めるところまで持って行けたらと思ってます。
この記事の要点
- 民泊清掃の相見積もりは編集部調べで3社が実務的な現実解。2社では相場感が掴めず、5社以上は日程と条件整理が破綻しやすい
- 比較する前に「広さ・稼働頻度・リネン有無・鍵方式・繁忙期対応・キャンセル規定」の6条件を紙に書き出して全社に同一条件で送るのが前提
- 単価だけを比較すると失敗する。リネン込みか別か、繁忙期割増の有無、当日キャンセル料の刻みで年間の実額は数万円単位で変わる
- 他社の金額を出して値引き交渉するのはビジネスマナー違反で、業者間コミュニティで悪評が回るリスクがある
- 選ばなかった業者への断り連絡は当日〜翌営業日中に必ず入れる。次の物件で使うことを考えると関係を切らない方が得
ここから先は、なぜ3社なのか、比較で何を揃えるのか、社数別の得失を実額で見ていきます。一社ずつ電話して見積もりを取るのが大変なら、条件を入れるだけで清掃業者を比較できる見つける君を試すのが早いです。
結論:民泊清掃の相見積もりは3社が現実解
民泊清掃の相見積もりを取るなら、3社が実務的にちょうどいい。理由は単純で、2社だと金額が乖離したときにどちらが実勢に近いかの判断がつかず、4社以上だと日程調整と資料の突き合わせで発注側が疲れて判断が鈍るからです。
一般的なビジネスの相見積もりでも、目安として2〜3社が推奨されているケースが多い。リフォーム業界では3〜4社が一般的とされることもあります。民泊清掃の場合は現地確認まで求めない業者も多い分、3社に絞っても現地打ち合わせで消耗せず回しやすい。
自分の場合、大田区のワンルームで業者を切り替えたとき、最初に5社へ問い合わせたことがある。返信が来たのが4社、そのうち1社は「エリア外」で辞退、残り3社で見積書を突き合わせたら、実勢の中央値と外れ値が一発で見えた。この経験以降、最初から3社に絞って動くようになりました。
1社だけで発注しない方がいい理由
1社だけで即決すると、その業者の料金が高いのか安いのかの判断軸がゼロになります。編集部調べでは、東京都心のワンルーム清掃1回の実勢は5,500〜9,000円程度(広さ・リネン有無・繁忙期で変動)。この帯を知らずに1社の提示だけ見て決めると、上限に張り付いた提示でも「そういうもの」と受け入れてしまう。
自分の失敗を1つ。運営2年目、浅草の1LDKを立ち上げたとき、知人紹介の業者1社にそのまま発注したことがある。半年後に別件で相見積もりを取って気づいたのが、リネン別で1回12,000円という提示が、同条件の他社では9,500〜10,500円だったこと。年間150回転で見ると年30万円の差だった、と今でも思ってます。
1社発注が全部悪いわけじゃない。知人経由でトラブル時の連絡がつくとか、繁忙期の枠取りが確実に効くとか、金額以外の価値があるならアリ。ただ、その価値が「年30万円分あるのか」は一度は他社を当てて確かめておいた方がいい。
4社以上に広げると起きる問題
逆に5社、6社と広げると、比較の精度は上がらず判断が遅れる。相見積もりが増えすぎると、業者側が「決まらない案件」と判断して提案の熱量が落ちる可能性も指摘されています。民泊清掃は繁忙期の枠取りが命なので、比較で1週間潰れると次月の稼働に響く。
自分が6社当たったときの内訳がわかりやすい。返信2営業日以内が3社、3〜5日かかったのが2社、返信なしが1社。5営業日待った時点で、最初の3社は既に他物件に枠を取られていた。多く当たれば当たるほど、条件の良い業者が消えていく現実がある。
もう1つ、資料の粒度が揃わない問題も出ます。5社の見積書はフォーマットが全部違うので、Excelに転記して比較表を作る作業が3時間コースになる。兼業だと、この3時間が普通に痛い。
社数別の得失を実額で比較する
2社・3社・5社で回した場合の得失を、自分の体感で表にまとめます。編集部調べの想定なので参考値として使ってください。
| 社数 | 比較にかかる時間 | 相場判定の精度 | 枠取り遅延リスク | 向いてる場面 |
|---|---|---|---|---|
| 1社 | 約1時間 | 低い(判定不能) | 低い | 紹介・信頼関係あり |
| 2社 | 2〜3時間 | 中(乖離時に判定不能) | 低い | 時間がない緊急切替 |
| 3社 | 3〜5時間 | 高い(中央値が見える) | 中 | 通常の切り替え・新規 |
| 5社以上 | 7時間以上 | 高いが誤差増 | 高い(枠が消える) | 時間に余裕のある新規立ち上げ |
3社の内訳で自分がおすすめしているのは「大手管理会社系1社+地域の中小1社+個人フリーランス1社」の組み合わせ。値段だけでなく、対応の柔軟性・繁忙期の余裕・鍵管理の厳密さがそれぞれ違うので、比較軸として意味がある。
詳しい判断軸は法人業者と個人フリーランスの向き不向き比較に書いたので、あわせて読むと3社の組み方が決めやすいと思います。
比較で必ず揃える6条件
3社に依頼する前に、条件を紙に書き出して全社に同じ内容で送る。これを飛ばすと、各社が違う前提で見積もりを作ってきて、数字を並べても意味のある比較にならない。
- 物件の広さ(㎡・間取り)と築年数
- 月間の想定稼働回数(例:月18回)
- リネン込みか別か、レンタルか自前か
- 鍵の受け渡し方式(キーボックス/スマートロック/対面)
- 繁忙期割増の想定期間(GW・お盆・年末年始・桜シーズン)
- 当日・前日キャンセル時の料金規定
特に落ちやすいのが「リネン込みか別か」。編集部調べだと、リネン込みの提示は1回あたり+1,500〜3,000円になる。込みで9,500円と、別で7,000円+リネン2,500円の業者は同額。ここを混同すると、安く見える業者に釣られて実は割高、が起きます。
自分が使っている発注テンプレは問い合わせ前に整理すべき7項目にまとめてあります。この7項目をコピペで各社に投げるだけで、返信の質が明確に変わる。
単価だけで比較しない
1回あたりの単価は目に入りやすいけど、年間実額を左右するのは繁忙期割増と当日キャンセル料。GW・お盆・年末年始は業者によって+20〜50%と幅があります。年間の繁忙期日数が仮に30日なら、割増30%と50%では月18回想定で年間3万円以上の差がつく。
当日キャンセルも意外に効く。当日キャンセルは料金の80〜100%が業界の一般的な相場で、Airbnbのゲスト都合キャンセルが年数回は発生するので、この規定の緩さは体感で年1〜2万円の差になります。
3社をどう見つけるか
3社に絞ると決めても、そもそも候補をどう集めるかが最初の壁。自分は以下の3ルートを併用しています。
- 民泊清掃のマッチングサイト(条件入力で複数社に一括問い合わせできる)
- Googleマップ「民泊清掃 新宿区」等のエリア検索で口コミ4.0以上の地域業者
- 同業オーナーからの紹介(Facebookグループ・オフ会)
各ルートで拾える業者の性格が違うので、3社が全部同じルートだと比較にならない。マッチングサイト2社+地域Google1社、みたいに散らすのが自分のやり方。同じルートに寄せると価格帯まで似通ってしまい、比較の意味が薄れます。
そう。マッチングサイトの一括問い合わせは便利だけど、返信してきた業者にそのまま乗ると条件の粒度が揃わない。届いた見積書を6条件で全部揃え直す作業は、どのルートでも必要になる。
マッチングサイトの一括問い合わせを試したことがない人は、条件を1回入力すれば複数社の相場感が並列で見られる見つける君を先に触ってから、地域業者を追加する順で進めると効率がいいです。
比較で見るべきポイントは金額だけじゃない
3社から見積書が届いたあと、金額の並べ替えだけで決めると後で痛い目を見る。自分が実際に見ているのは、金額の下にある「返信スピード」「質問の粒度」「契約書ドラフトの有無」の3点。
返信スピードは、繁忙期に当日連絡した時のレスポンスの予告編です。初回問い合わせの返信が24時間以内の業者は、実運用でもだいたい早い。48時間超えた業者は、繁忙期にトラブった時に電話が繋がらないことが多い、というのが自分の体感。
質問の粒度も大事。こちらが送った6条件に対して、追加で「エレベーターの有無」「ゴミの分別ルール」「布団かベッドか」まで聞いてくる業者は現場慣れしています。逆に「じゃあ8,000円で」と即返してくる業者は、後から「想定と違ったので追加料金」と言ってくるパターンが多い。
損害賠償・保険の加入有無
金額を突き合わせるとき、業者が損害賠償保険(清掃業務中の物損対応)に入っているかは必ず聞く。加入している業者は見積書の但し書きに書いてくることが多い。書かれてないなら「加入されていますか」と一言聞いておく。
浅草の物件で、清掃時にテレビの前板を割られたことが1回ある。加入業者だったので保険で対応してくれて、こちらの持ち出しはゼロだった。加入していない業者だと「弁償します」と口では言われても、実際に振り込まれるまで揉めるケースがある、と聞いてます。
相見積もりで守るべきマナー
相見積もりは業者側にも工数がかかるので、発注側が守るべきマナーがあります。守らないと業者コミュニティで悪評が回って、後から他社に問い合わせても返信が来なくなる、という現実がある。
やってはいけない3つのこと
- 他社の金額を引き合いに出して値引き交渉する(ビジネスマナーの一般論としても明確なNG行為とされている)
- 相見積もり中の他業者名を告げる
- 選ばなかった業者に断りの連絡を入れない
特に3つ目、断り連絡は絶対に入れる。理由は2つで、業者側の営業リソース節約への配慮という一般的なマナーと、次の物件を立ち上げる時にまた問い合わせる可能性があるから。民泊清掃業界は東京でも横のつながりが濃く、断り連絡すら入れないオーナーはあっという間に共有される。
断り連絡はメール1通、5行で十分。「今回は他社様にお願いすることになりました。お忙しい中お見積もりありがとうございました。次の物件で改めてご相談させてください」で終わり。次のお願いが本音であってもなくても、関係を切らない一言を残しておくのが得。
値下げ交渉の正しい進め方
値下げを頼みたいときは、他社金額を出さずに「相場を根拠に」進めるのが基本。「エリアと広さの相場は7,500〜9,000円と認識していて、御社の8,800円は上寄りに見える。稼働頻度が月18回で年間安定発注できる前提で、8,000円程度にご相談できないか」という形。
2024年11月に施行されたフリーランス新法では、発注事業者からフリーランスへの業務委託において、報酬額を含む取引条件の明示が義務化されました。個人事業主の清掃業者に発注する場合、口頭で強引に値下げを迫るような進め方は、この法律の趣旨からも避けた方がいい。詳しい進め方は相場を根拠にした値下げ相談の進め方を参考にしてください。
物件の状況別・社数の使い分け
「3社が基本」と書いたけど、物件の立ち上げフェーズや切り替え理由によっては社数を増減させた方がいい場面もある。自分の運用ルールを共有します。
新規立ち上げは3〜4社
新規物件を立ち上げるときは、時間に余裕がある分だけ4社まで広げてもいい。実運用に入る前に「エリアの相場感」と「対応の柔軟性」を仕入れておく期間だと考えると、1社追加分の工数投資は回収できる。
大田区の物件を立ち上げたときは4社に問い合わせて、結果的に採用したのは3番目に安い業者だった。安さで選ばなかった理由は、繁忙期割増が20%と一番緩く、写真報告が全業者中で最も細かかったから。時間があるから見えた差、というのが実感です。
緊急切り替えは2社でもいい
逆に、既存業者が急に「来週から入れません」と言ってきたような緊急切替なら、2社まで絞ってスピード優先で決める。相場感は既存業者の単価で分かっているので、2社の提示のうち条件が現実的な方を即決する形。
この時、既存業者の単価は「上限」として捉える。既存より高い提示は、繁忙期の飛び込みで足元を見られている可能性があるので、もう1社当てる時間があるなら当てる方がいい。目安として、既存単価+15%を超える提示は、他業者にもう一社当たる価値があるライン、と自分では設定してます。
複数物件をまとめて発注するとき
自分のように3物件以上を1社にまとめて発注できると、単価が下がりやすい。この場合は3社に対して「3物件セットで発注する前提」を初回問い合わせで明示すると、各社が価格戦略を変えてくる。まとめ発注は業者側も枠を確保しやすいので、両者にメリットがある。
ただし、複数物件を1社に依存させると、その業者がトラブった時に3物件全部止まる。冗長性を残すためにサブ業者を1社契約しておくのが自分のやり方で、これは業者との長期関係を作る話にも関わってきます。
相見積もり後の判断で迷ったら
3社の見積書が揃っても、金額と条件でトレードオフが出て決めきれないケースが結構ある。「A社は安いけど写真報告が薄い」「B社は高いけど繁忙期の柔軟性がある」というやつ。
自分がやってるのは、判断軸を先に紙に書いてから見積書を並べる、という順序。金額・繁忙期対応・鍵管理・写真報告・保険加入・返信スピードの6軸に、それぞれ5点満点で採点する。A社が金額5点でも写真報告2点なら、合計点で見ると意外にB社の方が高い、が起きる。
採点表を先に作ると、感情的な「なんとなく感じの良かった業者」を排除できる。ただこの採点、絶対解じゃない。物件の稼働特性(週末集中型か平日均等型か、外国人ゲストが多いか)で重みは変わるので、6軸のうち何を最重視するかは自分の物件ごとに違っていい。
採点で決めきれない場合の最後の決め手は「1回テスト発注できるか」。3社のうち1社に、まず1回だけ試しに発注してみて、実際の清掃品質と報告の粒度を見てから本契約に進む。テスト発注を受けてくれない業者は、繁忙期の枠取りでも柔軟性がない可能性が高い、と思ってます。
自分の場合、新宿の物件を切り替えたときにテスト発注を受けてくれた業者が結果的にメイン契約になった。1回7,500円の投資で、その後2年間の運用トラブルゼロだったので、初回の慎重な進め方は完全に元を取っていると思う。テスト発注で見るべきポイントは、清掃後の写真報告の粒度、細部(水回りの水垢・ベッド下の埃)の仕上がり、次回の連絡がスムーズか、この3点です。
もう1つ、相見積もりの結果を1年後に見直す習慣も大事にしてます。エリアの相場は年単位で動くので、去年の3社比較がそのまま今年も正解とは限らない。自分は毎年3月に、既存業者の単価が実勢の中央値からどれだけズレたかを、当時採点した業者に軽く再問い合わせして確認するようにしてます。
ここまで書いてきて、正直に言うと「3社が絶対の正解」とまでは思ってません。自分の周りには2社しか当てないオーナーも、5社当てるオーナーもいる。それぞれの運営スタイルで最適解は違うので、この記事の3社ルールも自分の運営リズムに合わせてカスタマイズしてもらえたらと思ってます。
相見積もりを1社ずつ探して回すのが面倒なら、条件を1回入力すれば複数社の見積書がまとめて届く見つける君を使うのが早い。時間を買う感覚で試してみてください。
よくある質問
Q1. 相見積もりを取るとき、業者に「他社にも見積もり依頼している」と伝えるべき?
伝えるのが基本です。ただし他社名は出さない。「複数社比較しています」と一言添えるだけで、業者側も価格戦略を練って提示してくれる。隠して発注直前に「実は他にも当ててました」と言う方が信頼を失うので、最初に開示するのが結果的に得です。
Q2. マッチングサイトの一括見積もりだけで3社比較は完結する?
ほぼ完結します。ただし返信が来た業者だけで比較する形になるので、返信のあった上位3社が全部大手管理会社系に偏る、みたいな事も起きる。個人的には、マッチングサイト2社+地域Google検索1社の組み合わせで、価格帯と対応スタイルを散らすのがおすすめです。
Q3. 見積書の金額が業者間で数千円違うのは普通?
普通に起きます。編集部調べだと、同条件のワンルームでも3社で2,000〜3,500円の差が出るのは珍しくない。理由は基本料金の設定、リネンの調達コスト、繁忙期の人件費織り込み方が違うから。差が5,000円以上ある場合は、条件が揃っていない可能性が高いので見直した方がいい。見積もりが業者ごとに数千円違う理由で内訳の読み方を書いてます。
Q4. 断りの連絡を入れたら、次回は使えなくなる?
丁寧に断れば、まず切られません。むしろ「今回は縁がなかったけど次回もあり得る」と業者側が認識してくれる。実際に自分は、初回で断った業者に半年後にサブ業者として声をかけて契約に至ったケースが2回あります。断りを入れないまま連絡を絶つ方が、次回の芽を確実に潰します。
Q5. 3社比較で決めた後、契約前にもう一度確認することは?
契約書ドラフトの条項確認は必ずやります。特にキャンセル料の刻み、鍵紛失時の責任範囲、写真報告の頻度と保管期間、繁忙期割増の適用期間の4点。見積書に書いてあっても、契約書に落ちてないと運用でトラブります。契約前は口頭合意ではなくメールと書面で残す、が兼業オーナーの鉄則です。

