金曜の23時、浅草の1LDKの清掃を任せている業者からLINEが来ました。「ベッド脇にAirPods Pro、洗面台にピアス片方、冷蔵庫にヨーグルト2個残ってます。どうしますか」。写真は3枚。私は会社帰りの電車の中で、次のゲストのチェックインが翌朝10時に迫っているのを思い出し、返信を打ちながら胃が少し痛くなりました。
民泊をやっていると忘れ物は必ず出ます。私の3物件(新宿区のワンルーム25㎡・浅草の1LDK45㎡・大田区のワンルーム28㎡)を合計すると、月に2〜3件のペースで何かが残ります。多いのは充電器、次にイヤホン、たまに現金と身分証。厄介なのは、発見するのは自分ではなく清掃業者だという点です。
この記事では、清掃業者に忘れ物対応をどこまで頼めるか、頼めない範囲は何か、遺失物法の一次情報と自分の運営実務の両方から整理します。契約書のどこに書いておくべきか、返送費の負担、警察届出のタイミングまで、金曜23時に迷わないための地図です。
この記事の要点
- 民泊の忘れ物(拾得物)は遺失物法の対象で、施設内で従業員等が拾得した場合、施設占有者は原則7日以内に警察署長へ提出する義務がある(遺失物法第4条、警察庁一次情報)
- 清掃業者に頼めるのは「発見・写真報告・一時保管・オーナー指定住所への転送」まで。ゲストへの直接連絡や返送費の立替・警察届出の主体はオーナー側が持つのが実務上安全
- 返送費はゲスト負担が原則。着払い(宅急便コレクト等)で送るか、Airbnb・楽天トラベルの決済経由で受領するのがトラブルが少ない
- 3ヶ月経っても遺失者が判明しない場合、施設占有者に所有権が移る可能性があるが、7日以内提出を怠るとその権利は失う(遺失物法)
- 契約書に「忘れ物対応の範囲・保管期間・破棄基準・写真報告の義務」を明記していない業者は要注意。都内実勢で1回500〜1,500円の追加費目に設定するのが一般的
ここから先の内容を1件ずつ電話で業者に確認するのは、正直しんどいです。条件を入れて清掃業者を比較できるサービスを一度触っておくと、忘れ物対応の条項が最初から入っている業者に絞り込めます。
忘れ物対応で清掃業者に頼める範囲はどこまでか
結論から先に書きます。清掃業者に安全に頼めるのは「①発見・②写真報告・③施設内での一時保管・④オーナー指定住所への転送」の4つまで。ゲストとの直接やり取り・返送手配・警察届出は、原則オーナー側が持つのが実務でも法制度の建付けでも自然です。
理由はシンプルで、遺失物法上、施設内で拾得された物件について警察署長への提出義務を負うのは「施設占有者」だからです。民泊の場合、家主不在型なら住宅宿泊事業者(つまりオーナー)が施設占有者に当たると読むのが自然で、清掃業者は下請けの位置にいます。オーナーの指示なしに、清掃業者が独断で警察へ届け出たり、ゲストに直接返送するのは、責任の切り分けが曖昧になります。
安全に頼める4つの範囲
私が3物件で実際に業者に依頼している範囲はこう分けています。まず発見。清掃中にベッド下・冷蔵庫・洗面台の引き出し・玄関の靴箱を必ず開けて中身を確認する。次に写真。全体・接写の2枚を撮って、その場でLINEに送る。それから保管。ジッパー袋に入れて、日付・部屋名・発見場所を書いた付箋を貼る。最後に転送。私が指定した住所(自宅または着払い返送の準備が整った場所)へ発送する。この4つは業者の作業として明文化して、1回500〜1,500円の追加費目にしています。
頼まない方が良い範囲
逆に、業者に振らない方が良いのはゲストへの直接連絡と返送費の立替、そして警察届出です。ゲスト連絡はプラットフォーム(Airbnb・楽天トラベル・Booking.com等)のメッセージ経由でオーナーが行うのが基本。業者が個別に連絡先を聞き出すと、個人情報の扱いが宿泊者名簿と絡んで面倒になります。この論点は以前まとめた宿泊者名簿を清掃業者と共有していいかの整理が近い話です。
返送費の立替も避けたい。業者が自腹で送料を払い、後で請求すると、金額の齟齬・領収書の管理・振込手数料の押し付け合いが毎回発生します。私は「立替は禁止、着払いで送るか、私に転送してくれれば私が発送する」で統一しました。この方が業者もラクです。
遺失物法の一次情報でおさえる期限と義務
ここは断定しやすい部分なので、警察庁の一次情報に沿って書きます。遺失物法第4条によると、施設内で拾得された物件は、施設占有者から交付を受けた場合、原則として7日以内に警察署長へ提出する義務があります。この期限を守らないと、拾得者としての権利(3ヶ月経過後の所有権取得、報労金請求権)を失います。
3ヶ月というのは、警察に届け出た後、遺失者が見つからなければ拾得者に所有権が移るまでの期間。ホテルや旅館ではこの3ヶ月保管が慣行ですが、これは施設側で保管するのではなく、警察に提出した後の話です。よく誤解されているので注意したい。
7日ルールと24時間ルールの違い
もう1つ混同されるのが、拾得者本人(この場合は清掃スタッフ)が施設占有者に交付する期限。警察庁の説明では、管理者のいる場所で拾った場合は24時間以内に施設占有者へ交付するのが原則。そして施設占有者は、交付を受けた日から7日以内に警察へ提出。この二段構えです。
民泊に置き換えると、清掃業者が発見した瞬間から24時間以内にオーナーへ報告(写真+物品情報)、オーナーが受け取った日から7日以内に警察提出、というスケジュール感になります。実運用ではもっと早く動く方が良い。
全部を警察に届けるのか
正直に書くと、私は充電器やヘアゴム、コンビニで買えるアメニティ類まで警察に届け出たことはありません。ゲスト本人からプラットフォーム経由で「忘れました」と申告があり、本人に返送できたケースが8割以上です。遺失者が判明していて本人に返還できる場合、警察提出は不要になります(遺失物法第4条ただし書き)。
問題は、ゲストと連絡がつかない場合と、高価品(財布・身分証・パスポート・現金・貴金属)が出た場合。この2ケースは迷わず警察に届ける方針にしています。特に身分証は所有者が特定できるので、警察に渡した方が確実に本人に戻ります。
発見から返送までの実務フロー(7ステップ)
ここから具体の手順を、金曜23時に迷わないように7ステップに分解します。3物件で回してきて、これがいちばん揉めない順序でした。
| ステップ | 担当 | 目安時間 | やること |
|---|---|---|---|
| 1. 発見 | 清掃業者 | 清掃中 | ベッド下・冷蔵庫・引き出しをチェック |
| 2. 撮影 | 清掃業者 | 発見直後 | 全体・接写の2枚を撮影 |
| 3. 報告 | 清掃業者→オーナー | 清掃終了時 | LINE等で写真+発見場所を送信 |
| 4. 保管 | 清掃業者 | 次回訪問まで | ジッパー袋+付箋で施設内保管 |
| 5. ゲスト連絡 | オーナー | 翌営業日 | プラットフォーム経由で本人に確認 |
| 6. 返送 or 警察 | オーナー | 連絡から7日以内 | 着払い返送 or 警察提出 |
| 7. 記録 | オーナー | 返送後 | スプレッドシートに履歴を残す |
ステップ1〜4:業者側の動き
業者側でやってもらうのは1〜4まで。ここは契約書に明記した方が良いです。私の場合、契約書の中に「忘れ物発見時は、写真2枚と発見場所・日時を清掃完了報告と同時にLINEで送付する。物品は次回訪問時まで施設内で保管する」と書いています。この条項の作り方は契約書で確認すべき条項の記事にも近い論点として整理しました。
保管場所は物件内が基本。業者の事務所に持ち帰ると、鍵の預かりと同じで責任範囲が広がります。私の3物件はどれも玄関脇にA4サイズの棚を置いて、そこに「忘れ物ボックス」を作りました。ゲストが翌週再訪した時に自分で回収できるようにする副次的なメリットもあります。
ステップ5〜7:オーナー側の動き
ゲスト連絡はプラットフォームのメッセージ機能を使います。「◯月◯日にお泊まりの◯◯様、清掃時に以下の物品を発見しました(写真添付)。ご連絡お待ちしています」で十分。翌営業日には送るようにしています。返信率は体感で7割くらい。3割は「不要です」と言われるか、返信自体がありません。
返送方法はゲスト希望を聞いた上で3択にします。①着払い(クロネコヤマトの宅急便コレクト等)、②Airbnb内の返送費用送金機能、③本人が再訪して回収。海外ゲストの場合はEMSかDHLの着払いになるので、送料が結構かかる旨を事前に伝えます。
返送費の負担はどう決めるか
結論、返送費はゲスト負担が原則。日本国内の宿泊業界の慣行としても、私の3物件の運営実務としてもここは動かしていません。ゲスト側もほとんどの場合これに納得します。
ただ、金額の見え方でトラブルが起きます。私が失敗したのは、大田区の物件で忘れられたNintendo Switchを、ゲストの希望で普通郵便+補償なしで送ってしまい、途中で紛失したケース。「ホストが安い発送方法を選んだせいだ」とレビューに書かれました。それ以降、貴重品・電子機器は必ず追跡付き・補償付き(宅急便・EMS)で発送、送料はゲスト負担、と条件を統一しています。
Airbnbの送金機能を使う
Airbnb経由の予約なら、リクエスト送金(Send or request money)でゲストに送料を請求できます。振込手数料や為替の面倒がないので、海外ゲスト相手ではこれ一択。楽天トラベル・Booking.comは同様の機能が弱いので、着払いか事前見積もり→本人振込で対応しています。
手数料をどこまで乗せるか
ここは意見が分かれるところ。私は梱包の手間・郵便局までの移動時間を考えて、送料実費+500円の梱包手数料をゲストに請求します。これでクレームが来たことは一度もない。逆に手数料を取らないと、月2〜3件の忘れ物対応で自分の時間が溶けて、本業(会社勤め)に支障が出ました。ここは正当な労働対価だと思ってます。
ちなみに、業者への追加費用(発見報告1回500〜1,500円)は、私が負担して手数料に含めない設計にしました。これは「忘れ物発見を業者にちゃんと報告してもらうためのインセンティブ」だと割り切っています。この論点は追加料金の許容範囲の記事でも近い整理をしました。
忘れ物対応の条項が最初から料金表に入っている業者を選べると、この計算が毎回不要になります。エリアと物件条件を入れるだけで比較できる導線を一度作っておくと、次に業者を切り替える時にラクです。
警察に届けるべきか、施設で保管するかの判断軸
ここが一番迷うところ。全件警察に届けるのは現実的でないし、全件施設内で保管して勝手に処分するのは法的リスクがある。私の中では以下の3軸で判断しています。
| 物品の種類 | ゲストと連絡つく | ゲストと連絡つかない |
|---|---|---|
| 高価品(財布・身分証・スマホ・パスコン・貴金属) | 本人に返送 | 7日以内に警察提出 |
| 中価品(イヤホン・充電器・化粧品) | 本人希望で返送 or 廃棄 | 1ヶ月保管後、警察提出 or 廃棄検討 |
| 低価品(コンビニで買える消耗品・食品) | 基本廃棄(本人希望あれば返送) | 即日〜数日で衛生面から廃棄 |
この表は私の運用ルールで、法律上「必ずこう扱わなければならない」というものではありません。厳密に法律だけで判断すると、コンビニの菓子1個でも「拾得物」になるので、警察は現実的に対応しきれない。実務では価値と緊急性で線引きしています。
現金と身分証は例外なく警察
浅草の1LDKで一度、ベッド脇のサイドテーブルに1万円札3枚がクリップで挟まれた状態で残っていたことがあります。清掃業者から報告が来て、その日のうちに私が最寄りの浅草警察署に行き、拾得物として届け出ました。ゲスト本人にも連絡しましたが、返信は数日後で「そんなお金置いた記憶がない」でした。結果、警察に預けたまま3ヶ月が経過し、拾得者(私)の所有物になりました。
現金や身分証を施設内で保管し続けるのはリスクが高い。業者スタッフが日替わりで入る前提だと、後日「あの日入った人が抜いた」という嫌疑をかけられる可能性がゼロではない。この手のリスクは早めに警察へ移して切り離すのが自分の身も業者の身も守る動き方だと思ってます。
食品と液体は即日廃棄
冷蔵庫のヨーグルト、飲みかけのペットボトル、開封済みのお菓子。これは衛生面と保管スペースの両方から即日廃棄でOK、と業者にも伝えています。ホテル業界でも食品類は当日限りの保管が一般的で、これは民泊でも同じ運用で問題ないという判断です。ゴミの扱いは自治体で細かい違いがあるので、東京23区のゴミ出しルールの記事もあわせて確認してください。
契約書に入れておくべき5項目
忘れ物対応で揉めないためには、業務委託契約書の中に条項を1〜2行だけでも入れておく。これで9割の揉め事は防げます。私が今使っている契約書に入っている5項目を挙げます。
- 発見時の即時報告義務(清掃完了報告と同時にLINE等で写真送付)
- 写真の枚数と撮影範囲(全体1枚・接写1枚以上、発見場所が特定できること)
- 保管場所と保管期間(施設内の指定場所で、次回訪問時または7日間のいずれか短い方)
- 廃棄基準(食品・液体は当日廃棄可、それ以外はオーナー指示待ち)
- 報告料の設定(1回◯円、月◯回まで基本料金内、超過分は別途)
この5項目、実は業者に嫌がられません。むしろ「基準がハッキリしていてやりやすい」と言われることが多い。清掃業者は自分の裁量で判断したくない領域なので、書面で範囲を切ってもらった方が動きやすいのだと思います。
口頭合意で済ませない
新宿の物件で最初にお願いした業者は、電話で「忘れ物は写真送りますね」と言っただけで契約書には何も入っていませんでした。半年後、担当スタッフが変わったタイミングで報告が来なくなり、次のゲストのチェックイン後に「前の宿泊者の忘れ物と思われる物がある」というクレームが来る事態に。原因は「引き継ぎで忘れ物対応の話が抜けていた」でした。書面がないと、担当者が変わった瞬間に運用が消える。
個人情報の扱いも一文入れる
忘れ物の中に身分証・クレジットカード・スマホ(ロック画面に個人情報が出る場合)が含まれる時、業者スタッフが写真をSNSに載せてしまうと個人情報保護法の話になります。「発見物の写真・情報を第三者に開示しない」の一文は必ず入れる。これは鍵の受け渡しと入室ルールの整理と同じ設計思想で、業者スタッフの動きを縛るのではなく、業者会社の管理責任を明確にする方向で書きます。
Airbnb・楽天トラベル・Booking.comでの窓口の違い
忘れ物のゲスト連絡はプラットフォーム経由が原則。ただプラットフォームによって使い勝手が違うので、実運用の差を書いておきます。
Airbnbは送金機能が使える
Airbnbは予約完了後もメッセージが送れて、リクエスト送金で送料を請求できます。海外ゲストが多い浅草の物件では、これがないと成立しません。ただし予約から一定期間経つと送金機能が使えなくなるので、忘れ物発覚から早めに動く必要がある。
楽天トラベル・Booking.comは連絡先が制限される
楽天トラベルはチェックアウト後、ゲストの連絡先が段階的に見えなくなる仕様。Booking.comも似た制限があります。忘れ物発覚は基本的にチェックアウト直後なので、この時間帯のうちにメッセージを送るのが肝心。翌日の朝までに送っておけば、たいてい返信が返ってきます。
直予約はメールと電話
自社サイト・電話予約の場合は、予約時に控えた連絡先にメール→返信なければ電話、の順で連絡します。連絡が取れない場合は、7日を目安に警察へ届け出るのが安全です。私は「7日ルール」を業者への告知日ではなく、私が実際に物品を確認した日から起算する運用にしました。
3物件で実際に起きた忘れ物の例
ここまで書いてきた話を、私の3物件で実際に起きた例で具体化しておきます。捏造しない範囲で、頻度と傾向だけ書きます。
新宿の25㎡ワンルーム
ビジネス利用が多い物件。忘れ物は充電器・変換プラグ・ノートPC電源が上位3つ。8割は本人から「忘れました」と連絡が来て、着払いで返送しています。海外ゲスト率が低いので送料も国内のみで、返送費は概ね1件800〜1,200円。
浅草の45㎡ 1LDK
観光客・海外ゲストが中心。忘れ物のバリエーションが広く、化粧品・ヘアアイロン・お土産の食品まで様々。返送は海外向けが半分で、EMS着払いや、Airbnb送金機能で送料徴収して私が発送、の組み合わせ。3物件の中でいちばん手間がかかります。
大田区の28㎡ワンルーム
羽田寄りで、朝一便で発つゲストが多い物件。眠気で忘れ物が出やすい。バスルームの歯ブラシ・シェーバー、洗面台のピアス・指輪が頻出。指輪類は貴金属かどうかで警察届出の判断が変わるので、清掃業者に「発見時点で価値判断はしない、写真で判断はオーナー」と明文化しました。
3物件を横串で見て思うのは、忘れ物対応の面倒くささはエリアとゲスト属性で全く違うということ。この負担感を織り込んで業者を選ぶと、「忘れ物対応を追加料金で受けてくれるかどうか」が重要な判断軸になります。この論点は清掃業者を選ぶ7つのチェックポイントにも整理しました。
読者に残しておきたい、判断が分かれる論点
ここは私も答えを持っていない、判断が分かれる話。1つだけ書いて終わります。
それは「業者スタッフに拾得者としての権利(報労金請求権・所有権取得の可能性)をどう説明するか」という論点。厳密に遺失物法を適用すると、施設内で物件を拾った清掃スタッフは拾得者にあたり、遺失者からの報労金請求権が発生する可能性があります。私の運用ではこれを業者に一切説明していません。業者もそれを主張しない。実質的に「業務の一環として発見し、オーナーへ交付する」で処理していて、権利の話は棚上げにしています。
これが正しい運用なのかは、正直まだ自分の中でも答えが出ていない。契約書に「拾得物に関する権利は業者側で放棄する」と入れるべきか、そもそも放棄させられる性質のものなのか。ここは労務・法務の詳しい方の意見を聞いてみたい領域です。読者の皆さんの物件ではどう扱っているか、機会があれば知りたい。
忘れ物対応の条項が整理された業者と一度契約しておくと、こういう細かい論点で毎回悩まなくて済みます。まずは自分の物件条件で比較できる仕組みを触ってみるところから。
よくある質問
Q1. 清掃業者が忘れ物を持ち帰るのは違法ですか?
違法とは言えませんが、実務上は避けるのが安全です。遺失物法上、施設内で拾得した物を業者が事務所に持ち帰り、24時間以内に施設占有者(オーナー)へ交付するか、7日以内に警察へ提出するのは適法な選択肢です。ただ責任の所在が曖昧になり、紛失・破損時のトラブルが起きやすいので、私は物件内保管で統一しています。契約書に保管場所を明記しておくのが無難です。
Q2. ゲストと連絡がつかない忘れ物はいつ廃棄していいですか?
低価品(消耗品・食品)は衛生上の理由で即日〜数日で廃棄して差し支えない範囲と考えます。中価品以上は、警察に届け出て3ヶ月経過後に所有権が移った時点で処分するのが法制度に沿った運用です。勝手に廃棄すると、後日ゲストから「あの高価品はどこに行ったのか」とクレームが来るリスクがあります。財布・身分証・スマホなど個人情報を含む物は、迷わず警察へ届けるのが安全です。
Q3. 返送費用をゲストが払ってくれない時はどうしますか?
着払い発送を提案する、Airbnbの送金機能で事前徴収する、この2つで大半は解決します。それでも払わないと言われたら、私は「送料が振り込まれ次第発送します」で保留し、一定期間経ったら警察へ届け出る流れにしています。無理にオーナー負担で送ると、次から「送ってくれるのが当然」と思われるので、線引きは最初から明確にした方がいいです。
Q4. 忘れ物対応の追加料金はいくらが妥当ですか?
編集部調べで都内の民泊清掃業者に聞くと、発見報告と施設内保管までを1回500〜1,500円で追加費目にしているケースが多いです。ここに転送(オーナー住所への発送)が加わると、実費+500〜1,000円が上乗せされます。物件条件・頻度で変動するので、複数社の料金表を並べて比較するのが確実です。
Q5. 家主居住型と家主不在型で対応は違いますか?
大枠のフローは同じですが、家主居住型ならオーナーが即時対応できるので警察届出・返送手配が早く回せます。家主不在型は清掃業者が発見→オーナー報告→ゲスト連絡までのタイムラグが出やすいので、報告のスピード基準を契約書に入れるのが重要。住宅宿泊事業法上の管理業務委託の範囲にも関わるので、詳しくは自治体の民泊窓口や登録行政書士に確認するのが安全です。
Q6. 現金の忘れ物を発見したらまず何をしますか?
清掃業者は写真を撮って即オーナーに報告、物品には触れず保管、これが原則。オーナーは受領後、最寄りの警察署に7日以内に届出します。同時にゲストにもプラットフォーム経由で連絡し、警察への届出済みであることを伝えます。金額に関わらずこの手順で処理するのが、業者・オーナー双方を守る動き方です。

