民泊清掃を自分でやると月いくら浮く?外注比較で見える本当のコストと時間

民泊清掃を自分でやるか外注するか電卓で比較する兼業オーナー 清掃の相場・費用

先週の日曜、朝10時半に浅草の1LDKに着いて、清掃を終えて鍵をキーボックスに戻したのは14時40分だった。移動込みで5時間。会社の給料を時給換算すると、この日は自分で清掃したせいで実質1.7万円分の休日をつぶした計算になる。

民泊を始めたばかりの頃、清掃を自分でやれば「その分まるまる浮く」と思ってました。実際は違った。浮くお金の裏で、時間・体力・機会費用が消えていく。3件回すようになった今、私はほぼ全部を外注に振っていて、繁忙期だけスポットで自分が入るスタイルに落ち着いてます。

この記事は、民泊清掃を自分でやると月いくら浮くのかを、東京都内で3物件を兼業で回している私の実費と稼働時間ベースで検証したものです。判断軸は「金額差」ではなく「時給換算で得か損か」。読み終わる頃には、自分の物件で自炊(=自己清掃)すべきかの答えが出るはずです。

この記事の要点

  • 東京都心のワンルーム民泊で清掃を外注する場合、1回あたりの費用は編集部調べで6,000〜12,000円が一般的(広さ・リネン込みか否か・繁忙期で変動)
  • 自分で清掃した場合に「浮く」金額は、ワンルーム1回あたり実質3,500〜7,000円程度(洗剤・リネン洗濯代・交通費を差し引いた後の粗い差額)
  • 所要時間はワンルームで正味60〜90分、リネン洗濯・移動込みで3〜5時間。時給換算で自分の本業時給を下回るなら外注が合理的
  • 月の宿泊回転が8回を超えると、自己清掃はスケジュールの物理的な破綻リスクが跳ね上がる(連泊アウトの重なり・深夜チェックアウト)
  • 住宅宿泊事業法上、届出住宅では「定期的な清掃」と「宿泊者ごとの寝具リネン洗濯」が事業者の義務。自分でやるにせよ外注するにせよ、この基準は動かない

時給換算で外注のほうが得だと分かっても、いい業者に当たれるかは別問題です。条件を入れて複数の清掃業者を比較できる見つける君なら、電話を1件ずつかける時間もかからず、まず相場感だけ掴むのにも使えます。

民泊清掃を自分でやると月いくら浮くのか(実費ベースで検証)

結論から言うと、東京都心のワンルーム民泊で自分が清掃した場合、外注と比べて浮く金額は1回あたり3,500〜7,000円、月8回転で概算28,000〜56,000円です。ただしこれは「時間コストを0円と置いた」場合の粗い差額。実質の可処分利益はもっと小さくなります。

私の新宿の25㎡ワンルームで、外注の見積もりは1回8,800円(税込・リネンレンタル込み・ゴミ回収込み)。自分でやる場合の実費は、洗剤・消毒液・トイレ用品などの消耗品で1回あたり約400円、コインランドリーでシーツ・タオル・カバー類を洗って乾かすと約1,200円、往復の電車代が約520円。合わせて2,120円。差額は6,680円です。

月8回転すると、浮く金額は約53,000円。年間で64万円。数字だけ見ると大きい。でもここに1回3〜5時間の自分の稼働が乗ります。月8回転なら24〜40時間。会社員の残業時間で言えばまるまる1週間分がここに消えている、と考えるとゾッとした、というのが2022年に自分でやりきった月の感想でした。

差額を月次で計算する

項目自己清掃外注月8回転の差額
清掃料金0円8,800円/回-70,400円
洗剤・消耗品約400円/回込み+3,200円
リネン洗濯代(コインランドリー)約1,200円/回込み+9,600円
往復交通費約520円/回+4,160円
自分の稼働時間3〜5時間/回ゼロ24〜40時間
月次コスト差(時間を除く)-53,440円(自己清掃のほうが安い)

この表の最下段が、いわゆる「浮く金額」です。ただしこれは時間コストを完全に0円で扱った場合の数字。あなたの本業時給が1,500円を超えるなら、この53,000円はほぼ相殺されると考えたほうがいい。

時間コストを含めた本当のコスト計算

本当のコストは、金額差から自分の時間の機会費用を引いた残りです。式にすると、月次可処分メリット=外注費-自己清掃実費-(自分の時給かける稼働時間)。この式に本業の時給を入れると、多くのオーナーで数字が反転します。

私の場合、本業の実質時給はざっくり3,400円(年収を年間労働時間で割った粗い計算)。月8回転の稼働24〜40時間に当てはめると、機会費用は約81,600〜136,000円。前段の浮いた53,000円を大幅に食い潰します。むしろ月2〜8万円の見えない赤字を出しながら休日をつぶしていたことになる。

ここが盲点。「支払わない=得」と錯覚しがちで、私も1年目はそう思ってました。会社に行かない土日の時間はタダに見える。でも家族と過ごす時間、副業に振れる時間、次の物件を探す時間を清掃に費やしているなら、それは正真正銘の機会費用です。

時給いくらから外注が得になるか

目安として、ワンルーム月8回転の場合、本業(または他の稼ぐ手段)の時給が2,000円を超えると外注のほうがトータルで得になります。1,500円前後だと拮抗、1,000円台なら自己清掃のほうが金銭上は得。ただし体力の消耗と持続可能性は別で考える必要があります。

2LDKや戸建てになるとこの分岐点はもっと下がります。広い物件は清掃に3〜6時間、リネンも多くて洗濯が2ラウンド必要になる。私の浅草1LDKは、正味の清掃で2時間半、リネン洗濯と移動込みで5時間強。ここまで来ると時給1,000円のパートより非効率です。

外注時の実際の見積もり金額の内訳は、以前まとめた民泊清掃の相場を広さ・頻度別に整理した記事で細かく解説しています。時給換算に入る前に、まず外注費のベースラインを把握しておくと計算が早いです。

清掃1回にかかる実時間を物件タイプ別に測ってみた

結論、ワンルーム25㎡で正味60〜90分、移動と洗濯を含めた総拘束時間で3〜5時間。1LDK 45㎡で正味120〜150分、総拘束4〜6時間。これは私が3物件で計30回以上ストップウォッチで計測した実測値です。

新宿ワンルーム(25㎡)の内訳。ベッドメイキング15分、水回り(浴室・トイレ・洗面)25分、キッチン10分、床拭き・掃除機15分、ゴミ分別と搬出10分、写真撮影と補充点検10分。ここまでで約85分。これに移動30分の往復、リネンをコインランドリーで洗う待ち時間90分、乾燥60分が乗る。

外部の一次データも近い水準です。スタッフ1名で約90分という業者側の実績が公表されており(おそうじ革命の都心1R事例)、私の実測とほぼ揃います。素人がやると業者より1.2〜1.5倍時間がかかる、というのが体感です。

見落としがちな付帯時間

  • コインランドリーの待ち時間(1.5〜2時間)は完全な拘束時間
  • 消耗品の買い出し(月1〜2回、1回30〜60分)
  • 予約カレンダーと清掃スケジュールの照合(週1回、15分)
  • ゲストからの問い合わせ対応で発生する再訪(月0〜2回)

これらを合算すると、月8回転の物件で自分がぶら下がる時間は30〜50時間になります。フルタイムの会社員なら、この時間をどこから捻出するか。私は最初、平日の朝5時起きと深夜の帰宅後で回そうとして、3ヶ月で寝落ちしました。

特にきつかったのは、金曜21時にゲストから「シャワーのお湯が出ない」と連絡が来た夜。翌朝チェックアウトで、日曜は次のゲストのチェックイン。会社の飲み会を途中で抜けて新宿に走った。給湯器のリモコンをリセットしたら復旧したので大事にはならなかったけど、この手の緊急対応が月1〜2回ある前提を考えると、自己清掃と自己運営を丸抱えするのは想像以上に精神的に消耗します。

ちなみに私が計測した中で一番時間がかかった回は、大田区のワンルームで7時間20分。4人グループが金曜から日曜に泊まって、キッチンで焼肉をやった痕跡が残っていた回です。壁の油汚れを落とすだけで90分。こういう外れ値が月1回混ざるだけで、平均値の予測が狂います。外注ならこの外れ値も業者が吸収してくれる、というのは金額に出ない安心料だと思ってます。

時間を測った結果、外注に切り替える判断をする人は多いです。ただ業者選びで失敗すると「自分でやったほうがマシだった」となる。エリア・料金・繁忙期対応の条件を入れて比較できる見つける君なら、最初の候補出しの手間が大きく減ります。

外注と自己清掃を時間と金額で比較する

結論のマトリクスから。月4回転以下・本業時給1,500円未満・物件が自宅から30分以内なら自己清掃も現実的。それ以外はほぼ外注が合理的です。判断は感覚ではなく、稼働回数と時給の2軸で切ると迷いません。

私は当初「1件目は自分、2件目から外注」と決めていました。でも1件目のワンルームが月10回転を超えた2023年の春、体が追いつかなくなり、結局全物件を外注に切り替えた。稼働率が上がるほど自己清掃の限界が来る、というのは経験則としてあります。

以下の判断表は、私が知り合いのオーナーに聞かれたときに渡している簡易フレームです。あくまで目安で、業者の当たり外れで数字は動きます。

月回転数本業時給の目安推奨
1〜4回〜1,500円自己清掃も可
1〜4回1,500円〜外注推奨
5〜8回〜2,000円ハイブリッド(平日自己/週末外注)
5〜8回2,000円〜全外注
9回以上問わず全外注(自己清掃は物理的に厳しい)

ハイブリッド運用という第三の選択

100対0で決めなくてもいい、というのは自分でやってみて気付いたことです。私は2023年の秋に、平日チェックアウトは自分、週末は外注、という半年間をやってみました。結果は微妙で、業者側にスケジュール優先度を下げられて繁忙期に枠が取れなくなり、結局全外注に戻しました。

ハイブリッドが成立するのは、業者と「メイン契約」ではなくスポット契約で組めるパターンだけ。定期契約前提の業者にスポットで頼むと、繁忙期に確実に後回しにされます。ここは業者選びの段階で確認しておくべき論点です。

外注に切り替える段取りは、業者の選び方から依頼の流れをまとめたガイドのほうに寄せています。契約前に確認すべきキャンセルポリシーや、繁忙期の枠押さえ方まで書いてあるので、実務に落とすときに参照してください。

自分でやるときに見落としやすい法令とリスク

住宅宿泊事業法(民泊新法)の届出住宅では、宿泊者の衛生確保が事業者の義務です。届出住宅の設備や備品等は清潔に保ち、定期的に清掃、換気等を行うこと、寝具のシーツやカバー等、直接人に接するものについては、宿泊者が入れ替わるごとに洗濯したものを提供することが、都道府県の案内でも明示されています。

つまり自分でやろうが外注しようが、「宿泊者ごとの寝具リネン交換」と「定期的な清掃」は義務。ここをコスト削減のために飛ばすと、法令違反のうえレビューも落ちます。自分でやる場合、この基準を守り切れるかが最初のチェックポイントです。

加えて家主不在型の場合は、住宅宿泊事業者に対し、上記措置(標識の掲示は除く)を住宅宿泊管理業者に委託することを義務付けと、観光庁・民泊制度ポータルサイトで示されています。「自分で清掃」自体は禁止されていないものの、家主不在型で運営代行会社を挟んでいる場合、清掃の再委託先や記録の取り扱いは事前確認が必要です。詳細は自治体の民泊窓口と契約中の管理会社に問い合わせてください。

ゴミ処理と保健所視点

見落としがちなのがゴミ処理。民泊から出るゴミは事業系ゴミ扱いになるケースが多く、家庭ゴミの集積所に出せない自治体があります。私の大田区の物件では、事業系一般廃棄物として有料回収を契約しています。自分で回収しに来ないタイプの外注業者と契約する場合も、ここは自分の責任範囲です。

自己清掃を選ぶ人ほど、この「自分でやるからには全部自分の責任」の範囲を過小評価しがちです。清掃品質のクレームだけならレビュー低下で済みますが、衛生・廃棄物の指摘は行政指導につながる可能性があります。判断が難しい部分は、必ずお住まいの自治体の民泊窓口と保健所に確認してください。

それでも自分でやるべきケース

外注が合理的なケースが大半とはいえ、自己清掃が正解になる状況もあります。私が「これは自分で」と思うのは、物件が自宅から徒歩15分以内、月回転3回以下、本業がフレックスまたは時給1,500円以下、清掃自体が嫌いではない、この4条件が揃うときです。

特に開業直後の1〜3ヶ月は、自分で最低5回は清掃をやってみることを勧めています。理由は業者を評価する目線を持つため。自分でやったことがない人は、業者の見積もりの妥当性も、上がってきた仕上がりの合格ラインも判断できません。私は最初の10回を自分でやって、そこで得たチェックリストが今も業者評価の土台になっています。

もう一つ、繁忙期のバックアップとして自分が入れる状態を維持しておくのは強い。GWや年末年始に業者の枠が全滅しても、自分が入れれば予約を落とさずに済む。100%外注に振ると、この保険が消える。私は年に4〜6回、自分で緊急対応しています。

2024年のGWは実際、いつもの業者が5日連続満枠で、5月2日と5日は自分で入りました。新宿と浅草をハシゴして、朝7時から動いて夜19時に家に帰った。あの日「外注に100%依存していたら予約を1件キャンセルしていた」と考えると、体力があるうちは自分で入れる技術は残しておくべき、というのが実感です。

それから開業前に想定していなかったのが、業者との会話に「現場を知っている前提」が必要になる場面。「シンク下の水漏れが」と業者から連絡が来たとき、自分が一度でも清掃していれば「ああ、あそこか」と即座に判断できます。ゼロ経験だと業者の言葉が翻訳できない。この意味でも最初の10回の自己清掃は投資対効果が高い、と思ってます。

自己清掃をする場合、備品とアメニティの補充管理も自分でやることになります。何を置くと満足度に効くかはアメニティの費用対効果ランキング記事にまとめてあるので、在庫リスト作りの参考にどうぞ。

自分の物件で判断するための3ステップ

最後に、この記事を読んだあなたが自分の物件で判断するための手順を残します。感覚で決めず、数字で決める。それだけで結論は驚くほど早く出ます。

ステップ1: 現在の稼働時間を1週間だけ計測する

清掃1回にかかる時間を、移動・洗濯・買い出しまで含めてストップウォッチで測る。頭で「1時間ちょい」と思っている作業は、実測すると3倍かかっていることが多いです。私も最初は90分だと思っていた作業が、計ったら4時間20分でした。

ステップ2: 自分の時給を出す

本業の年収を1,900時間(年間労働時間の目安)で割る。副業なら副業単価。専業主婦・主夫なら、その時間で他にできる有償労働の相場(パート時給・在宅ワーク単価)を仮に入れる。この時給が判断の軸になります。

ステップ3: 損益分岐を計算する

外注費から自己清掃実費と(時給かける稼働時間)を引いた金額がプラスなら外注が得、マイナスなら自己清掃が得。ただし体力・持続可能性・機会損失(次の物件開拓)は数字に出ないので、その分は自分の重み付けで判断する。ここは正解が分かれる論点で、私の答えが全員の答えではないと思ってます。

外注費の入力値は、東京の物件タイプ別の実勢価格を1LDK・2LDK・戸建てで整理した記事を使うと精度が上がります。自分の物件のサイズに近い数字を当て込んで計算してみてください。

計算の結果、外注に振る判断をしたなら、次は業者候補を集めるだけ。条件を入れると比較候補が出てくる見つける君で、まずは相場と対応可否だけでも確認しておくと、決断が具体的に進みます。

よくある質問

Q1. 民泊清掃を自分でやると本当に月5万円浮きますか?

東京都心ワンルームで月8回転の場合、外注費との差額は概算で5万円前後になります。ただしこれは自分の稼働時間を0円で扱った場合の粗い数字です。本業時給が2,000円を超えるなら、実質はほぼ相殺されるか赤字になる計算です。金額だけで判断せず、時給換算で見てください。

Q2. 自分で清掃する場合、住宅宿泊事業法上の問題はありますか?

家主居住型なら自分での清掃自体は問題ありません。ただし宿泊者ごとの寝具リネン交換や定期的な清掃・換気は法令上の義務です。家主不在型で管理業者に委託している場合は、契約範囲の確認が必要です。判断が難しい部分は、お住まいの自治体の民泊窓口に確認してください。

Q3. リネンだけ外注してあとは自分でやるのはアリですか?

アリです。むしろ現実的な折衷案として選ぶ人は多い。リネン代行を月契約で入れると、コインランドリー通いの拘束時間(1回1.5〜2時間)が消えるので、体感の負担が大きく減ります。私も一時期この形式で運用していました。ただし業者のリネン単価とコインランドリー実費の差は物件回転数で変わるので、計算は必要です。

Q4. ハイブリッド運用(自分と外注の併用)はうまくいきますか?

正直、私は失敗しました。スポット扱いになると繁忙期に業者側の優先順位を下げられ、GWや年末に枠が取れなくなったからです。ハイブリッドを成立させるなら、繁忙期の枠を事前確約してくれる業者を選ぶか、複数業者に分散契約するかのどちらかが必要になります。

Q5. 清掃を自分でやるか外注するか、最終的にどう決めればいい?

私の答えは「稼働時間を1週間だけ実測して、時給換算する」の一択です。頭の中で「1時間で終わる」と思っている作業は、実測するとほぼ必ず2〜4倍かかっています。数字が出れば判断は早い。ここが決まらないうちに業者選びをしても、途中でブレて戻ってくることになります。

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