金曜の21時、会社から新宿の部屋に寄って翌日の清掃準備をしていたら、以前一度だけスポットで来てくれた清掃業者さんからLINEが来た。「もし新規で受注できる物件あれば紹介してもらえませんか」。個人オーナー側の私からすると、ちょっと不意打ちだった。
民泊清掃を新規で受けたい業者さんからの営業は、正直けっこう来る。ただ、その大半が「安いです」「対応早いです」で終わっていて、発注する側の私が知りたい情報がほとんど入ってない。逆に言えば、その空白を埋められる業者は、私みたいな個人オーナーに直接刺さる。
この記事は、都内でワンルーム2件と浅草の1LDKを兼業で回している私が、「発注する側から見て、こういう営業なら話を聞く」という視点で、個人オーナーに直接営業する具体的な流れをまとめたものです。業者向けの内容ですが、営業を受ける側のオーナーが読んでも、業者選びの逆算材料になると思います。
この記事の要点
- 個人オーナーへの直接営業は、まず「発注側が今抱えている痛み(繁忙期の枠不足・業者ドロップアウトのリスク)」に一次接触の言葉で触れることが最短ルート。
- アプローチ経路は、マッチングサービス登録・Googleマップ整備・不動産管理会社経由・SNS発信の4系統に分けて考えると再現性が出る。
- 2024年11月施行のフリーランス新法により、業務委託を受ける個人事業主は取引条件の書面明示を発注者側に求める権利があるため、初回提案時にひな形を用意すると信頼されやすい(公正取引委員会 一次情報)。
- 初回のテスト発注で判断されるのは料金の安さより「連絡の速さ」「写真報告の質」「繁忙期の枠確保」の3点で、ここに投資した業者が継続契約に進む。
- 家主不在型の物件では住宅宿泊管理業者への委託が法定されており、清掃業務単体で受ける場合は管理業者経由か、家主居住型オーナーへの直接営業に絞ると外れが少ない(観光庁 民泊制度ポータル)。
ここから先は、私が実際に発注してきた業者さんの営業パターンを踏まえて、何が刺さって何がスルーされたのかを具体的に書いていきます。
営業のやり方に迷ったら、まずは発注側のオーナーが実際に業者を探している場所に出ておくのが早い。見つける君のような清掃業者と民泊オーナーのマッチング側に登録しておくと、こちらから営業しなくても引き合いが来る導線ができます。
まず知っておくべき「個人オーナー」の輪郭
個人オーナーに直接営業するなら、そもそも相手がどんな人なのかを掴んでおいた方が、提案の言葉がまるで変わる。結論から言うと、東京の個人オーナーの多くは私と同じ「兼業・数物件・平日日中は動けない」層です。ここを外した営業は届きません。
数字で見ると、国土交通省近畿運輸局が公表している集計では、住宅宿泊事業法に基づく届出件数は2025年5月15日時点で全国50,746件、そのうち事業廃止を除いた届出住宅数は31,863件です。東京都はそのうちかなりの比率を占めていて、noteに掲載されたBeds24の集計では、2024年1月時点で東京23区の届出件数は13,448件と紹介されています。ここに含まれる個人オーナーの多くは、副業感覚で1〜3件を回しているタイプです。
そう。副業なんです。だから営業側が「日中にお電話で詳しく…」と言った瞬間に会話が止まる。私も何度か平日昼にかかってきて、留守電すら聞き返さなかったことがあります。営業する側が最初に守るべき最低ラインは、テキストベース、時間帯は夜21時前後、返信は相手のペースで待つ、この3つです。
家主居住型と家主不在型の線引き
もう一点、業者さんが誤解しがちな法律の話を先に。観光庁の民泊制度ポータルサイトによれば、家主不在型の民泊は、住宅宿泊管理業務を登録を受けた住宅宿泊管理業者に委託することが原則義務化されています。管理業者は業務全部を第三者に再委託してはならないと明記されていて、清掃業者が「オーナーから清掃業務を直接受注」する形をとる場合、実際には管理業者からの受託になっているケースが多い。
逆に、家主居住型(オーナーが同じ住宅に住んでいる形態)は、管理委託の義務がありません。営業をかけるなら、家主居住型のオーナーか、家主不在型でも管理業者を挟んでいる場合はその管理業者にアプローチする、という順序を頭に入れておくと、話が噛み合わない事故が減ります。
私自身は3物件とも家主不在型で、管理業者を通しつつ清掃部分だけ独立の業者に発注する構造にしてます。この場合、私と清掃業者の間の契約は成立しますが、その建て付けを管理業者と共有しておく必要がある。この事情を理解して営業に来てくれた業者さんは、初回の会話で信頼残高が一段上がりました。
直接営業のアプローチ経路4系統
個人オーナーに直接届く経路は、大きく4つに分かれます。飛び込みや電話は現代の民泊オーナー相手にはほぼ機能しません。以下、実際に私に届いた経路と、届いた側の温度感をそのまま書きます。
| アプローチ経路 | 私が反応した確率 | 特徴 |
|---|---|---|
| マッチングサービス経由の引き合い | 高い | すでに探している人が集まっている。競合が多い代わりに需要が濃い |
| Googleマップ・MEO経由 | 中程度 | 「新宿区 民泊 清掃」等で検索したときに出てくる。口コミが命 |
| 不動産管理会社経由の紹介 | 高い(ただし営業ハードル高い) | 管理会社が扱う物件群にまとめて入れる。関係構築に時間がかかる |
| SNS発信・オーナーコミュニティ | 低〜中 | 時間はかかるが信頼構築のリターンが大きい。X・Instagramが中心 |
この4系統を一つずつ潰していくのは現実的じゃないので、まずは自分の強みが一番刺さる1系統から始めて、半年後に2系統目を追加する感覚がいい。私が発注してきた業者さんの内訳を見ても、初回接点はほぼマッチングサービスかGoogleマップのどちらかです。
マッチングサービスは「営業しなくても届く」入口
正直、営業に自信がない業者さんはまずマッチング登録から入るのが早い。理由は単純で、こちらから条件を入れて業者を探しにいくオーナー側の熱量が高いからです。私が新宿の部屋の代替業者を探したときも、深夜0時にマッチングサイトで条件検索をしていました。
マッチング上で選ばれる業者と選ばれない業者の差は、料金の安さより「情報の埋まり具合」です。対応エリア、対応時間、リネン対応可否、繁忙期の受け入れ状況、料金レンジ、これが全部埋まっている業者は、それだけで信頼残高が違う。以前まとめたオーナーに選ばれる料金表の作り方にも書きましたが、価格帯を空欄にしている業者はほぼクリックされません。
もう一つ、マッチング経由の初回接触では、返信スピードが命です。私は問い合わせを送った順に業者を評価していて、3時間以内に返信をくれた業者から順に打ち合わせの枠を渡します。24時間返信がない業者は、正直その時点で候補から外れる。個人オーナーは会社員兼業が多いので、意思決定できる時間が限られてるんです。
Googleマップは口コミが7割
MEOと呼ばれる地図検索対策は、時間はかかるが投資対効果が高い経路です。私が浅草の物件のスポット清掃を探したときは「浅草 民泊 清掃」で検索し、上から3件目に表示された業者に連絡しました。決め手はレビュー件数が20件を超えていて、内容が「民泊清掃」に具体的に触れていたこと。
Googleビジネスプロフィールに写真を10枚以上、レビュー返信を全件やる、投稿を月2回以上、この3つを半年続けるだけで、都内マイクロエリアなら十分な流入が取れます。私が発注した業者さんの中で、営業を全くしていないのに月10件以上の新規問い合わせが来ている業者がいて、その方はレビュー返信を1件残さずやっていました。
逆に、オーナー側の下調べの動きも知っておくと営業設計に活きます。私が業者を選ぶときの下調べ手順は口コミ・評判の確認手順に整理していますが、Googleマップの他にSNSと業界内の紹介を必ずクロスチェックしてます。営業する側はここに何かしら痕跡を残しておいた方が拾われます。
不動産管理会社経由は1社取れば10件動く
時間はかかるが、単発では最もリターンが大きい経路。民泊物件を複数扱う不動産管理会社や住宅宿泊管理業者と提携できると、案件がまとめて動きます。ただしオーナーへの直接営業とは進め方が別で、法人相手の営業になるので提案書と実績資料が必要になる。
提携までの流れは、まず「オーナーとの直接契約実績が最低3件、うち1件は6ヶ月以上継続」の状態を作ってから、東京23区の中小の管理会社に絞ってメールで打診、というのが現実的です。飛び込みや電話は先方の業務を止めるだけなので厳禁。
SNS発信は「オーナーの言語」で書けるかで決まる
Xで民泊オーナー系のアカウントを追っていると、清掃業者の発信も混ざります。ただ、フォローしたくなる業者はほんの一握り。理由は、大半が「清掃業者側の目線」で書いてるからです。「今日の現場、大変だった!」みたいな投稿は同業者にしか届かない。
刺さるのは「オーナー側の悩みを言語化した投稿」です。「繁忙期にリネンが足りなくなったオーナー向けに、当日15時までなら追加補充可能な業者リスト作ってます」みたいな、発注側の困りごとを見出しにした発信は、そのままDMに繋がります。オーナーは自分の悩みを言語化してくれる人を信頼するので、SNSは「発注側の言語辞書」だと思って運用するといい。
初回提案で必ず入れる7項目
アプローチ経路が決まったら、次は初回提案の中身です。私がここ数年で受け取った営業メールを見返すと、返信した提案には共通のパターンがありました。以下の7項目を最初のテキスト1本に全部詰めていた業者は、ほぼ100%返信しています。
- 対応エリア(区名まで具体的に)
- 対応時間帯(チェックアウト後〜チェックイン前の何時から何時か)
- 広さ別の料金レンジ(ワンルーム・1LDKなど)
- リネン対応の可否(自前・レンタル・オーナー支給いずれ対応か)
- 繁忙期(GW・お盆・年末年始)の受け入れ可否と割増率
- 連絡手段(LINE・メール・電話のどれで動くか)
- 損害賠償保険の加入有無と補償上限額
これ以外のカタログ的な情報は初回では不要。むしろ長文の会社紹介は読まれない。私は営業メールを平均7秒しか見てません。7秒で「うちのエリアに対応してる」「料金感が想定内」の2つが伝わらないと、二度目のスクロールがないんです。
ちなみに私自身がオーナーとして業者に依頼するときに伝える項目は、見積もり依頼で伝える7項目にまとめました。営業する側はこの逆をやればいい、というのが最短の設計です。オーナーが「聞かなくてもわかる状態」で情報を並べれば、意思決定までの往復回数が減ります。
初回提案で避けたい定型文
逆に、私がスルーした営業には共通のNG表現があります。「業界最安値」「対応スピードNo.1」「実績多数」「地域密着」あたりは、根拠なく書かれると景表法上もグレーだし、そもそも読み手が信じない。「東京23区で新規契約から6ヶ月継続率78%」のような自社データに置き換えないと機能しません。
もう一つ、「まずは一度お会いして」「お電話でご説明」は、兼業オーナーには重すぎる。テキストで完結する提案の方が3倍返信率が高い、と自分の経験値では感じてます。
1件目の直接受注が取れずに詰まっているなら、まず条件を整えて発注側と出会える場所に自分を置く方が早い。マッチング経由なら、オーナー側が能動的に条件検索している状態から始まるので、提案の空振りが減ります。
契約前に整えておく法務まわり(フリーランス新法対応)
ここは営業の話とセットで押さえておきたい実務。2024年11月1日から、いわゆるフリーランス新法(正式名称「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」)が施行されました。公正取引委員会の特設サイトによれば、業務委託を受ける個人事業主に対して、発注事業者は取引条件を書面または電磁的方法で明示する義務があります。
これは業者側から見ると、実は営業ツールになる。初回提案の段階で「フリーランス新法に対応した契約条件明示のひな形を用意しています」と一言添えるだけで、発注側の心理的ハードルが一段下がるんです。私自身、初めて業者と契約するときの手続きで頭を抱えていた側なので、ひな形を持ってきてくれる業者は本当にありがたい。
明示すべき事項は、業務の内容、報酬額、支払期日、給付を受ける場所などが公取委サイトに列挙されています。契約書という体裁でなくても、メールに箇条書きで書けばOK、という設計になっているのも、個人オーナー側にとってはハードルが下がるポイントです。
私が発注時に確認する条項はキャンセル・鍵管理・損害賠償の契約書チェックに整理しています。営業する側は、この記事に書かれている項目を「あらかじめ全部埋めたひな形」を持って提案に来ると、初回の打ち合わせが一気に進みます。
継続契約の解除にも予告義務がある
同法では、6ヶ月以上継続している業務委託を発注者側が解除・不更新する場合、原則30日前までに予告する義務があります。これは業者側の防御にもなる規定なので、契約時に「6ヶ月継続後は解約予告30日前」を明文化しておくと、営業段階で提示できる安心材料が一つ増えます。
テスト発注→本契約への流れ
提案が通っても、いきなり月契約にはならない。私は必ず1〜2回のテスト発注を挟みます。ここでの判断軸は料金の安さではなく、以下3つ。
1つ目は連絡の速さ。清掃完了報告が退室確認から60分以内に来るか。2つ目は写真報告の質。ベッド・水回り・玄関・ゴミの4カットが最低ラインで、追加でウェルカムセット配置の写真があると加点。3つ目は繁忙期の枠確保。GW前の3月末に「5月2〜6日の枠、確保できますか」と聞いて即答できるかで、翌年の稼働が変わります。
この3点をテスト2回でクリアした業者は、私の中では自動的に月契約候補に格上げされます。逆に、料金が最安でもこの3点が揃わなかった業者は、単発で終わってます。営業する側から見ると、初回の2件で全力を出し切れば、その先の継続受注は勝手についてくる、と言い換えられます。
写真報告のフォーマットで差がつく
写真報告は今や必須。私が発注している業者の中で、月契約に進んだ全員が、清掃完了時にLINEで写真4〜6枚を送ってくれる運用でした。フォーマットが揃っていると、こちらも見返しやすいし、後々のトラブル発生時の証拠になる。継続契約につながる報告書フォーマットにどう組むかまとめたので、営業段階で「こういうフォーマットで報告します」と見せられると強い。
継続受注に育てるための3ヶ月運用
初回テストを突破して月契約に入っても、そこで終わりじゃない。オーナー側は最初の3ヶ月を「継続判断の観察期間」として見ています。この期間に何を積むかで、6ヶ月継続、1年継続、複数物件の追加発注へと繋がるかが決まる。
私が浅草の1LDKで契約したある業者さんは、契約1ヶ月目に「押入れの奥に前ゲストの忘れ物を発見しました」と写真付きで報告してきた。契約範囲外の作業だったのに追加請求せず、そのまま無償対応してくれた。これで信頼が跳ね上がって、翌月から新宿の物件も同じ業者にお願いしました。3ヶ月目には料金交渉なしで大田区の物件も追加。
この「初期の小さな上乗せ」が、6ヶ月後の複数物件受注に化けます。営業段階で単価を1割下げるより、初月に契約範囲外を1回だけサービスする方が、生涯収益ははるかに大きい。私はこれを実感してから、業者さんに「初月はサービス対応を1回入れると強いですよ」と伝えるようになりました。
オーナー側の隠れた困りごとを拾う
継続契約に繋がる業者さんに共通しているのは、こちらが言語化できていない困りごとを先回りで拾ってくれること。たとえば「浅草の物件、繁忙期の連泊後は明らかに髪の毛が残りやすいので、コロコロの替えを2本余分に置きました」みたいな一言。こういう気づきがあると、料金交渉の相談すら消えます。
私が発注している業者さんの中には、備品の減りに気づいて「アメニティ、来週から補充いれます?」と勝手に打診してくれる方もいます。ここまで来ると、オーナーは他社と比較する気すら失う。営業のゴールは新規獲得ではなく、この段階まで持っていくことです。
やってはいけない営業パターン3つ
逆に、私が二度と対応しないと決めている営業パターンを3つ挙げておきます。ここに一つでも該当する営業は、業者側の努力の割にオーナーの心が動きません。
1つ目は「他社の悪口を並べる営業」。「あそこの業者は繁忙期に飛ぶらしいですよ」みたいな会話は、聞いてるこちらの気分も落ちる。同業のリスペクトがない業者は、自分の運営中もどこかで手を抜くだろう、と感じます。実際、業者が急に飛んだときの対応は代替先の確保と乗り換え手順で整理しましたが、他社批判よりも自社の冗長性設計を語れる業者の方が信頼できます。
2つ目は「値引き交渉を最初から持ち出す営業」。「今なら通常より2,000円お安く」は、逆に警戒します。相場より不自然に安い提示は、繁忙期に手が回らなくなったときに真っ先に切られる案件になるか、追加料金でリカバーされるかのどちらか。私は相場から極端に外れた提示は最初から候補に入れません。
3つ目は「複数回のフォローアップ連絡」。返信しなかった提案に対して1週間おきにリマインドが来るのは、正直しんどい。1回送って返信がなかったら、次は3ヶ月後に「季節が変わったのでご状況伺いを」くらいの距離感で十分。ここが分かっている業者は、最初の連絡もスマートです。
個人オーナー営業の年間スケジュール例
最後に、営業活動を年間スケジュールに落とすとどうなるかを、私が発注する立場から見て「刺さる時期」を書いておきます。民泊オーナーは季節によって業者を探す動機が明確に違うので、営業時期を合わせるとレスポンスが違います。
| 時期 | オーナー側の状況 | 刺さる提案 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | GW繁忙期の枠確保に動く | 「GW期間5日分の枠を確保しました」型の先出し提案 |
| 3〜4月 | 新規物件立ち上げ時期 | 初期設定・備品リスト作成込みの一括提案 |
| 6〜7月 | 夏休み前の枠確保 | お盆期間の対応可否+割増率の明示 |
| 9〜10月 | 秋の閑散期。業者見直しをする | コスト最適化提案・月契約への切り替え提案 |
| 11〜12月 | 年末年始対応で業者不足 | 12/29〜1/3の対応可否と単価の明示 |
特に9〜10月の閑散期は、オーナーが翌年に向けて業者体制を組み直すタイミング。ここで提案が届くと、翌年の年間契約に繋がりやすい。私自身、10月に来た提案で翌年の1月から新規契約した業者が2社います。
ここで一つ、判断が分かれる論点を残しておきたい。マッチングサービスに登録して案件を受けるのと、自社サイト+MEOで直接集客するのと、どちらを中心軸に置くかは業者の規模と体力次第です。私が知る限り、月10件以上安定させたい業者はマッチング中心、月30件超えるステージからは自社集客のウェイトを増やしている印象。ただし、これは正解が業者ごとに違うので、自分の体力とキャッシュフローで判断するしかないと思ってます。
もし今から新規で受注を伸ばしたいなら、まず発注側のオーナーがすでに集まっている場所に、条件を整えて出ておくのが再現性のある一歩です。営業ノウハウを磨くのはその次でいい。
よくある質問
Q1. 個人オーナーへの飛び込み営業や電話営業は効果ありますか?
ほぼ効果はない、というのが私の実感です。都内の個人オーナーは会社員兼業が多く、平日日中は連絡が取れません。加えて、届出住宅の住所は公表されているものの、そこにオーナーが常駐しているケースは家主不在型の場合そもそもゼロ。営業する時間的コストに対して、返信率が極端に低い経路です。マッチングサービス経由やGoogleマップ経由の方が、費用対効果が桁違いに高いと感じます。
Q2. 家主不在型物件のオーナーに直接営業しても契約できますか?
観光庁の民泊制度ポータルサイトによると、家主不在型では住宅宿泊管理業者への業務委託が原則義務化されており、管理業者は業務全部を再委託できないと定められています。清掃業務は管理業者の管理下で行う形になるため、実務上は「オーナーとの契約」と「管理業者との連携」の両方が必要です。オーナーへの提案時に「管理業者様との連携もフォローします」と一言添えておくと、契約後の運用がスムーズになります。
Q3. 料金は相場より安く提示した方が受注しやすいですか?
私の経験では、相場より極端に安い提示はむしろ警戒されます。オーナーは「安すぎる業者は繁忙期に手が回らないか、追加料金でリカバーしてくる」というパターンを学習しているからです。相場の中央値〜やや上で、料金以外の付加価値(写真報告、繁忙期の枠確保、緊急対応)で差別化する方が、継続契約に繋がりやすい。相場感は東京都心のワンルームで1回3,500〜7,000円程度が実勢レンジ(編集部調べ、条件で変動)です。
Q4. 契約書はどんな内容を用意すればいいですか?
2024年11月施行のフリーランス新法により、業務委託を受ける個人事業主は取引条件の書面明示を発注者側から受ける権利があります。公正取引委員会の特設サイトによれば、明示すべきは業務内容・報酬額・支払期日・給付を受ける場所などで、契約書という形式でなくメールの箇条書きでも可、とされています。業者側があらかじめひな形を用意して提案時に添付すると、発注側の心理的ハードルが下がります。詳細は所轄の情報を随時確認してください。
Q5. 何件くらい実績があれば「営業して大丈夫」と言えますか?
数の目安を言うなら、直接契約実績が3件、うち1件が6ヶ月以上継続、この状態まで来たら管理会社への提携営業も含めてフルに動いていいと思います。1件目〜3件目まではマッチングサービス経由や知人紹介で拾って、その実績を武器に4件目以降を営業で獲りにいく順序が現実的。実績ゼロの状態で法人相手の営業を始めるより、まずオーナー1件の継続契約を取ることを最優先に組み立てた方が近道です。
Q6. SNS発信はどのプラットフォームが有効ですか?
民泊オーナー層に届きやすいのはX(旧Twitter)とInstagramの2つ。Xは情報収集目的で使っているオーナーが多く、テキストベースで実務ノウハウを発信する業者は自然に拾われます。Instagramは清掃前後のビフォーアフター写真が強く、視覚的に品質を伝えたい業者向け。どちらも「オーナー側の悩みを言語化した投稿」が刺さる、という点は共通です。同業者向けの投稿はいくら伸ばしても発注には繋がりません。

